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その言葉、患者さんに通じてる!?
わかりやすく伝えたい医療用語

「イレウス」「QOL」「エビデンス」……。看護師なら当たり前に使っているこれらの医療用語の中には、患者さんにとっては意味がわからない言葉が多いものです。せっかく患者さんにさまざまな情報を提供しても、医療用語ばかりでは相手を混乱させるだけ。意外と知られていない用語って何? 今回は、患者さんと会話するときに気を付けたい、医療用語についてお伝えします!

日常的に使っている言葉もNG! 患者さんを困らせている医療用語

インフォームドコンセントは、医療従事者だけでなく、患者さん側にもだんだんと認知されるようになってきましたね。そのため、看護師の皆さんは、患者さんから病気について質問されたり、しっかりと説明しなければならない機会も増えたことでしょう。
看護師同士や医師、他職種との会話の中であれば、日常的に医療用語が飛び交っても問題ありませんが、患者さんやそのご家族にも同じように話をすると、「聞いたことのない言葉だ」と、困惑させてしまうことも。特にカタカナ語や略語は聞き慣れないうえに、漢字のように文字から意味を想像することも難しいものです。
医療用語を用いながら説明する場合は、説明をする側である看護師さんから意味を説明したり、わかりやすい言葉に言い換えたりする必要があるでしょう。
 
それでは、患者さんが「わからない」用語とは、具体的にどのような言葉なのでしょうか?

伝え方のPointをつかめば大丈夫! よく使う言葉の言い換え術

国立国語研究所「病院の言葉」委員会では、医療従事者が使うわかりにくい言葉をまとめて、Webサイト上で公開しています。そこで、患者さんなど医療に携わっていない人の理解度が低かったものから、特徴的な言葉をピックアップしてみました。
 
■クリニカルパス 知らない度数:高
「診療内容をスケジュール化し、わかりやすく記したもの」
 
伝え方Point!
「退院までの治療計画」などと言い換えましょう。患者さん個人に対してこの言葉を使う場合は、今後の計画も合わせてお話すれば理解いただきやすいでしょう。注意したいのは地域包括ケアにおいて「地域連携クリニカルパス」など、個人ではなく地域を対象とした計画を説明するとき。長期的な計画となるため、イメージしづらいのでより丁寧な説明が必要となるでしょう。
 
■イレウス 知らない度数:高
「腸閉塞(へいそく)」「腸の通過障害」
 
伝え方Point!
医療者同士ではよく使う言葉ですが、患者さんにはおそらく伝わらない言葉。「腸閉塞」という言葉であれば、文字面からなんとなく意味は通じるでしょう。より正確に伝えたい時には、図を用いて具体的な状態を説明するなどビジュアル面での工夫を。

■エビデンス 知らない度数:高
「この治療法がよいといえる証拠」
 
伝え方Point!
医療以外でも使われる用語なので知っている人もいるようですが、患者さんにとっては触れる機会の少ない言葉です。「この治療方法は、確かな調査研究の結果に基づいて行われます」などと言い換えたほうが、患者さんに安心して治療に取り組んでもらえるでしょう。
 
■QOL 知らない度数:やや高
「quality of life:その人がこれでいいと思えるような生活の質を維持しようとする考え方」
 
伝え方Point!
看護・介護の世界では日常的に使われている言葉。「生活の質」と日本語に訳しても、どういう意味なのかがわかりにくいので、患者さん自身の人生観や価値観を尊重し、これまでの生活スタイルをもとに具体例を用いて説明するのがよいでしょう。

■頓服 知らない度数:中
「症状が出たときに薬を飲むこと」
 
伝え方Point!
頓服の言葉の認知率は80%を超えています。それなのに、意味を理解されている方は約半数にとどまるということは、きちんと意味を理解せずに頓服を服用している方が多い可能性があります。どのような時に使えばよいのかをきちんと説明し、薬の正しい飲み方を理解してもらうように努めましょう。
 
■インフォームドコンセント 知らない度数:中
「納得診療」「説明と同意」
「納得できる医療を患者自身が選択すること」
 
伝え方Point!
広く知られるようになった言葉ですが、実は、約3人に1人は意味を正しく理解できていません。インフォームドコンセントを行う前に、言葉の概念もしっかり伝えておくとよいでしょう。
 
■インスリン 知らない度数:中
「膵臓で作られ、血糖を低下させるホルモン」
 
伝え方Point!
糖尿病の治療に用いられるインスリンは、非常に認知度の高い治療薬です。しかし、「インスリン治療は一生続けなければならない」「インスリンには内服薬もある」といった誤解もあるようです。正しい使い方の認知が必要です。
 
国立国語研究所「病院の言葉」委員会の調査報告には、その他の用語もたくさん紹介されています。ぜひ、ご確認ください!

“わかりやすさ”を心がけることで、勘違いや無知からの事故を防ごう!

「この言葉、いつも患者さんと話すときに使っている!」と思った医療用がありましたか? もっとも気を付けなければいけないことは、医療用語を患者さんが理解していると勘違いしたまま、治療や看護が進んでしまうことです。例えば、「頓服」の例にあったように、薬の飲み方を勘違いされていて、飲む量やタイミングを誤ってしまう可能性も否定できません。
また、説明の中に知らない用語が多くなりすぎると、患者さん自身がご自分の病気やけがについて考えたくなくなってしまうこともあるかもしれません。患者さん中心のケアを実現するためには、患者さん自らが治療についてより深く知ってもらい、しっかりと考えられるようにサポートしなくてはなりません。
 
患者さんと会話をするときは、難しい医療用語はできるだけ避け、わかりやすい言葉に言い換えるよう心がけましょう。そして、もし患者さんが困っている表情を見せたら丁寧に説明すること、また、質問しやすい雰囲気をつくることができる看護師さんで居続けること、このふたつのポイントを大切にしてください!
 
 
<参考・引用>
国立国語研究所「病院の言葉」委員会
http://pj.ninjal.ac.jp/byoin/

画像提供:ペイレスイメージ

UP DATE 2016/08/10

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