デキル人へ一歩前進 お役立ちライブラリ

キレイのひみつ、元気の秘訣、おいしいごはん、リフレッシュ術など、皆さん
がちょっぴり気になるアレコレにお答えします!休憩時間や通勤などのスキマ時間にサクッと読めるお役立ちコラムです。

ココロとカラダの悩みを緩和・解消するツボ講座
~ツボ理解編~

立ち仕事に力仕事、さらには患者さんや同僚・先輩、ドクターといったほかの医療従事者との人間関係などなど……。看護、介護の現場で頑張る人ほど、肉体的にも、精神的にも疲れやストレスが「溜まって」いくもの。そこで緩和・解消に役立ててほしいのが“ツボ刺激”です。疲れやストレスを溜め込んでしまう前に、サッとひと押し、トトンッと叩いて、心身のチューニングをしてみましょう。今回は、ツボの専門家である鍼灸師の嵯峨野智夏先生にツボとは? そしてツボが効く仕組みについてお話しをうかがいました。

そもそも「ツボ」ってどういうもの?

ツボに関する記事は、ネットや雑誌、テレビほかさまざまなメディアで目にする機会も多く、その言葉自体はかなりの認知度といえるでしょう。とはいえ、まずはツボについて、基本的なことから、効果が出るメカニズムなど、簡単にご説明したいと思います。

ツボとは全身に分布する「気の出入り口」

ツボは正式な名称を「経穴(けいけつ)」といい、読んで字のごとく、体にある穴を意味します。この穴は人体に必要なエネルギーである「気」の出入り口で、骨や筋肉の微細な凹みにある場合もありますが、必ずしも目に見えるものではありません。
 
また、単に出入口であるというだけではなく、基本的には経絡(けいらく)の上に位置していて、体の内側ではそれぞれのツボが経絡でつながりあっています(経絡についてはのちほどご説明します)。
 
頭のてっぺんから足のつま先まで、ツボは全身に分布しています。その数、世界保健機構(WHO)で定められているだけでも361個。さらに、古くからの経験則で見つけられた、例外的な「経絡上にないツボ(奇穴(きけつ))」などを加えると、1,000以上ともいわれています。

ツボは不調が現れる場所であり不調を治す場所でもある

こうした数々のツボを刺激することでさまざまな心身の不調が改善される、そのワケとは? これは大きく分けて二通りの理由があります。
 
ひとつには、ツボ自体が治療のポイントとなっているためです。ツボには、その場所を刺激することで、たとえば、肩こり、腰痛などの局所的な不調を改善する働きがあります。関節の周辺など、体の構造の中でも負担のかかりやすい場所は、ツボがたくさん集まっている場所でもあります。こうしたポイントは、不調が現れる「反応点」であり、かつ、症状を直接改善する「治療点」となります。
 
もうひとつの理由は、ツボを刺激することで、「経絡」の流れがスムーズになるからです。「経絡」とは、私たちが生きていくうえで必要なエネルギー(気)や滋養分など(血【けつ】)の通り道です。血管や神経のように物質的なものではありませんが、ツボ刺激を行うことによる体調の変化や、科学的な実験でもその存在は認識されています。
 
心身に起こる病気や不調というのは、経絡を通る「気」「血」の流れが滞っている状態のことです。それをスムーズに流す働きを持つのが、経絡に沿って存在するツボへの刺激というわけなのです。

ツボの位置は人それぞれ違う!?

さて、看護師・介護士さんの中にはすでに、ツボ刺激をされたことがあるという方も少なくないでしょう。そんな方の中には、効果をあまり実感できていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
この原因のひとつに考えられるのが、「ツボの正確な位置にこだわりすぎている」ということ。ここで重要なのが、実はツボに正確な位置はない、ということです! 不思議に思われた方のために、経絡についてもう少し詳しくお話しましょう。

経絡とは川のようなもの淀まぬ流れが周囲を浄化する

滞りなく適切な水量で流れる河川は、その周囲、つまり上流から下流までの広い範囲で活動する動植物の成長・発達に多くの恩恵を授けてくれます。一方で、工場建設や都市開発などにより、従来の流れに変化(異常)が起きた川のまわりの地域では、自然環境が破壊されるケースも少なくありません。
 
こうした「川」の在り方や周囲への影響は、「経絡」と非常に似ています。生きるために必要なエネルギーの「気」、そして体を滋養する働きをもつ「血」。この両者が身体を巡るためのルートが「経絡」です。経絡のネットワークは全身を巡っています。経絡上にあるツボが全身に散らばっているのはこのためです。
 
経絡を通る気・血の流れが滞らなければ、全身すみずみまで気・血が行き渡ります。この状態が不調のない、いわゆる健康な状態です。

日々微細に変化する川のごとく経絡もツボも固定されません

川は大地の変動や天候などの自然の力が加わることにより、時々刻々と微妙に、その位置や川幅、深さを変えています。同じく経絡も、季節や天候、体調、メンタルの変化などで、始点と終点は変わりませんが、その途中では多少の動き(幅)が生じています。
 
つまり、経絡というのは、血管や神経のように固定したルートではないのです。つまり、経絡上に位置するツボも単なる固定点ではありません。
 
このように、経絡やツボの状態は人それぞれであり、個人でも日や時間によって微妙に違うため、万人に共通する正確なツボの位置などない、というわけです。

響きを感じながら自分だけのツボを探そう

ツボは、人それぞれ、あるいは個人でも時々刻々と微妙に位置が異なるのが当たり前。だとすれば、自分にとって効果を実感できる位置を探すことが正解なのです。

直観的にスグわかる!「響く」という感覚

簡単に言うと、刺激した際その周りにまでズ~ンと広がる「イタきもちいい感覚」。これが、鍼灸の世界特有の表現「響き」です。そして、この響くポイントこそがアナタのツボというわけです。
 
きちんとツボを刺激すると、圧迫しているあいだは痛い(痛気持ちいい)ですが、力を抜くと痛みが消えます。こうしたツボは圧痛点とも呼ばれ、この特徴もツボ探しに大いに役立ちます。
 
さらに、カラダは正直なもので、同じツボでもその日の体調やメンタルの状態によって、刺激への反応にも差が出ます。つまり、「イタ気持ちよさ」を感じる刺激の強さが異なる。というわけで、あくまでも「そのときどきに適した強さ」が大切です。
 
ツボにハマった際の響きを知れば、ツボ刺激は、より楽しく取り組めますし、効果もアップします。

後編では、実際にツボを刺激していきましょう!

はり・きゅう澄月堂
嵯峨野智夏(さがのともか)氏
 
鍼灸・マッサージ師。2006年 東洋鍼灸専門学校卒業。同年 はり・きゅう澄月堂を開業し現在に至る。その丁寧な施術に遠方より来訪する患者も多く、都内2カ所のサテライト治療室と出張施術でさまざまなニーズに対応している。臨床の傍ら、2006年より2013年まで母校で鍼灸実技の講義助手を務め、8年間で約1000人もの鍼灸師の養成にかかわる。

UP DATE 2018/10/04

お役立ちライブラリTOPへ

からだのメンテ の最新記事

注目の記事をPick UP!!!

ページの先頭へ戻る