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今日からはじめる「アンガーマネジメント」
イライラを上手に流す術

皆さんは、仕事のなかで、つい“イラッ”としてしまうことはありませんか? 冷静に対応できずに、不機嫌な表情になったり、相手に反抗的な態度をとったりして、相手との関係がこじれたり、言い過ぎたと後悔したりという経験もあるのではないでしょうか。怒りの感情と上手に付き合い、気持ちよく働くためのテクニック「アンガーマネジメント」について、横浜市立大学医学部看護学科講師の田辺有理子先生にお聞きしました。

講師プロフィール

横浜市立大学医学部看護学科講師
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会シニアファシリテーター
田辺有理子氏
 
北里大学大学院看護学研究科修士課程修了。看護師として大学病院勤務を経て,2006年より大学教員として看護教育に携わり,2013年より現職。朝日新聞デジタルの医療・健康・介護のWebサイト アピタル(apital)でコラム「医療・介護のためのアンガーマネジメント」を連載中。

反射的な怒りの爆発を防ごう

怒りの感情にまかせて大爆発! そして、あとから自己嫌悪。怒りは誰もが持っている自然な感情のひとつに過ぎないのに、その扱いが難しいことがあります。
勢いにまかせて、相手を攻撃したりするだけでなく、イヤミで応戦したり、ドアを勢いよく閉めたり、モノを乱暴に扱ったりと、無意識に怒りを表出していることもあります。
どんなに相手が理不尽だとしても、あなたが怒りを爆発させたら、「あの人は怒りっぽい人だ」と思われるでしょう。場合によってはクレームを受けることにもなりかねません。
こうしたトラブルは「反射的」な行動によって起こってしまうものです。そういうときは、ほんの数秒間反応を遅らせるだけで、後悔するような言動を防ぐことができます。

今すぐ実践! 湧き出す怒りをクールダウンさせる簡単テクニック

テクニック1 数秒間待って怒りのピークをやりすごす
「え、これだけ?」と思うかもしれませんが、実は効果てきめんのテクニックです。
怒りのピークはわずか数秒と言われています。その数秒間をやりすごせば冷静に次の言葉や行動を考えることができ、衝動的な言動で失敗することを回避できます。
ポイントは、イラッとした数秒間、そのできごとから意識をそらすことです。
 
テクニック1-1 怒ったできごとを手のひらに書いてみる
何に怒りを感じたのか、手のひらに指で書き出してみましょう。書いているうちに数秒経ち、怒りのピークをやり過ごすことができます。
※紙に書きだすのも効果的! →怒りの記録「アンガーログ」(後述)
 
テクニック1-2 深呼吸する
ヒトは怒りやストレスを感じた時、自然と呼吸が浅くなり、緊張が高まります。
落ち着いた場所でゆっくり深呼吸をして、呼吸を整えましょう。
 
テクニック1-3 魔法の呪文を唱える
怒りを感じたら思い浮かべる「魔法の呪文」を用意しておくのもひとつの手。
例えば、「大丈夫、大丈夫」「なんとかなるさ」「なるようになるさ」など、内容はなんでもいいのです。「この状況を乗り越えられたら、私はきっと成長できる」「流れを変えていける」といった、ポジティブな言葉を自分に言い聞かせるように言うのもアリでしょう。
言葉でなくてもかまいません。愛する家族やペットなどを思い浮かべ、気持ちを落ち着かせましょう。
 
 
テクニック2 怒りに点数をつけてみる「スケールテクニック」
今、自分が感じている怒りは10点満点で何点になるのか、怒りの度数に点数をつけてみましょう。我慢のならない強い怒りには10点、少しイラッとした程度の時には2~3点など、点数をつける練習をしてみましょう。

※点数には個人差があります

怒りの大小にかかわらず、怒りを感じたらとにかく自分なりに点数をつけてみましょう。さまざまな怒りの点数を記録していくと、自分がどのようなことに強く怒りを感じるのか、傾向が見えてきます。
最初に9点を付けた怒りでも、似たようなできごとに対して点数を付けているうちに、「これって本当に9点を付けるほどの怒りだっただろうか?」と点数が下がって行くこともあります。
すると、別のタイミングで何か怒ることがあったとき、「これは3点くらいの怒りだからまだ抑えられる」「8点の怒りだ、爆発しないように注意しなきゃ」と意識することができるようになるのです。
 
トレーニング2.5 怒りの点数を共有してみよう
スケールテクニックは、複数人で試してみると興味深い結果が見えることもあります。
同じできごとに対して「いまだかつてないくらいものすごく頭に来た」と言って9点をつける人もいれば、「確かにあれはひどかった」と言いながらも2点ぐらいの人もいます。
 
個々人で価値観はちがいますから、点数に差が出てくるのは当然です。
重要なのは、点数ではなく、どんなことにどれだけ怒りを感じるかは人それぞれということを知ることです。自分が平気なことであっても、相手にとっては怒りのスイッチであった、なんてこともあるでしょう。価値観は個々で違って当然なことですので、自分の度数を他人に近づける必要はありません。同じできごとでも、人によって感じ方が違うということを理解しておくだけでぐっと人間関係はラクになります。自分の価値観とは異なる他者の価値観を知り、ものごとの許容範囲が広がるからです。

自分の怒りのくせを分析してみよう

テクニック3 怒りの内容を書きだし、分析してみる「アンガーログ」
テクニック1-1やテクニック2からもう一歩踏み込んだトレーニングをしてみましょう。
まず、自分がどんなことに怒りを感じたのか、メモに書きだしてみます。冷静なときに自分が怒りを抱くポイントを見直してみると、その瞬間には気付けなかったことが見えてきます。

<記入例>
①日時 11月11日(金)14:00
②場所 〇〇介護福祉施設 104号室
③できごと
利用者Aさんに「トイレに行きたいときは、介護士を呼んでくださいね」と何度も言っておいたにもかかわらず、ひとりでトイレに行こうとして転倒してしまった。
 
④その時に思ったこと、感じたこと
・何度も同じことをAさんにご説明するのに疲れてしまった。
・認知症の症状があるので、その点は理解をしているつもりだ。
・Aさんは私に遠慮をしていたのだと思う。
・転倒したと聞いた時、血の気が引いた。
・安全管理が不十分だった自分にも怒りを感じる。
⑤怒りの強さ(点数)6点
 
文字として書き残すことで、怒りを客観的に見ることができます。
このメモをどんどん蓄積して、あとで見直してみるのもおすすめです。「こういうときに自分は怒りやすい」ということを知っておけば、同じような事態になったときに客観的に判断できるようになれるでしょう。
 
―――――
後編では、じわじわと引きずるイライラ・モヤモヤの対処法についてお伝えします。

書籍紹介 実践してみよう! アンガーマネジメント

今回監修いただいた田辺先生をはじめ、アンガーマネジメントに関する書籍を一部ご紹介します。

『イライラとうまく付き合う介護職になる! アンガーマネジメントのすすめ』
著者:田辺有理子
出版:中央法規出版
価格:2,160円
 
『自分の「怒り」タイプを知ってコントロールする はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』
著者:安藤俊介
出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン
価格:1,620円

UP DATE 2016/11/29

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