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ベテランナースAさんから、申し送りが長くならないポイントについてアドバイスを受けた新人ナースBさんは「つづく話は悪、ですね!」とコメント。誤解している面があると感じたAさんは、自身の説明が下手だったためだと反省し、再度の説明を考えているようでした。
この話を聞いて遠い昔の記憶が蘇りました。
30代の男性患者Cさん(たしか検査入院だった方)のベッドサイド。その場での用を済ませた新人ナースの私は「では、そのつづきはまた」と声をかけました。別の方に行う業務の時刻だったため急いでおり、Cさんの話(好きなミュージシャンについて)のつづきはあとにしてもらおうとしたのです。
すると彼は、踵を返した私の背に早口でまくし立てました。
「連続ドラマの、つづく、ではなく、映画のラストの、完、を意識して一回一回会話しないとダメ! だから、いまの話もきみは最後まで聞いたほうがいいんだ。いや、会話だけじゃなく、いつ終わるかわからない人生を、つづく、の感覚でいるのは、悪!」
これに対し、私が「ごめんなさい!」と頭を下げて退出したところで記憶は途絶えています。
年を重ねた今、人生は「つづく」だらけであって、なかでも縁のある人との対話は、たとえ長いあいだ会っていなくても、また相手が他界してしまっても、なんとなくつづくものなのだなと感じています。ひょんなことで思い出したCさんとも、かすかにご縁がつづいていたのではないかしら、と思いたい私です。
そういえば小さい頃、邦画の最後に画面にどんと出てくる一文字「完」を見るのがあまり好きではありませんでした。
著者/小林 光恵さん | 元看護師。著述業。つくば市在住。 エンゼルメイク研究会代表、ケアリング美容研究会共同代表。 看護師、編集者を経て、1991年より本格的に執筆業を中心に活動。『おたんこナース』『ナースマン』など。 <新刊情報> ナイチンゲールの子孫が主人公の小説 『ナイチンゲール7世』(イースト・プレス)が発売中! <多数のメディアで連載中!> ●小説 『令和のナースマン』 (月刊ナーシングキャンバス 株式会社Gakken) ●エッセイとイラスト 「アンチヘブリンガン」 (月刊ナーシング 株式会社Gakken) ●コラム 小林光恵の「ほのぼのティータイム」 (Aナーシング 日経メディカル) ●コラム 「ついついやってしまいがちなエンゼルケア」 (Will Friends 日本看護学校協議会共済会) ●ドクターズコラム (健達ねっと メディカル・ケア・サービス) など |
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