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休暇には隣国へ旅行も!
国境なき医師団のナースが語る、派遣先での暮らし

世界の人々へ医療を届けるNPO法人「国境なき医師団」。前編で紹介した現地での医療支援に続き、今回は「初めての渡航で気になる、現地での衣食住」に迫っていきましょう!慣れない海外生活が不安で、なかなか踏み出せない方も多いのでは? 6度の派遣経験のある吉田照美さんに、派遣中の暮らしについて教えてもらいました。

お話していただいた方

国境なき医師団(MSF)日本
看護師 吉田照美さん
 
埼玉県出身の看護師。
1997年、青年海外協力隊員・看護師としてフィジーへ派遣。帰国後、日本赤十字看護大学看護学部へ編入。血液・骨髄移植科勤務ののち、訪問看護ステーションで、訪問看護・介護支援専門員業務を経験した。2012年6月、国境なき医師団に初参加。南スーダン、パキスタン、ウクライナ、シエラレオネ(エボラ出血熱対策プログラム)にて、合計6回のプロジェクトに参加している。

現地での衣食住について知りたい!

Q. 派遣先では、どんなところに住むのですか?
住居は、派遣される国によって環境が大きく異なります。例えば、パキスタンやウクライナは、日本と変わらない設備が整っていて、とっても快適。エアコンやWi-Fi、テレビのある個室が用意され、温かいお湯でシャワーを浴びることができたんですよ。
一方、南スーダンではちょっと苦労しましたね。泥で固めた小屋で、シャワーはなく、井戸から組み上げた水で身体を洗う……なんとも厳しい環境でした。雨季には虫が増えるので、蚊やハエ、ネズミ、カエルなども当たり前のように現れますし、蛇やサソリも出てくるんです! 「靴の中にサソリがいることがあるから気をつけろ」と、よく忠告をされたものです。たまに忘れてそのまま足をつっこむことも多かったんですけれどね(笑)。
 
Q. 食事も日本と大きな差がありましたか?
パキスタンは食事もとてもおいしかったです。市場で野菜や卵、ヨーグルトやチーズなども売っていますし、ポテトチップスやコーラなどのお菓子もあって、基本的にほしいものはなんでも売っていました。
南スーダンでは、ご飯と味のついていない豆で過ごす日もありました。チキンもときどき食べるんですが、日本のような柔らかさやジューシーさはまったくない、固くて身の痩せたお肉でしたね。それから、川が近かったので新鮮な魚を釣って、コックのスタッフに調理してもらったり、Thanksgiving Day(感謝祭。北米の祝日のひとつ)の日には、欧米人のスタッフが山羊を買ってきて、バーベキューをしたりと、特別な日には楽しみもありました。

2015年、南スーダンで現地スタッフと ⓒ MSF

Q. 生活用品で足りなくて困ったものはありますか?
靴下! 10足もあれば足りると思っていたんですが、洗濯をして干していると風で飛んで行ってしまったり、何かに紛れてなくなってしまうんです。長靴を履くときは絶対に靴下がないとイヤだったので、靴下不足は死活問題でしたね。
日焼け止めも必須アイテムです。美容のためにシミやそばかすを防ぐと言うよりも、陽ざしがとても強いため、塗っていないと皮膚が傷んでしまうからです。肌を守るために絶対に必要なものです!
 
Q. 足りないものがある時は、どうするのですか?
どうしても、というときは家族に連絡して日本から送ってもらっていました。でも、頻繁に送ってもらうわけにはいかないので、気軽には頼めなかったですね。
荷物は、ほかの国境なき医師団の参加者が近場の国まで運び、それをまた別の誰かが私のいる現場に運ぶなど工夫が必要でした。2度ほど靴下を送ってもらいました(笑)
 
Q. 海外滞在する人はよく日本食が恋しくなると言いますが、吉田さんはいかがでしたか?
恋しかったですね~! 派遣中は「うどんが食べたいな~」とよく思いました。いつも持っていくのは、ふりかけやお茶漬けのもと。荷物が重くなるので、ここ数回の派遣では醤油を持っていくのを諦めました。
パキスタンに行ったとき、気持ちが落ち込んでどうしようもなくなったときのために、カップ焼きそばをひとつだけ持って行きました。誰にも見つからないよう自分の部屋にお湯をこっそり持ち込んで食べました(笑)。大事に隠し持っておいた日本の味が、絶大な励みになりましたね。

現地での娯楽について知りたい!

Q. 息抜きには何をしていたのですか?
パソコンに映画や音楽などをダウンロードして持って行きました。また、電子書籍もかさばらずにたくさんの本を持って行けるので便利です。軽めのエッセイを読むとだいぶ気分転換になりますね。
ほかのスタッフとレクリエーションをすることもあります。カードで遊んだり、卓球をしたりしました。私はあまり参加しなかったのですが、近くにプールやビーチがある場合は、治安状況が許せば泳ぎに行く人もいました。
 
Q. 滞在先では、自由な時間はどのくらいあるのですか?
どのプロジェクトでも、週1日は休みを取るように指示されています。しかし、患者さんが救急搬送されてきたり、現地のスタッフに緊急事態が発生した時は、休みでも出動しなくてはならないこともあります。実質休みはあまりないですね。改善しなければならない点だと思います。
長期プロジェクトの合間には、3ヵ月に1回10日程度の長期休暇を取ることができます。自国に一時帰国したり、周辺国へ旅行に出かけたりできます。南スーダンに滞在した時は、エチオピアへ数日出かけ、パキスタンにいた時にはスリランカにも行って旅行者気分を満喫しました。旅行の費用は自分持ちですが、のびのびリフレッシュできる時間です。

お金や病気にについて知りたい!

Q. 渡航前にどのくらいお金を用意すればいいのでしょうか
滞在中の食費や生活費、予防接種費用などの経費はすべて国境なき医師団から支出されますので、プロジェクトに参加するために、個人で費用を用意する必要はありません。ただ、休暇の旅行や私用がある場合は自己負担となるので、その分の費用は準備をしておきます。
現地では、食費と日用雑貨の購入費として日当が支払われるほか、日本の口座に日本円で毎月給与が支払われます。

2014年、シエラレオネでのエボラ対策プロジェクト。防護服を着る吉田看護師 ⓒ MSF

Q. 環境の変化が大きく、体調を崩してしまわないか心配です。現地で病気にかかることはありましたか?
環境の変化にはなかなか対応できず、どのスタッフもだいたい期間中一度は体調を崩します。私も下痢や発熱をしましたし、マラリアに罹ったり、寄生虫に感染する人もいます。でも私たちのいる環境は、優秀な医師がそろっていますし、医薬品も充実しています。早期に治療を受けることができますから、重症化する前に防ぐことができます。たとえ病気になっても離脱するスタッフは少なく、よほどのことがない限り完治後には現場に復帰します。

Voice:私たちの医療を待っている患者さんがいる

看護師 吉田照美さん

国境なき医師団は医療の届かない人たちに医療を届ける仕事をしていますが、私個人が支援できることはごくわずかです。患者さんの命を救えることもあれば、亡くなる人もいます。
ただ、私たちが行くことで、喜んでくれる患者さんにたくさん出会ってきました。遠い外国から集まり、紛争も差別も関係なく助けに向かう国境なき医師団を頼りにしてくださっているのです。医療支援に向かうNPOは他にもありますが、のべ3万8000人以上のスタッフが約70ヵ国で本当に医療を必要としている人たちへ支援を行う団体は国境なき医師団のほかにありません。私はこの団体の一員として、人の辛さに寄り添い、医療を提供する、まさしく『看護』の精神を提供できることを、誇りに思います。
 
今のところ、次のプロジェクトへの参加予定はありませんが、もっともっと経験を積んで成長し、近い将来再びプロジェクトに参加したいと考えています。
 
今この瞬間にも、世界ではさまざまな病気の流行や紛争に苦しんでいます。私たち国境なき医師団の活動をぜひ、日本の看護師の皆さんにも知っていただきたいと思います。
本当に医療を必要としている方のために、医療を届けられるよう、私たちはともに働く仲間をお待ちしております。

国境なき医師団に参加してみたいとお考えの方は、自分が働く姿をイメージできましたか?
プロジェクトの参加に必要なのは、看護師としてのスキルと看護を届けたいという想い。
実際の活動の模様や、参加者の体験談については、各地で説明会が開催されます。興味をもった方は、ぜひ説明会に参加してみてください。


【説明会 インフォメーション】
国境なき医師団日本 海外派遣スタッフ募集説明会
●10月16日(日)15:00~16:00 ウェブ説明会(インターネットでライブ配信します)
●10月22日(土)14:00~16:00 大阪英語説明会(すべて英語で行う説明会です)
入場無料、お申込 http://www.msf.or.jp/work/infosessions.html

UP DATE 2016/09/29

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