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さまざまな声を使い分けて、心に寄り添う看護を!
ヴォイスティーチャーに聞く「イメージアップ発声法」実践編

前回のボイトレ編では、「いい声」を出すために必要なウォーミングアップ、正しい姿勢、腹式呼吸のトレーニングをしました。発声の準備ができたら、いよいよ実践編「人の心に届く声の使い分け」にチャレンジ! 患者さん・利用者さんやそのご家族をはじめ、医師、病院・施設スタッフなど、さまざまな立場の人と円滑なコミュニケーションをするためのテクニックを、ヴォイスティーチャーの白石謙二さんに教えてもらいました。

声の種類や話し方に変化をつければ、印象が変わる!

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例えば、患者さんとの会話中に楽しい話から重い話に話題を切り替えるとき、リハビリ法を利用者さんに説得するとき、クレームの電話を受けたとき、謝るとき、注意するとき、お願いするとき……。会話の展開によって声のトーンを使い分けると、コミュニケーションがスムーズにできます。

まず、声のトーンや話し方による受け手側の印象を理解しましょう。

・大きい声 … 説得力がある/安定感/大きすぎると不快に
・小さい声 … ソフト/かわいい/頼りない/小さすぎると聞こえない
・高い声 … 明るい/軽い/遠くの人に届く/かん高い声は耳障り
・低い声 … 信頼感/目の前の人に届く/特に女性や子どもに有効
・やわらかい声 … 自然体/信頼感/安心感/親近感
・かたい声 … 事務的/退屈/抑揚がつきにくい
・ゆっくり … 優しい/説得力がある/聞き取りやすい
・早口 … 興奮/説得力がない/聞き取りにくい/言い間違えやすい

人が心を動かされるまでのプロセス「行動ステップ」を知ろう!

効果的に声を使い分けるための知識として、もうひとつ、人が事実を認識してから、実際に行動に移すまでの心理的な変化(行動ステップ)を知っておきましょう。例えば、患者さんにある治療法を提案したい場合。治療の内容の説明を受けただけでは、患者さんの心は動きません。患者さんは、治療の内容を「認知」した後、提案された治療法と自分との関係性を「理解」し、自分にとって価値があると「確信」するというプロセスを踏んで初めて、「よし、やってみよう!」となるのです。

声を使い分ければ、言いにくい話もスムーズに進む! ケース別 心を動かす声のテクニック

「認知→理解→確信→行動」という行動ステップを理解し、相手の段階に応じて声を戦略的に使い分けることが、発声法の極意。さっそく、どのような声で相手に働きかけていけばいいのか、具体的にケース別にみていきましょう。

ケース1 患者さんの気が乗らないことを、「~~したほうがいい」と説得する場合

苦痛が伴う治療やリハビリなど、患者さんや利用者さんに「気が乗らないこと」をやってもらわなければいけないときもあるはず。そんなとき、最初からきつい口調で話すと、相手の拒否反応は倍増してしまいます。まずは、やわらかな声で語りかけることを心がけましょう。
 
●声の使い分けテクニック例
①やわらかな明るい声を使い、笑顔で日常的な会話をする
②心を許してもらえるまで焦らずに続ける
③心を許してくれたところで低めの響く声に切り替えて、本題を切り出す
④決め言葉は、視線も声も前のめりぎみに語る
 
相手が話を聞く態勢になったところで、やわらかい声から声量のある低めの声に切り替えて本題へ。さらに、「~~したほうがいい」という決め言葉は、相手の目を見据え、視線も声もぐっと前のめりになるくらいの心意気で話すと、「絶対にやったほうがいい。間違いない」という意志が伝わります。

ケース2 怒りの電話を受けてしまった場合

次は、患者さん・利用者さんのご家族、病院内のスタッフ、外部の業者さんなどから怒りの電話を受けてしまった場合。電話の相手が怒っているのにこちらが穏やかに話してしまうと、姿が見えない分、相手には本心から詫びていることが伝わりません。

●声の使い分けテクニック手順例
①相手が早口で話してきたら、こちらもテンポを上げて話す
②話すテンポだけでなく、トーンも相手に合わせて謝る
③同じテンポやトーンで話し続けると、次第に相手は落ち着いてスローペースになる
④相手に合わせてテンポを落とし、低いトーンでゆっくりと謝罪する
 
状況に応じて話すテンポやトーンを調整すれば、場の空気を誘導することができます。今より盛り上げたければテンポを上げてハイトーンで、少しペースダウンしたい場合は、ゆっくり低いトーンで話すとよいでしょう。

ケース3 同僚と意見が食い違い、ケンカに発展しそうな場合

ときには、同僚など、同じ立場の者同士で意見が食い違うこともあるのではないでしょうか。気心が知れている相手だけについカッとなり、収拾がつかなくなってしまいがち。職場全体のムードも悪くなってしまうので、ケンカになる前に解決しておきましょう。双方が怒っている状態では、お互いの話を素直に聞く態勢にはなれません。まずは、相手の言い分を一度じっくり聞くことが先決です。
 
●声の使い分けテクニック手順例
①怒っていても、穏やかでやわらかい低いトーンで話す
②会話のテンポを落とし、相手の主張をよく聞く
③相手もクールダウンして、相手も話を聞く準備ができる
④ここではじめて自分の意見を述べ、主張を展開する
 
反論が必要なときは、タイミングが大事。まず、「私は決してあなたに敵対心をもっていません」ということを表現し、相手の敵意を取り払ってから話し出すと、人間関係を傷つけず、かつ、しっかりと主張できます。

身近にいる「いい声」の人をマネするのが上達の近道!

声の使い分けテクニックの上達の近道は、職場にいる尊敬する上司、いつも感じのいい同僚、何でもハキハキ答える部下など、身近に話し方上手な「お手本」を見つけること。その人と同じ口調、同じトーン、同じしぐさで話してみるのが一番です。そのとき、漠然と声や話し方をマネするのでなく、発声するときにどんな体の使い方をしているのか、状況によってどのように声を変化させているのかを、よく観察しましょう。そうすれば、話し方であなた自身のイメージを変える新たなヒントが見つかるはずです。

さいごに

3回にわたって、「イメージアップ発声法」をお届けしてきましたが、いかがだったでしょうか。意識してコツコツ続けていけば、必ず、相手の心に届く「いい声」を手に入れることができるので、ぜひチャレンジしてみてください。声に変化が出てくると、病院や施設でのコミュニケーションがもっと楽しくなりますよ!

声の印象を良くするノウハウが凝縮 白石謙二氏の近著紹介

『人に好かれる「声のマナー」41のルールとタブー 1秒で人をその気にさせる声の出し方』
出版社:講談社
定価:1,200円(税別)
CMやナレーションなどの職業としての声のみならず、会話における声の出し方を研究した著者による、人に好かれる声を出すためのノウハウが詰まったベストセラー。声の技術は特別なものではありません。この本を読んで声を磨けば、必ず輝きます!

『DVD付き 人に好かれる声の磨き方と話し方』
出版:永岡書店
定価:1,400円(税別)
 
『いつでもどこでも、全文耳勉! 朝3分の声トレで、あなたの話し方が9割変わる!』
出版:ダイヤモンド社
定価:1,429円(税別)
 

監修:白石謙二氏
(株)パワフルヴォイス (株)ヴォイスワークス 代表取締役
ヴォイスティーチャー

「話し方」専門のボイストレーニングスクール
青山ヴォイス・メイクアップ アカデミー(渋谷校・名古屋校・福岡校)

これまでになかった「話すため専門のヴォイストレーニングとティーチング」を行う青山ヴォイス・メイクアップアカデミーを立ち上げ、政治家、検事、弁護士、医師、経営者、コーチ、セミナー講師、営業マン、企業研修担当者、声優、俳優、ナレーター、アナウンサー、タレント、芸人にいたるまで、業種を選ばない、幅広い声の指導をしている。自身もテレビ、ラジオ、雑誌などメディアに多数登場。パワフルヴォイスヴォーカルスクール代表でもあり、多くのプロヴォーカルインストラクターを率いる。

UP DATE 2016/02/18

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