アンケート結果発表

毎月、さまざまなテーマで実施しているアンケート。
一般の方々が注目していることや、
入院経験がある方のご意見など、
皆さまから寄せられた"生の声"をレポートしています!

アンケート結果報告2012年9月5日発表

- 救急医療の優先度とは? - トリアージナースに対する意識調査

事故や災害時に、触診や聴診などの「フィジカルアセスメント」により、傷病者の治療優先順位を決定する「トリアージ(識別救急)」。震災などで一人でも多くの命を救うために行われる診断方法の一つですが、命に優先度を付けるという行為に、道徳的な疑問を持つ人もいます。今、医師や救急医療施設の不足から、一般外来などでも導入されつつあるトリアージ。それに伴い、トリアージを行う看護師も増えています。今回は「トリアージナース」についてのアンケート結果をレポートします。

アンケート属性
アンケート期間 2012年7月5日~8月4日
有効回答者 1516名
男女比
年齢分布

震災の記憶もあり、高い認知度のトリアージ(識別救急)

(1)あなたは、「トリアージ」という言葉を知っていますか?

トリアージ(識別救急)という「言葉を知っている」と回答した人は、詳細を知る・知らない人を合わせると790名(52.21%)で半数以上となり、かなり高い認知度です。震災などの災害の多い日本では、意識から外せない救急医療のシステムと言えそうです。

高齢者ほど、トリアージの導入に前向き

(2)たとえば、あなたが救急外来を利用し、病院から自分より後に来た重症患者を優先させたいと言われたらどうしますか? あなたの症状はつらい状態ですが、命に別状のないものとします。

救急外来でも導入されつつあるトリアージ。もしも、先に来院していた自分よりも、後からきた重症患者が先に治療されるとした場合、回答は「後から来た重症患者を優先させてよい(91.3%)」が圧倒的に大多数でした。しかし少数派ではありますが、「自分を先にして欲しい」という回答も。さらに読み解くと、次の結果では興味深い内容になりました。

「後から来た重症患者」と「先に来ていた自分」とどちらの治療を優先させるかについて年代別に集計しました。若い年代(19歳以下~30代)は、「先に来ていた自分」と回答している人の割合が高く、中年層(40代)で同比率、高齢年代(50代~80代)になると「後から来た重症患者」と回答する人の割合が増えています。「後から来た重症患者」の選択率が一番高い年代は50代、「先に来ていた自分」の方は、30代という結果でした。

トリアージは良くても、トリアージナースには反対という意見も

(3)医師ではなく、看護師がフィジカルアセスメント(触診や聴診)でトリアージを行う、「トリアージナース」についてどう思いますか?

前設問にあるよう、91.3%の人が「後から来た重症患者を優先させてよい」と、前向きな回答者が圧倒的に多かった救急外来でのトリアージ。しかし、看護師が初期診断でトリアージを行うことについては、賛成多数でありつつも、「反対」が23.3%と、消極的な回答が増えました。

トリアージナースのスキルを認定する制度が必要

(4)看護師のトリアージについて、「賛成」と「反対」の各理由をお答ください。

医師不足の問題を考えれば、救急外来などでのトリアージには必須と思われるトリアージナース。「賛成」と「反対」の理由から、救急医療現場において、患者が求める看護師の技術や能力がわかります。

■賛成の理由
賛成する理由でもっとも多かったのは「少しでも早く症状の判断をしてもらえたら、安心できる」で424名(36.5%)。ほぼ同じ比率で多かった回答、「患者が最初に接するのは看護師なので、病状判断が早くなる」の372名(32.0%)という結果とあわせて考えると、賛成する人が求めるトリアージとは「自分の症状を早く知り、安心したい」という事のようです。

その他の回答
・看護師は医師と同程度の現場スキルや知識を持っていると思うから
・基本賛成だが、必要なスキルや知識を持つという、トリアージの認定制度をきちんとして欲しい
・医師のトリアージの前段階として実施するのは賛成

■反対の理由
圧倒的に多かった反対の理由は、「医師以外の人間に、命にかかわる判断をされるのは不安」で207名(58.6%)。これは賛成の自由回答にあった「必要な技術や知識を持つという認定制度」が欲しいという事と同じ意味です。つまり、反対する人もトリアージナースの持つスキルが明確になり、安心できるならば、看護師がトリアージをする事を受け入れてくれるのかもしれません。


その他の回答
・医師でも診断内容に不安があるのに、看護師となればさらに不安
・看護師には責任が重すぎる

災害時はもちろんのこと、不足する救急医療施設やインフラを考えれば、医師だけでは確実に不足すると思われるトリアージ。今後、トリアージナースの存在は必要不可欠となるのではないでしょうか。患者が安心して診断をゆだねることができるよう、トリアージに必要なスキルと責任の範疇を明確にし、患者に何かしらの「形」で見えるようになれば、トリアージとそれを行う看護師への期待は、今以上に高まるのかもしれません。また、トリアージの導入に対する年代での意識の違いも、またの機会にさらなる調査をしたいところです。

「トリアージナース」について、また、このアンケートの結果や内容についてのご意見やご感想は、Nursing-plaza.com公式Twitterまでお寄せください。

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