毎月、さまざまなテーマで実施しているアンケート。
一般の方々が注目していることや、
入院経験がある方のご意見など、
皆さまから寄せられた"生の声"をレポートしています!
日本看護協会の「2017年 看護職員実態調査」によると、患者さんからの「身体的な攻撃」を受けたことがあると回答した方は全体の約94%、「意に反する性的な言動」を受けたことがある方は約70 %に上ります。多くの看護師が患者さんからのハラスメントを経験していることがわかりました。今回は、ハラスメント問題の中でも「言葉」に焦点を当ててアンケートを実施。ハラスメント経験の有無や、不快に感じた時の相手への伝え方などをお聞きし、ハラスメントへの自覚や原因を探りました。
アンケート属性 | |
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アンケート期間 | 2019年2月5日~2019年3月4日 |
有効回答者 | 1209名 |
男女比 | ![]() |
年齢分布 | ![]() |
看護師に対して、暴言や不当な要求など、言葉によるハラスメントにあたるような行為を行った経験のある人は全体の2%でした。一方、病院や介護施設などでそのような行為をしているのを見たことがあるか、という問いでは、全体の約2割の人が見たことがあると回答しました。
(1-1)ハラスメントにあたるような行為を見た経験
(1-2)ハラスメントにあたるような行為を自分が行った経験
「これまでに、看護師の自分への応対や態度に対して嫌な気持ちになったことはあるか」という問いでは、約4割の人が「ある」と回答。看護師の応対や態度に不快な思いをしたことがある人は半数近くを占めました。
嫌な気持ちとなる看護師の応対や態度を聞いたところ、「態度が高圧的だった」(43.1%)、「態度が失礼だった」(38.5%)という「態度の悪さ」が上位の回答となり、約4割を占めました。これらに、「処置の仕方に問題を感じた(遅い・丁寧でない、など)」(29.0%)という回答が約3割でつづきました。
その他
看護師の応対や態度に対して気分を害したことを病院に伝えたか、という問いでは、伝えたことがある人は全体の7%にとどまり、全体の4割の人が「病院には伝えなかった」と回答しました。気分を害した人の8割以上の人が病院には伝えていないという結果となり、患者が疑問や不安を抱いていても、表出できない環境であることが伺えます。
気分を害したことを病院に言わない理由は、「伝えたかったが、言うことを我慢したから」(35.4%)が最多の回答で、2番目に「伝えても改善されないと思ったから」(25.6%)がつづきました。そのほか上位には、「病院に伝えるほど内容がたいしたことではなかったから」(24.5%)、「伝えることが苦手だから」(21.1%)という回答が2割台であがりました。不快に感じたことがたいしたことでないケースも含まれるようですが、それ以上に、我慢して表に出さない、言い出せない、言うのをあきらめているという気持ちが働いていることが多いようです。
その他