毎月、さまざまなテーマで実施しているアンケート。
一般の方々が注目していることや、
入院経験がある方のご意見など、
皆さまから寄せられた"生の声"をレポートしています!
厚生労働省によると、認知症患者数は2012年で約462万人、さらに高齢化が進む2025年には、およそ700万人前後に達すると言われています。自身はもちろん、大切な家族、友人、誰にでも発症しうる認知症は、決して他人事ではない病状です。今、皆さんは認知症にどのように向き合っているのでしょうか。 アンケートでは、認知症への関心や理解に対する率直な意見が多く集まりました。
アンケート属性 | |
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アンケート期間 | 2019年4月4日~2019年5月7日 |
有効回答者 | 1094名 |
男女比 | ![]() |
年齢分布 | ![]() |
認知症のことを「よく知っている」と答えた人は全体の1割にとどまり、「ある程度知っている」が7割、「言葉だけ聞いたことがある」が2割を占めました。また、認知症を引き起こすものとして知っている病気を聞いたところ、9割以上の人が「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」と答え、その他の病気は2~3割にとどまりました。
(1-1)認知症の理解度
(1-2)認知症を引き起こす病気の知名度
認知症が予防できる病気であることを知っているか聞いたところ、「知っているし、方法も説明できる」と答えた人は全体の1割にとどまり、「知っているが方法までは説明できない」が約6割、「知らなかった」が約3割を占めました。前問の結果とあわせてみると、認知症のことを理解し、予防法を説明できる人はまだ少ない現状のようです。医療機関を受診するときの悩みでは、「本人が受診に同意しなかった」(29.9%)、「本人に受診するよう言いだすことが難しかった」(26.1%)が上位にあがりました。認知症に対する理解不足が、医療機関への受診を踏みとどめる原因のひとつとなっているのかもしれません。
(2-1)認知症が予防できる病気であることの理解度
(2-2)医療機関を受診するときの悩み
認知症について知りたいことは、「認知症の予防方法」(58.6%)が最も多く、これに、「認知症になる原因や仕組み」(49.2%)、「認知症の人への接し方、介助方法」(46.6%)、「治療薬」(42.1%)、「認知症の症状」(40.0%)、「認知症の進行」(39.4%)が4割以上の水準で続いています。1番目の回答から大きな差がなく続いており、どの項目も知りたいようです。認知症全般の情報、基礎的な情報が不足しているのではないでしょうか。
認知症の予防に関して参加したい、取り組みたいことを聞いたところ、「パズル、ゲーム、麻雀などの脳トレーニング」(52.4%)、「食事や運動などの日常の指導」(51.4%)、「自宅でも簡単にできる予防活動指導」(47.6%)が約5割と多い回答でした。
認知症の人が住み慣れた地域で暮らしていくための地域住民の協力は何か、という問いでは、「定期的な声かけ」(62.2%)と「話し相手になる」(53.6%)が5割以上を占め、コンタクト、コミュニケーションをとることが必要であるという回答が多くあがりました。これらに、「病気などの緊急時に看病や、医者を呼ぶなどの手助け」(41.8%)、「認知症の人を地域住民全体で把握できる仕組み」(41.8%)、「地震などの災害時における支援方法の確立」(38.1%)、「買い物や近くまでの外出などの付添」(36.9%)といった地域の環境・システムづくりに関する回答があがりました。