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がちょっぴり気になるアレコレにお答えします!休憩時間や通勤などのスキマ時間にサクッと読めるお役立ちコラムです。

メイクの力で患者さんも晴れやかな気分に!
かづきれいこの「リハビリメイク」

命が助かる、身体が以前のように動くようになる、傷が治る……治療のゴールとは、いったいどこにあるのでしょうか。医学的には「治った」状態でも、傷の痕などが原因で、患者さんが社会復帰をためらっていたら……。そんな方たちをメイクの力でサポートしているのが、フェイシャルセラピストのかづきれいこ氏。彼女が提唱する「リハビリメイク」について詳しくお聞きしました。

かづきれいこ氏
フェイシャルセラピスト
歯学博士
公益社団法人顔と心と体研究会 理事長
REIKO KAZKI主宰
http://www.kazki.co.jp/
 
生まれつき心臓に穴が開いていたため、冬になり血流が悪くなると顔が真っ赤になる悩みを抱えていた。心労で倒れた際にASD(心房中隔欠損症)とわかり、30歳の時手術で完治。それを機にメイクを本格的に学び、同じように外観に悩みを抱える方たちの力になりたいと考えるようになる。
そして、傷痕などのカバーだけでなく、患者さんの心をケアするリハビリメイクを考案、提唱し、1995年から研究を続けている。現在は医療機関と連携し、患者さんが社会に踏み出すことができるようメイクの力で後押ししている。大学病院などで外来をもつほか、医学部や歯学部での講師、学会・講演会などでも活躍。

一歩を踏み出してもらうためのリハビリメイク

リハビリメイクとは、単に傷を隠すカバーメイクとは異なり、顔や身体に傷を負った方がご自身の傷を受け入れ、心までをもケアするメイクのことです。傷を隠すことに主眼を置かず、患者さんご自身が患部を受け入れ、社会復帰することを目標としています。メイクは手段であって目的ではありません。生まれつきあざのある方、やけどを負った方、がん治療の副作用でシミや黄斑ができてしまった方、眼瞼痙攣でまぶたが閉じて開かなくなってしまった方など、さまざまな方が対象となります。

傷の大きさや深さは関係なく、客観的に見てどんなに健康的できれいな印象であっても、患者さんご本人の満足度が低ければ、リハビリメイクの対象となります。
 
まず、患者さんに悩みを聞き、メイクをさせていただきます。一度傷痕のない、キレイなお顔になれるのだ、と知っていただくことが大事です。それが希望となり、心の不安の解消へとつながります。
 
次に患者さんには、ご自分の手によるリハビリメイクの技術を習得していただきます。一時的な変身ではなく、「テクニックさえ身に付ければいつでも傷痕が隠せる」という安心は、患者さんの社会復帰の助力となるでしょう。引きこもりがちだった患者さんが外出するようになったり、社会の一員として自信をもって活躍することができるようになる。そんな姿を取り戻してもらうために支援することがリハビリメイクの役割です。

メイクに使用する化粧品は、一般の方と同じものを用いることも大きな特徴です。厚く塗って隠すのではなく、短時間で自然に仕上げ、くずれにくくします。また、老化によるたるみやシワ、シミなどの悩みの解消も、リハビリメイクの一部に含まれます。
 
医療機関の治療と並行してメイクを行うこともあります。長期的な治療を必要とする場合、病気によって変化したからだと長く付き合う必要があります。例えば、やけどなどがそうです。生命が助かったとしても、「このような外観で生きていかなければならないのか」と悲嘆する患者さんは少なくありません。
このような時、自然に健康的な印象をつくることができるリハビリメイクは非常に有効です。自分の外観と折り合いをつけるための技術を身に着けることができれば、患者さんに社会で生きていく希望が生まれます。精神的な負担が大きく軽減されるため、その後の治療に積極的になっていただけることにも期待ができます。

患者さんの心の奥にひそむ悩みを聞き出し、解消を手伝うのがリハビリメイク

リハビリメイクはキレイになることだけがゴールではありません。その人が何を求め、何に悩んでいるのかを知り、解決のお手伝いをしなければなりません。
患者さんの心は深く閉ざされていることも多く、私のもとへメイクをしにくる患者さんでさえ、本当のことを話してくれないこともあります。彼ら、彼女らが何に悩み、気がかりに思うのか、丁寧に引き出していくことが大切です。施術前には必ずヒアリングを行い、患者さんの想いをじっくりおうかがいしています。その上で、患者さん一人ひとりに合ったメイクを探り、メイクさせていただくのです。

       施術中のかづき氏

【主なヒアリング内容】
①現病歴、既往歴…リハビリメイクに至った経緯をお聞きする。
②家族構成、家族の年齢…両親や兄弟姉妹の有無、年齢、世帯人数などをお聞きする。家族との関係が要因になることもあり、家族が協力的かどうか、理解が得られているかにより、メイク後の外観の需要度が変動すると考えられる。また、本人よりも家族が気にしている場合もあり、家族への精神的ケアが必要なケースもある。
③仕事の種類…外勤であれば動いても汗で崩れない、人と接する仕事であればよい対人関係を築くために華やかで健康的なメイクを行うなど、最終目標を決める要素とする
④服装や外観の嗜好…好みの色や外観イメージを取り入れて仕上げると、QOLの向上につながる。当日の服装や言動からの考察も必要。
 
ヒアリングから聞き出した個別の悩みをメイクで解決できると、とてもよろこんでいただけます。鬱々とした表情も、パッと明るくなるんですよ。メイクの力で患者さんの気持ちを晴れやかにすることができるのです。同時に、カウンセリングも行い、ご自身の体に対するネガティブなイメージを変えるように促していきます。
 
また、メイクは快方に向かう患者さんだけのものではありません。例えば、末期がんの方でもいつまでもキレイでいたいと思う方は少なくないはずです。重篤な患者さんやそのご家族の前では、メイクの話題を持ち出しにくいところもあると思うのですが、終末期の心理ケアのひとつとしてご提案することも大事だと思います。患者さんが最期までの時間をどう過ごすかが重要なのですから。また、治療中で苦しそうな顔より、メイクで少しでも元気そうに見せると、周りにいる家族にも安心感を与えることができます。

リハビリメイクをもっと知りたい!方へ

『リハビリメイク 生きるための技』

著者:かづきれいこ
出版社:岩波書店
価格:799円(税込)

UP DATE 2016/10/25

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