福井県看護協会では、新型コロナウイルスワクチンの住民接種が
4月中旬以降に県内で始まるのを前に、
資格は保有しているものの現在働いていない潜在看護師らに
集団接種会場などでの業務への協力を呼び掛けています。
福井県看護協会によると、県内では、
過去に大量採用された看護職の定年退職の時期に入ってきています。
実際に、県内の病院や診療所など
計754施設に対して実施された調査では、
2019年度の退職者は前年度から73人増えて825人。
このうち看護師、准看護師は62人増の計774人で、
16年度に比べて約100人増えています。
一方、同協会が潜在看護師に就職や復職先を
紹介するサイト「ナースセンター」の登録者数は
2月時点で例年の半数にとどまっています。
新型コロナ感染拡大に伴い、県医師会が運営する検査センターや
県の相談窓口、軽症者らの宿泊療養施設などに県看護協会から
看護職を派遣する業務がスタート。
看護系大学の教員らも加わっているものの、
多くは医療機関勤務の看護師が対応しており負担が増しています。
市町が主体となる4月中旬以降の住民接種では、
集団接種会場への派遣要請が予想されています。
看護職の役割は接種そのものだけでなく、
接種前の相談対応や接種後の経過観察など多岐にわたり、
休日などに接種会場が長時間開設される際は、交代要員も必要だといいます。
同協会の江守会長は、
「医療機関はコロナ患者の受け入れや発熱患者の
検査などで大きな負担が重なっています。
何とかこれ以上の負担が増えないように、
退職した皆さんの経験を活かしていただきたい。
月に1日や、1日2~3時間でも協力いただけたら非常にありがたい」
と話しています。
福井県ナースセンターは、県看護協会の窓口やホームページから
登録することが可能です。