NEWS 2018

医療 2018.06.12

アルツハイマー病における意欲低下の原因を解明、今後の治療に期待(量子科学技術研究開発機構/日本医療研究開発機構)

2018年6月8日、
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構と国立研究開発法人日本医療研究開発機構は、
アルツハイマー病患者の意欲低下が生じる原因を解明したと発表しました。
 
アルツハイマー病や認知症の前段階ともいわれる
軽度認知機能障害となった場合、「意欲低下」の症状が出現。
この症状により、社会的孤立や運動量の減少、
さらには心身機能の低下などが見られるようになります。
十分な治療を行うためには、原因となる病理変化を
生体脳で明らかにする必要があるものの、
これまでの研究では死後脳を用いることがほとんどで、
病理変化の解明に難航していました。

そこで同研究では、生体脳で「タウタンパク質※」を可視化するPET技術を開発。
このPET技術により、意欲低下が強い早期のアルツハイマー病患者には、
眼窩前頭皮質にタウタンパク質が多く蓄積していることを発見し、
さらに、意欲低下が重症な患者ほど、
タウタンパク質蓄積による眼窩前頭皮質の神経細胞死や、
同部位と他の脳部位とを結ぶ線維の障害が重度であることも突き止めました。

これにより、アルツハイマー病における意欲低下の脳内メカニズム解明、
さらには、タウの脳内蓄積を抑えることで、認知機能障害のみならず、
意欲低下の治療・予防の実現が期待されています。

※タウタンパク質:
 神経系細胞の骨格を形成する微小管に結合するタンパク質。
 アルツハイマー病をはじめとする様々な精神神経疾患において、
 タウが異常にリン酸化して細胞内に蓄積することが知られている。

 

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