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「その症状、本当にPMS?」 似て非なる病気にご用心!

月経前になると現れる、むくみや痛み、メンタル症状などはPMSが疑われるのはもちろんですが、それだけでなく、同じような症状を呈する「違う病気」である可能性も考えなくてはなりません。ここではPMSと間違えやすい疾患や、その見極め方について、研医会診療所 漢方科の岡田研吉先生にお話をうかがいました。

「PMSかな?」と思ったら、まずは検査をファーストチョイス!

まず始めに、PMSのおもな症状を再確認してみましょう。
 
肉体的な症状
乳房の痛みや張り、むくみ(顔や手足)、腹痛、腰痛、便秘、下痢、頭痛・頭重、吐き気、にきび、食欲増進、など
 
精神的な症状
抑うつ(気分の落ち込み)、怒りっぽくなる、イライラする、不安な気持ちになる、集中力の欠如、興奮、混乱(パニック)、無気力、引きこもりたくなる、など
 
「フィジカルからメンタルまで非常に幅広い症状だけに、PMSか、あるいは他の病気なのかという点は、一般の方ではほぼ判断できないのが当たり前といえるでしょう。
 
また、PMSであっても、「排卵前の一定期間のみ症状が出る」とか、「特定の期間だけ強くなる」といった明確でわかりやすいケースが多いわけでもありません。そこでPMSの治療においては、まず他の病気との判別が最優先事項ともいえます。
 
そこで重要なのが検査です。各種検査によってPMSか、あるいは似た症状の異なる病気かどうかの鑑別はほぼ行えます。つまり、PMSの症状でお悩みの方については、ベストな治療のファーストステップは検査からということになります」(岡田先生)

こんな病気がPMSと間違いやすい!

続いてはPMSと混同しやすい疾患にについて、岡田先生にご紹介していただきます。
 
「ここで紹介している病気は基本的にすべて検査などで鑑別診断が可能なものとなります。また、言うまでもないことかもしれませんが、検査等で病気が見つかった場合は、まずその治療を優先的に行うことになります。
 
1)病変が物理的に生じる病気
「これは、卵巣腫瘍とか子宮筋腫、子宮内膜症など、いわゆる女性に特有の器質的な疾患になります。下腹部痛や腰痛、頭痛、肩こり、便秘ほか、ともなう症状の多くにPMSと同じものが見られ、混同しやすい病気です。
 
ちなみに子宮筋腫という言葉を聞いて、「がんの一種?」「手術が必要?」といった誤解をもたれている方もまだまだ少なくないようですが、子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍で、悪性疾患のがんとはまったくの無関係です。
 
子宮筋腫は婦人科が扱う病気のなかでもっともポピュラーなものの一つであって、30歳を越えた女性であれば、5人に一人にはあるといわれるほど、『どの女性にも起こりうる疾患』だといえます」
 
2)甲状腺機能の病気
「甲状腺ホルモンは新陳代謝や体温の上昇など、全身を活発にする働きをもちますが、これが過剰になる、あるいは不足することで起こる病気が「甲状腺機能亢進症」、「甲状腺機能低下症」です。
 
いすれも特に女性に多い疾患であり、また、現れる症状がPMSと類似していることから、経験上、特に混同されるケースが多い疾患といえます」
 
3)更年期障害
「患者さんの年齢が40代半ば以降である場合には、急激な女性ホルモンの減少によって引き起こされると考えられている更年期障害が原因となっているケースも考慮するべきでしょう」
 
4)メンタル系の病気
「PMS様の症状が現れている場合、うつ病や神経症といった精神疾患を発症している可能性も考える必要があります。特におもな症状がメンタル系の場合などは注意が必要といえます。
 
さて、1)~3)の疾患については検査を受けることでかなり明確に、デジタルに結果が目に見えるのですが、4)のメンタル系、いわゆる精神疾患については、基本、検査で決定するものではありません。精神科、心療内科などで診察、診断を受けることになります」
 
「PMSかな?」と思ったら、自分で解決しようとせず、まずは検査を受けるのがベストな選択。そのうえで、原因や症状の程度に応じて治療を進めていくのが好ましいでしょう。

PMSで医療機関を受診するボーダーラインとは?

PMS治療について、先に「まずは検査を」とお伝えしましたが、病院やクリニックに通うべきかどうかの判断について、岡田先生は次のように指摘します。
 
「医師の診察を受けるかどうかの判断基準ですが、一番大事なのは『日常生活に支障が出るかどうか?』という点でしょう。
 
心身に起こるさまざま症状、たとえば、
 
・仕事がまったく手につかないほどに集中力がなくなってしまう
・異常な眠気で動くこともできず、ひたすら寝込んでしまう
・子どもや家族にきつくあたる、攻撃的な感情が抑えきれなくなる
 
といった、明らかに自分一人でコントロールすることができない状況なのであれば、これは即、受診を考えるべきでしょう。
 
さらにいえば、「そこまでひどくはない」という方でも、『決して無理に我慢しない』という点は常に必ず意識していただきたいと思います。症状に関して、肉体的な痛み・だるさ、精神的なつらさ、苦しさを問わず、耐えられないレベルであれば無理をせず、速やかに信頼できる先生を受診されるのがいいと思います。
 
特に、向精神薬はドラッグストアなど市販薬がないことなどから、メインがメンタル系の症状で、しかも強く現れているケースなどは早期の受診が推奨されます」
 
さらに続けて、メンタルの安定については、「普段からの気の持ちようが非常に大切」という点を強調する岡田先生。
 
「一番大事なのは、とにかく自分に自信をもつこと! なのですが、『そう言われても……』という方も少なくないですよね。
 
そこで、確実にいえるのは、『時間、契約、人間関係に縛られた現代社会というのは、決して生きやすくない、つらく厳しい環境である』ということです。そんななかを日々生きていて、『社会のルールに合わない自分は……ダメな人間』なんて自己否定するのはおかしいことなんです。
 
だから私は患者さんにハッキリ言ってますよ、『合わないのは当たり前です、だって社会のほうが歪んでいるですから』と。迷ったら、いつでもこの考えに立ち戻っていただきたいですね」

いかがでしたか。PMSは肉体的にも精神的にもつらい症状です。決して我慢しないで、まずは医療機関で検査をしてみることがおすすめ。毎月やってくる月経と、上手な付き合い方を見つけて、日々の生活をより豊かなものにしていきましょう!

公益財団法人 研医会診療所 漢方科
医師 岡田研吉
 
1972年、東邦大学医学部卒業。ドイツ・リューベック医科大学留学中に東洋医学を志す。帰国後、名古屋聖霊病院・藤枝市立病院に勤務する傍ら、国立東静病院で漢方療法を学ぶ。
1982年に北京中医学院(現・北京中医薬大学)に1年間留学。東京・玉川学園で岡田医院を開業。著書に『素問次注集疏(上・下)』『傷寒論考注(上・下)』『宋以前傷寒論考』他。

UP DATE 2019/07/30

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