今月のインタビュー

医療・福祉のあらゆる分野の第一人者の方々に、ご専門分野に関する現状・課題・今後の展望などをおうかがいする「今月のインタビュー」。
多くの看護師、医療従事者の方々にとって"目指すべき医療とはなんなのか"を考えるきっかけにしていただけるよう、毎月テーマを厳選してお届けします。

第172回 2017/08

働き方はさまざま。地域看護の新しいスタイル「コミュニティナース」

新しい地域看護のあり方「コミュニティナース」の活動が動き始めています。コミュニティナースとは、地域に溶け込み、老若男女問わず”看る”ナースの新しい活動です。「治療・看護」保健師とは少し領域の異なる活動をしています。地域に溶け込むコミュニティナース、その働き方は多様です。香本なぎささんに、すでにコミュニティナースとして活躍している方々の活動についてお聞きしました。

Community Nurse Company (株) 事務局
コミュニティナースプロジェクト 第1期 修了生
香本 なぎさ 氏

Community Nurse Company (株)
島根県雲南市
奈良県山添村
京都府綾部市
北海道浦河町
コミュニティナースプロジェクト
BRIDGE LOCAL LEADER PROGRAM

子育て世代が気軽に立ち寄れる場づくりをするコミュニティナース

コミュニティナースプロジェクト2期 修了生の小林朋子さんは大学病院で3年、企業診療所で5年勤務され、第1子を育てながらの仕事との両立が大変だったこともあり、第2子出産後に一度看護師の仕事から離れていらっしゃいます。その後、御自身の子育て経験から“地元の子育て支援サービスが少な過ぎる”と感じ、自身の知識・経験を活かせる子育て支援をメインにした働き方をしたいと強く思うようになり、子育てと並行した地元での働き方を模索しておられました。そんな中、夫からコミュニティナースプロジェクトについての情報を得、「今の自分のやりたいことに近い気がする!」と2016年度の講座を受講されました。
 
小林さんは現在、民間の病児保育に勤務しながら“勤務時間内で”Frattoという皆が気軽にふらっと立ち寄ることができる場づくりを週1回、古民家で開催されています。現時点では、10時〜13時で参加費無料、親子でふらっと遊びに来たついでに看護師や保健師に相談ができるというスタンスで、子育て世代をターゲットに活動されています。小林さんは、行政保健師・株式会社経営病児保育看護師・民間学童保育看護師のトリプルワークですが、加えて今後民間の学童保育でも、子どもたちが居ない時間帯に自治体向けイベントや子育て支援サービスなど何かできないかと検討中だそうです。
 
コミュニティナース活動のやりがいについて、小林さんはこう語ります。
「Frattoに来られたお母さん方が笑顔で“気分転換になりました!”“ここにこんな場ができてうれしい!”“お昼もその場で食べられるなんてうれしい!”などの言葉をくださることがとてもうれしい」
ご自身の孤独で辛かった初めての子育て経験から“こんな場があったらよかったなぁ”と出てくるアイデアや、実際の子育て世代の方々から拾い上げたニーズを丁寧に形にされた成果だと思います。

【参考リンク】
クリエイティブナース事業部
https://m.facebook.com/creativenurse2017/
 

常勤勤務内で「暮らしの保健室開催」や「まちづくり活動」に携わるコミュニティナース

コミュニティナースプロジェクト3期 修了生の渡邊麗子さんは、以前は在宅診療専門の診療所看護師でした。昨年の秋にTV放送でコミュニティナースのことを知り、イキイキと語る矢田明子(Community Nurse Company(株)代表取締役)さんの表情や、地域住民さんと日頃から関係構築をしていくスタイルに惹き付けられたそうです。渡邊さん自身、元々地域に溶け込んで地域住民さんの目線を大切にした仕事をしたいと考えていました。看護ではどんな動き方がその目線に最も近いのか、と模索していたタイミングでもあり衝撃を受けたそうです。
 
彼女は現在、一般社団法人プラスケアにて常勤看護師として勤務されていますが、職場の上司である医師がコミュニティナースの在り方や活動に理解があり、渡邊さんは2017年度の講座を受講されました。“常勤での勤務時間内”で、身近な悩みから病気のことまで気軽に相談できる「暮らしの保健室」の活動、身近なテーマから少しシリアスな事も考えるような勉強会など、啓発活動やまちづくり活動に携わっていらっしゃいます。
 
コミュニティナース活動のやりがいについて、渡邊さんは「地域住民さんが“何を大切に考え生活されているのか”など、さまざまな価値観に触れることができること、生活の場も含めて“楽しく元気に生きるには?”を地域住民さんと一緒に考えることができること」と「暮らしの保健室で張り詰めた表情で相談に来られた方が、不安を和らげたり緊張を解きほぐすお手伝いをすることで、笑顔になったりすること」を挙げています。渡邊さんが、自身の得意分野を活かしつつ、まちのなかで渡邊さんらしい看護活動を展開されています。

【参考リンク】
一般社団法人プラスケア
https://www.kosugipluscare.com

コミュニティナースプロジェクト第4期の受講生募集、今秋開始


コミュニティナースプロジェクトの講座では、コミュニティナースに関心のある方を対象に、3〜4回の座学・ワークショップとフィールドワークを通して、コミュニティナースとしての立ち位置や、基本的なマインドセット、コミュニティナース活動を展開するにあたり基本的に必要となってくるスキルを学びます。また併せて“学び合えるチームづくり”を行います。
 講座の修了生たちは、それぞれの地域でコミュニティナース活動を始めています。私たちは、コミュニティナースを介して地域の声や皆のアイデアが形になり、健康で幸せな人があふれていく、そんな未来を目指して活動しています。

【コミュニティナースの講座について詳しく見る】
http://community-nurse.com/program  

 今すぐにコミュニティナースとして活動するつもりが無くても、地域看護の現状を知ることは自身の看護の視野を広げることに繋がりますし、またコミュニティナース活動で必要となってくるスキルはどの現場でも有意義に活かすことができます。自分自身の得意分野や強みを活かした看護活動を展開することができ、時にはうまく事が運ばないこともありますが、高い充実感を得られる活動です。
 
コミュニティナースの活動に興味をお持ちでしたら、是非、気軽にお声掛けください。

●コミュニティナースプロジェクト第4期説明会●
日時:平成29年9月18日(月・祝)15:00〜18:00 
場所:イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA http://www.synqa.jp/
参加費:無料

お問合せ先 Commnity Nurse Company(株)
HP:http://community-nurse.jp/
E−mail:info@community-nurse.jp

Community Nurse Company (株) 事務局
コミュニティナースプロジェクト 第1期 修了生
香本なぎさ氏
 
【略歴】
2010年 東京女子医科大学病院勤務
2013年 千葉県習志野市役所 行政保健師
2015年 ケアプロ株式会社 在宅医療事業部  訪問看護師
2016年 ナビタスクリニック新宿 クリニック看護師
             世田谷区 認知症初期集中支援チーム事業 に参画
              コミュニティナース育成プロジェクト 第1期 修了
2017年 Community Nurse Company(株) 事務局
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