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ベテランナースも若手ナースもほめて育てる!
5秒でできる、ワンポイント「ホメ理論」

いくら忙しい看護師・介護士とはいえ、相手をほめるだけなら、5秒もかかりません。最初は照れ臭いかもしれませんが、若手もベテランも、どんどん部下をほめていきましょう。年間約70件もの医療従事者向けセミナーを開催する、AEメディカルの代表取締役、野津浩嗣氏に効果的なほめ方についてアドバイスいただきました。

事例1 ひと言添えるだけでほめ効果UP

前回は、「ほめる」ことの重要性についてお話しました。ほめ上手になるには、ひたすら実践あるのみ。実際にほめる練習をしてみましょう。
 
【問題】
ある患者さんが退院して初めて外来にいらっしゃった。担当看護師であったAさんにお礼の手紙を書いてきてくださったのだ。しかし、Aさんは残念ながらその日は夜勤で、その時間にはスタッフステーションにいなかった。代わりに手紙を預かった上司のあなたは、Aさん本人に手紙を渡す時、どのような言葉を添えて渡しますか?
 
手紙はAさんのロッカーにそっとマグネットで貼っておけばいいや……。
なんて済ませてしまうのはNGです! 患者さんからの手紙は、Aさんをほめる絶好のチャンスです。
 
例えば、手紙を渡す時、一緒に
「患者さんがお手紙をくださるなんてめったにないことです」
「わざわざ病院まで届けに来てくださったのですよ」
など、それがどれだけすごいのか、本人に伝えてあげましょう。
 
しかし、さらなるほめ上手はもうひと言付け加えます。「自分の思いもそこにプラス」するのです。今起こったできごとについてだけではなく、日頃がんばっている姿についても触れるのです。
 
例えば、
「日頃の処置の対応がよかったから、覚えていてくださったのですね」
「Aさんはいつも患者さんを大切にしていますものね」
というふうに、普段の行いについてほめるのです。すると、ほめられた側は「上司は私のことを見てくれている」「気にかけてくれている」という思いが生じやすい。「見られている」「評価されている」という意識の元であれば、普段の業務へのモチベーションも向上するでしょう。

事例2 ほめられ慣れていない人のほめ方

若手の育成と同じくらい、困っている場合が多いのは、年上の部下に対する指導方法。特に看護師ですと、30代の主任と50代のベテラン平ナース、という組み合わせも少なくありません。自分の指導をしてくれた看護師が部下になることだってあります。そんな人たちに対し、委縮してしまうことってありますよね。
 
ここで知っておいていただきたいのは、現在50代以上の方々は、実はあまりほめられ慣れていないということ。ほめ慣れていない方にとって、「ほめられる」という行為自体がむず痒いものです。なにか裏があるのでは……?と疑う人もいるくらいです。そのため、ストレートにほめても逆効果の場合があります。
 
では、そんな年上部下への効果的なほめ方を見ていきましょう。ほめられる人(=部下)をBさんとしましょう。
 
・他人を主語にほめることで、事実性を高める
他人を主語にすることで、事実性が高まります。例を挙げましょう。
 
「この前、看護部長と一緒に出張した時、看護部長がBさんのことをほめていましたよ」
 
このように、「他人がBさんをほめていた」ことを伝えます。看護部長はもちろん、それを伝えた自分も同じ意見ですよ、ということが伝わりますよね。この時、ほめる人は自分よりもさらに階級の高い人(例えば看護部長)だとより素直に受け取れるのではないでしょうか。
ただし、ほめていないのに「ほめていた」とうそをつくのはNGです。お世辞は意味がありませんし、あとでそれをBさんが知ったらこれまで築き上げてきた信頼関係も一気に崩壊してしまう可能性だってあるのです。
 
・みんなの前でほめる
2つ目のポイントは、二人きりではなく、ほかの人にも聞こえるように話すこと。朝の申し送り時にみんなの前で、などわざわざ機会を作って言わなくても構いません。人のいるスタッフステーションで話す程度でいいのです。他人にもその評価が聞こえるように言うと、事実性が高まります。応用編として「『○○先生にBさんのおかげで急変する前に気付けた』って伝えといたわよ」というように、他人にBさんのことをほめたということを伝えるのも◎でしょう。
 
若い世代、ベテラン世代で分けてお話しましたが、受け取り方は個人個人で異なります。第1回でもお話しましたが、相手をほめる時には相手をよく観察することが大切です。その人をよく知れば、おのずと適したほめ方が見えてくるはずです。人をほめるのに、5秒もかかりません。相手が一番うれしいほめ方でほめるのが、よいでしょう。

「ほめる」と「叱る」を病院全体で意識する

九州のある病院でほめ方、叱り方の講習を行い、実践したところ、新人70人のうち、翌年までに辞めた人数は一人だけ、と離職率が大幅に下がりました。次の年に新卒採用がほとんどできず、困ったほどだったとお聞きしています。
 
このケースを見て重要だと感じるのは、組織全体でコーチングを取り入れる必要があるということです。指導方法にばらつきができては、効果は出にくくなるでしょう。
また、新人が3~4年経って自分が「ほめたり叱ったりする側」になった時、改めてコーチングを学ぶと、「あの時自分が受けた指導には、こうした意味があったのか」と理解も早く、意識の共有も早いです。病院全体で継続して「ほめる」「叱る」の文化をつないでいき、皆で成長していきましょう。

画像提供:ペイレスイメージ

2016年夏、野津浩嗣氏セミナー情報

今、医療・介護業界に求められる、コーチング術を学ぼう!
管理職・リーダーのための部下のやる気を引き出す「ホメシカ」理論を伝授します。
 
7月5日(火)「いまどきナース」の「ほめ方」「しかり方」
主催:メディカ出版主催

7月20日(水)「いまどきナース」の「ほめ方」「しかり方」
主催:メディカ出版

8月4日(木)~『ホメシカ理論』で人を伸ばす~本気を引き出す「ほめ方」「叱り方」セミナー
共催:アニメートエンタープライズ、AEメディカル
 


『人がおもしろいように育つ ホメシカ理論』
著者:野津 浩嗣
出版社:梓書院
価格:1,500円(税込)

株式会社アニメートエンタープライズ
有限会社AEメディカル
代表取締役 野津 浩嗣氏
 
心理学、行動科学、行動心理学を下敷きとした「リーダーシップ論」を説き、各種企業向けのコーチングセミナーを数多く開催。医療・介護関係の団体からの問い合わせが増えたことを機に、医療・介護業界専門の研修・セミナーを提供するAEメディカルを立ち上げる。今では国内の各都道府県の医師会や看護協会、各病院・介護施設など、199団体(2016年5月現在)の方々に年間約70件ほどのセミナーを開催している。

UP DATE 2016/06/30

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