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~古武術介護の発想に学ぶ~「腰痛のない介助技術」
第4回 ベッドと車いす間の移乗編

第3回では、床上を中心とした介助技術をご紹介しました。第4回では、大柄で全介助状態の被介助者がベッドから落ちてしまったときなど、難易度の高い介助技術を紹介します。今まで技術ではなく、力まかせに対応していたことも、古武術介護の原理を使いこなせれば楽に介助できるようになります。介助者、被介助者どちらにも優しい技術を使い、介助の質を上げていきましょう。

※今回ご紹介する技術は難易度が高いため、基本の動作を覚えた上で練習をはじめましょう。

Q4 重度で大柄の方をトイレ介助するには?

重度で大柄の方ですと、トイレ介助するのもひと苦労。職員ふたり一組で立たせ、ズボンを上げ下ろしたり、お尻を拭いたりしています。しかし、いつも必ずふたりで、というのは難しい状況です。ひとりで介助するコツはありますか?

※Q1~3はこちら

A4

被介助者の立ちがり動作を合理的に引き出せれば、介助者がひとりでも立たせることが可能です。また、このやり方ですと片手を離しても支えられるので、空いた方の手でズボンの上げ下げなどができることもうれしいですね。

■悪い例
力まかせに被介助者を持ち上げようとしても上がらない

■良い例
<手順>

①被介助者の両脚をまたぐようにして立ち、介助者は被介助者の健側(マヒ側ではない利き手)の脇の下に肩を入れる。介助者の背中に被介助者の両腕をのせてもらう。

②背中と腕とを連動させて手の平返し(原理1)を行い、左手で腰を、右手は大腿裏を抱える。正面から抱えると前傾が出にくくなるので、被介助者の腰のあたりを抱えるのがポイント。両者がしっかり近づき、お互いが一体化(原理3)した状態で介助者が腰を下ろすと、被介助者が前傾する。

③同時に被介助者の臀部が上がり、するりと立ち上がれる。そのタイミングに合わせ、介助者も立ち上がる。

④立位が安定すれば、太腿を抱えていた腕を離せる。ズボンの上げ下ろしなども可能に。


Q5 全介助で大柄な方を楽に移乗させるには?

ベッドから車いすに移乗させるとき、膝が拘縮し、足も接地できない方なので、身体を持ち上げて移乗しています。そのため、腰に大きな負担がかかっています。もう少し負担を減らしたいのですが……。

A5

大柄で介助度の高い方を移乗する場合、介助者の足腰の不安定さから、技術もうまく行きません。しかし、介助者がベッドや椅子に座った状態からであれば、安定しているので持ち上げずに移乗することができ、腰の負担も軽減できます。

<手順>
①被介助者の膝裏に片膝を差込む。

②被介助者の両脇から背中にかけてと、臀部をしっかり抱える。この時、漠然と抱えず、手の平返し(原理1)を正確に活用すること。
また、抱える時には被介助者と介助者の骨盤同士を近づけて、一体化(原理3)するのもポイント。

③被介助者を前傾させ、車いすに向かって方向転換させる。そのまま引き上げようとせずに、被介助者を前傾させ、頭の重さによって臀部が上がることで、介助者の膝の上でバランスがとれ、動かしやすい状態になる。
車いすを近づけ、被介助者の臀部にあてる。

④介助者も前傾しながら、つま先を左右に振るようにして、車いす方向に回転をしていき、座らせる。


Q6 床に落ちた方をベッドへ移動するには?

床からベッドやいすなど、高さの異なる場所へ移動させる時、どうしても吊り上げて支えてしまいがち。介助する人、される人両方に負担が少ない移動の仕方はありますか?

A6

ベッドから床にずり落ちてしまった状況でも、しっかりした技術があれば、ひとりで行うことが可能です。被介助者の抱え方はQ5の技術とほぼ同じです。しかし、高さのあるベッドに比べて、床からの移乗は難易度が高いです。

<手順>
①介助者は正座の状態から膝を広げ、被介助者の臀部を横から挟み込むように座る。被介助者の膝下に片膝を入れ、背中、腰を抱える。

②抱えたまま介助者が後方に倒れると被介助者の臀部が上がる。そのタイミングで膝を閉じると、正座の上に被介助者が乗る。

③被介助者を前傾させて臀部を上げ、介助者の腿に乗るように片膝を横に向けながら立てる。この時、大腿の裏、内前側が使われるため力も出しやすく、負荷も分散する。

​④介助者はつま先を左右に動かしながら移乗先に向かって回転し、膝の上に乗った被介助者をスライドし座らせる。


全4回の連載はいかがでしたか? 古武術介護はまさに「カラダを痛めない」ための技術。自身の身体を壊さず、お仕事を長~く続けていくために、ご自身の介助技術を見直してみてはいかがでしょうか。
ぜひぜひ、同僚と一緒に古武術介護にチャレンジしてみてくださいね!

連載 ~古武術介護の発想に学ぶ~「腰痛のない介助技術」
第1回 技術をレベルアップさせる合理的な動き方
第2回 技術を楽に行う3つの原理
第3回 床に転倒した人の立ち上がらせ方
第4回 ベッドと車いす間の移乗編

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理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員

身体障害者、高齢者施設に勤務し、独自の身体介助法を模索する中、武術研究家の甲野善紀氏と出会い、古武術の身体運用を参考にした『古武術介護』を提案したところ大きな反響を呼んだ。近年は介護、医療、リハビリ、育児支援、 教育など、幅広い分野で身体を通した発想と実践を展開させ、講演、執筆、企業アドバイザーなど多岐にわたる活動を行う。

著書『古武術介護入門』『古武術介護実践編』『腰痛のない身体介助術』(医学書院)、『家族のための介護入』(PHP研究所)、『介護福祉士実技試験合格ガイド』(晶文社)など多数。 ユーキャン通信講座「古武術介護講座」、NHK学園通信講座「古武術式カラダ使いこなし入門」の監修、株式会社JTBベネフィットのアドバイザーを務める。

UP DATE 2015/03/05

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