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ツラいPMSの緩和・改善には漢方治療が有利!

毎月、月経が近づくたびに、頭痛や胸のはり、気持ちの上がり下がりといった体や心の不調に悩まされていませんか? その不調、もしかしたらPMS(月経前症候群)かもしれません。今回は、「PMSにこそ漢方治療を!」と語る研医会診療所 漢方科の岡田研吉先生を取材。「PMS×漢方治療」をテーマに、前編、中編、後編の3回に分けてたっぷりとお伝えします! 前編では、PMSに漢方が効果的な理由や、漢方ならではの治療方法についてお聞きしました。

要するに「PMS」ってなんですか?

症状はココロとカラダの多方面に現れる
「日本産婦人科学会によると、PMSとは『月経前3~10日のあいだ続く精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに、減退ないし消失するもの』と定義されています。女性の約半数から8割もの方がPMSに悩んでいるといわれていますが、その原因は未だ明らかになっていません。
 
PMSには、「症状が広範にわたっている」、「明確な原因がわかってない」、「メンタル系など不定愁訴(※1)が多い」という大きな特徴があります。こうした特徴をもつPMSに、ぴったりの治療手段の一つが“漢方治療”なのです」(岡田先生)
 
「不定愁訴(※1)」
はっきりした原因がわからず、明確に病気と診断できない心身の不調のこと。ストレスや更年期のホルモンバランスの乱れなどが原因で起きることが多い。
 
なぜ、PMSに漢方治療が有効なのでしょうか?

心と体に不調をきたすPMSには、漢方ならではの治療法がぴったり!


岡田先生によると、PMSの治療に漢方が適しているのは、漢方医学(=東洋医学)ならではの診療方法ゆえだと言います。現在の一般的な治療スタイルである「西洋医学」と、どのように異なるのでしょうか。
 
●体全体を診ることで根本からの治療が可能に
「西洋医学の特徴は、熱が出たら解熱薬、鼻水には鼻炎薬、胃がもたれたら胃薬など「病気という結果(部分)」を診る対症療法です。痛み止め(消炎鎮痛剤)などでは即効性、止痛効果ともに優れたものもありますが、あくまで現れている症状を抑えるのみで、その根本的な原因を解消するものではありません。
 
一方、漢方医学は、「病気ではなく人間丸ごと全部」を診ることで、心身に起きている不調の根本的な原因を探し、治療します。トータル的に診ることで得られる心身のさまざまな情報から、患者さんの「証(※2)」を見極め、偏った心身バランスを整えることで、個別の症状が同時に治ることが少なくありません。こうした「異なる症状に対して同じ治療が効果をもつケース」を「異病同治」と呼びます。症状(病気)単体を見ず、心と体全てを診断し、本質を診るからこそ可能な治療スタイルといえます」
 
このような漢方医学ならではのアプローチが、PMSのような「原因のよくわからない幅広い症状」の治療にぴったりなのです。さらに、漢方は「心の不調」にも効果を発揮します。
 
●心と体は密接につながっている
「PMSの症状でも起こりやすい精神系の「不定愁訴」は、西洋医学では、病気と診断されないことも多いのに対し、心と体の関連性を重視する漢方医学では立派な治療対象です。
 
心と体には切り離せない密接な関連があります。実際、日々の暮らしのなかで、皆さんも経験しているのではないでしょうか。
たとえば、「新しい上司と気が合わない、胃が痛い……」「喧嘩していた彼氏と仲直りして、風邪気味だけど、なんだか調子がいい♪」など。こうした、自身で体感できる事象以外にも、大学や研究機関での実験などから感情・情緒が体に影響を及ぼす現象は徐々に解明されつつあります」
 
このように、心と体全体から診断する漢方医学はPMSの治療にぴったりだと言えます。
 
「証(※2)」
証(しょう)とは、個人の体質、体格から性格や嗜好ほかさまざまな要素を考慮して決定される「心身バランスの乱れ方のタイプ」をいいます。ベストな状態というのは「心身に過不足なく必要なものが足りている状態(=中間証)」で、これがいわゆる「健康」です。たとえば、余分なものがある状態を「実証(じっしょう)」、逆に、足りないものがある状態を「虚証(きょしょう)」といいます(このほかにもいろいろな細かい分類があります)。

漢方の視点からみたPMS治療にピルが適切でない理由


岡田先生は、ピルを用いたPMS治療は理にかなったものではないという考えを示しています。
 
「PMSが起きている心身は、基本的に余分なものがある状態、つまり「実証」と考えられます。これはPMSの各種症状から見ても明らかです。月経が始まって体内の余分な血液や水分が排出されると症状がなくなるわけですから。
 
また、ここで重要なのが、普段の証が虚証の方でも、症状が出ている月経前の一時期は実証になっているということです。
 
 つまり、PMSとは、月経前に生じる「瘀血(おけつ)(※3)」や「痰湿(たんしつ)(※4)」といった『実証の心身状態が引き起こすさまざまな症状』を指します。ピルには、個人差はあるものの、余分な水分の滞留である「むくみ」などを引き起こしてしまう成分が含まれています。ただでさえも体に不要なものが滞っている状態で、むくみなど、体に不要なものの滞留を引き起こす可能性があるピルの服用は、PMSの治療に適さない面が大きいと私は考えます」
 
「瘀血(おけつ)(※3)」
体に不要な、余分な古い血液そのもの、もしくはそれにより血液の流れが滞っている状態を意味します。
 
「痰湿(たんしつ)(※4)」
体に不要な水分を意味します。
 
実際、他のクリニックでピルの副作用に悩んでいた患者さんが、岡田先生の漢方治療で軽快しているケースも見られます。
 
「一番大切なのは個々の患者さんの症状に合った治療法を選ぶことです。ピルについては、副作用の軽減を狙った低用量タイプの製品もありますが、タイプを問わずピルとしての作用があれば、基本的にむくみ、肥満などの副作用は程度の差はあるものの現れます。発がん性の恐れも否定できませんし、医師としての立場からも勧めたくないですね」
 
いかがでしたか? 現在PMSに悩んでいる方は、少し視点を変えて漢方治療にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
 
さて、PMSの症状は人それぞれ異なりますよね。岡田先生いわく、PMSは3つのタイプに分けることができるそう。中編では、3タイプそれぞれの特徴や治療方法、また、東洋医学的な視点から、改善のためのライフスタイルのワンポイントをご紹介します。


公益財団法人 研医会診療所 漢方科
医師 岡田研吉
 
1972年、東邦大学医学部卒業。ドイツ・リューベック医科大学留学中に
東洋医学を志す。帰国後、名古屋聖霊病院・藤枝市立病院に勤務する傍ら、国立東静病院で漢方療法を学ぶ。
1982年に北京中医学院(現・北京中医薬大学)に1年間留学。
東京・玉川学園で岡田医院を開業。著書に『素問次注集疏(上・下)』
『傷寒論考注(上・下)』『宋以前傷寒論考』他。

UP DATE 2019/07/11

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