NEWS 2022

医療 2022.01.12

死か移植か 遺伝子操作した豚の心臓 人への移植を世界で初めて成功(米メリーランド大学)

1月10日、アメリカのメーランド大学医学部が
遺伝子操作した豚の心臓を、人間に移植することに成功したと発表しました。
 
移植を受けたのは、末期の心臓病を患っていた57歳の男性です。
不整脈などがあり重症だったため、通常の心臓移植の対象にならず、
ほかの治療法では回復が見込めない状態でした。
唯一の選択肢は、成功するかどうかわからない
遺伝子操作済みの豚の心臓移植だけだったといいます。
 
大学によると、男性はリスクを理解したうえで手術に同意し、
手術前日には「死かこの移植しか、選択肢はなかった。
私は生きたい。これは私の最後の選択肢だ」とコメント。
手術は今月7日に行われ、
3日後の10日時点で、男性の容体は安定しているということです。
 
今回移植に使われたブタの心臓は、
再生医療の実用化に取り組むアメリカの企業が作ったもので、
10か所の遺伝子を操作して、拒絶反応が起こりにくいようにされています。
 
通常、このような手術の許可は簡単には下りません。
しかし、米食品医薬品局(FDA)は、
人命を脅かす状況にあり、他の選択肢がない患者の
最後のチャンスとなる「同情的利用」と呼ばれる緊急認可手段を適用しました。
 
米国では、臓器移植の順番待ちでおよそ10万人がリストアップされており、
毎日17人が持ちこたえられず命を落としているとされています。
また、日本臓器移植ネットワークによると、
日本では移植を希望している人の2~3%しか移植を受けられていません。
 
当大学医学部の異種移植プログラムの責任者ムは
「この手術が成功すれば、苦しみながら移植の順番待ちに並ぶ患者たちに
臓器を提供しやすくなり、劇的な変化をもたらすだろう」と述べています。

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