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「クラッ」は貧血や血虚に限らない
水毒・気の異常が引き起こす貧血様症状

東洋医学では、「気」「血」「水」のバランスが崩れると体の不調=病気になると言われています。いわゆる【貧血】の場合、このうち「血」に異常のある【血虚】であることが多いのですが、実は血以外の不調でも貧血に似た症状が出ることがあります。前回に引き続き、婦人科の漢方治療に詳しい、霞が関ビル診療所の丸山綾先生にお話をうかがいました。

「気」「血」「水」のバランスは大丈夫? 東洋医学からみる体内のバランス

東洋医学では、ヒトの体の中には「気」「血(けつ)」「水(すい)」と呼ばれる3つの要素が常に巡っていると考えます。これらの要素の過不足や、流れが悪くなったりすると、体や心のバランスが崩れ、不調になると考えられています。
まずは、簡単に東洋医学における「気」「血」「水」とは何か、またこれらが引き起こす体の異常について見ていきましょう。
 
■気の異常
気とは体内を流れるエネルギーのこと。代謝や運動のためのパワーの源です。
 
気虚:エネルギーが不足している状態。元気がない、とはまさにこの状態。
気逆:気の流れが通常とは逆の「下から上へ」流れている状況。のぼせなどはこの状態にある。
気うつ:気が停滞している状態。うつ状態などもこれにあたる。気滞(きたい)とも言う。
 
■血の異常
血(けつ)とは、血液そのものや体内を巡る栄養分のことを指します。
 
血虚:血や栄養分が足りず、体内に行き届いていない状態。
瘀血(おけつ):血の流れが滞り、溜まっている状態。肩こりや打ち身、子宮筋腫などはこの状態にあたる。月経痛や過多月経も東洋医学的には瘀血の状態。
 
■水の異常
水(すい)とは、血液以外の体内の水分を指します。
 
水毒(水滞):水が偏在している状態。つまりどこかに溜まっている、あるいはあるべき所に不足している状態。過剰にあればむくみとなる。むくみのほか、胃のむかつき、頭痛などの原因にも。低気圧が近づくと体調を崩すのは、水毒である。
 
このうち、【気虚】の場合も貧血に似た症状を起こすことがあります。文字通り【気(エネルギー)】が不足するため、だるかったりふらついたりします。過労の状態が続くと気虚になりやすいため、ハードワークな看護師さんや介護士さんは注意した方がよいかもしれません。
食欲がない、食後非常に眠くなる、胃もたれしやすいなどの症状も気虚なので、気を補うことが大切です。
 
また、水毒によるめまいも特に女性にはよくあります。水が頭に偏在すると頭痛やめまいを引き起こします。特に低気圧が近づくと症状の出る人は水毒で、日本人女性には多いタイプです。

自分の体のどこが悪いのかを把握しよう

いわゆる【貧血】の症状であっても、東洋医学的な診断では血虚であったり気虚であったり水毒であったり、さまざまです。当然治療も異なります。
例えば、気虚であれば補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの補気剤で気を補います。同時に胃腸機能を整え、食欲を増進し、食物から気を補う手助けをします。また水毒の場合は、五苓散(ごれいさん)などの利水剤を使って、不要な水をさばき症状を改善させます。
 
また、漢方薬の服用だけでなく、生活習慣の改善も同時に行うことが大切です。例えば水毒であれば、体が冷えると水毒は悪化し、また水が滞ると体は冷え悪循環に陥ります。衣類や入浴で体を温めると同時に、夏野菜などの身体を冷やす食物は控えて、根菜類やショウガなどの身体を温める食物を摂るとよいでしょう。
 
瘀血の場合は、血液をドロドロにするジャンクフードや白砂糖を使ったお菓子は避けましょう。とくに生理中は瘀血が悪化し月経痛が強くなることもあるので避けた方が賢明です。また、瘀血の改善には適度な運動で筋肉を動かすことも有効です。

検査結果に出ない「隠れ貧血」にご用心!

これまで、東洋医学的な観点から【貧血様症状】のお話をしてきました。ところが、そもそも西洋医学的に「検査に出ない貧血」があります。
一般的な健康診断では、ヘモグロビンの濃度を計測して貧血かどうかを調べます。ところが、ヘモグロビンの数は基準値内でも、その原料となる鉄が足りない、いわゆる「隠れ貧血」である可能性があるのです。
 
自分が「隠れ貧血」かどうかは、詳しい検査をすればわかります。内科や婦人科などでの貧血の精密検査では、ヘモグロビンの量だけでなく「血清鉄」や「フェリチン」などと呼ぶ血中の鉄やいわゆる貯蔵鉄の量も調べます。ヘモグロビンが基準値内でも、体内でこれらの鉄が足りない状態であることは珍しくありません。体内で鉄が不足すると、フェリチン→血清鉄→ヘモグロビンの順番で減ってゆくので、ヘモグロビンが正常値でも実は鉄が足りていない【隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)】という状態が存在するのです。これはやはり貧血様症状を引き起こすことがあります。この場合も鉄剤を飲んだり、鉄分の多い食事を摂ると症状が改善することも多いようです。健康診断ではヘモグロビン値に問題がないのに「おかしいな?」と思ったら、ぜひこれらの検査もしてみてください。

写真提供:ペイレスイメージズ
 

丸山綾 氏
霞が関ビル診療所 婦人科医
 
【略歴】
1999年日本大学医学部卒業。駿河台日本大学病院、丸の内クリニックなどを経て2011年より霞が関ビル診療所勤務。クリニックで診療をはじめるようになり、漢方薬を使った診療の必要性を感じるように。現在は、西洋医学と東洋医学の見地から婦人科診療に当たっている。
 
【資格】
日本産科婦人科学会専門医 、日本東洋医学会漢方専門医

UP DATE 2016/05/05

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