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たったこれだけで変わる!?
コミュニケーションスキルを磨く実践ポイント

コミュニケーションスキルを向上させるために、いろいろな本やサイトを見てみても、イマイチ改善策が見つからないなんてことはありませんか? 特に看護師さんは、病気やケガで落ち込んだり、イライラしている患者さんに対する適切なコミュニケーションが求められます。今回は保健師であり、「動機づけ面接」のトレーナーでもある三瓶舞紀子さんを取材。誰でも簡単に実践できる、具体的なポイントについてお話いただきました。

スムーズなコミュニケーションのために
いつでもどこでも意識できる4つのキーワード


円滑なコミュニケーションを実現するためのカギになるのが「表情」「傾聴(共感)」「言葉遣い」「説明」という4つのキーワード。表情や言葉遣いは意識している人も多いかもしれませんが、傾聴や説明というキーワードはピンとこない方も多いかもしれません。三瓶さんいわく、この4つのキーワードを普段から意識することでコミュニケーションが今までよりもうまくいくようになるといいます。
 
表情
「真顔で話をしたり、口角がさがったままだと自分の気持ちも沈み、周りからの印象もよくありません。とはいえ、満面の笑顔は自分の気持ちをたかぶらせしまったり、周囲の状況とそぐわない時があったり、必ずしもよいとは限りません。ほどよい表情とは、自分の落ち着きをキープするためにも、微笑む程度がおすすめです。ひらがなの「い」の形をつくるような表情です。
 
赤ちゃんを慈しむような、自然と出る表情を心がけてください。そうすることで話すスピードもゆっくりになりやすく、落ち着いて話すことができます。表情をつくることが難しいと感じた場合は、家を出る前や、休憩中にあなたがほっと癒されるような動物の動画や景色の写真などを見ると、気分や表情を変えやすく、おすすめです。ほっこりと心が癒されてから、その温かい眼差しのまま人と接することで、お互いに気持ちのよいコミュニケーションがとれます」
 
傾聴(共感)
「傾聴は、ただ聴いていればよいというわけではありません。また、情報を聞き出せばよいということでもありません。相手を理解する、ということが大切です。プロとしてのポイントは『何を目的に話そうとしているのか』を、あらかじめ自分の中で明確化しておくこと。気持ちや考えを共有するところまでが目的なのか、それらを共有した上で情報提供(例;検査の説明)を行うところまでが目的なのか、等です。目的に応じて話を伺うのにふさわしい場所もあらかじめこちらが設定します。個人的な話題になりそう、または会話の途中でも個人的な話題になった場合には、プライバシーが守られる個室等で話ができるように移動します。個人情報を守れるよう場を設定するのは医療者側の責任です。
相手の表情、特に視線や身体の動きを観察して相手がどういう反応をしているか、不安そうだと感じたならば、まず不安なのかを聞き返して確かめた上で、不安を具体化するようにしてください。例えば、「なにか不安な感じ」に合意を得られたら「もし検査結果で悪性だと言われたらとか考えてしまう」「入院で休んでいる間に仕事がまわらなくなっしまうのではとか」等です。その人の個別の状況に応じて生じるであろう考えや感情を想像し、想像した内容を具体化した言葉で聞き返して、その理解で合っているか確認します。
 
圧迫感を与える可能性があるので、質問で返さないように気を付けましょう。不安そうな患者さんに対し、『なにが不安なんですか? 』と聞くと“不安なことを責められている”と相手に受け取られる場合があります。こちらの想像したことが合っておりますでしょうか、という謙虚な態度で、『これからの予定がわからず、生活がイメージできなくて、心配なさってる』と、言葉尻りを下げて具体化して返します。相手の気持ちを想像し、それが合っているか相手の言動を観察して答え合わせをすることで、会話の目的に近づいていくことが傾聴(共感)のポイントです」
 
言葉遣い
「言葉遣いは気を付けている人も多いと思いますが、忘れてはいけない大切な要素のひとつです。不慣れな方は、定型文を暗記してしまうのもおすすめです。挨拶や、声のかけ方、正しい敬語は、練習すれば誰でもできるようになります。うまく話せないからといって諦めず、何度でも挑戦してみましょう。また、言葉遣いと一概に言っても、職場や病棟にいらっしゃる患者さんによって雰囲気が違う場合があります。ですので、一番よい方法は、その場にいる一番上手な人の「真似」をすることです。電話対応や対人対応において、よいと思った点をメモし、そして実際に自分で使ってみることをおすすめします」
 
説明
「何度説明しても理解してもらえないと悩んでおられる看護師さんもいるかもしれません。 そんなときは『全体の流れを説明した後に、行動の直前に再度、一個一個説明する』ことを試してみてください。全体を説明する時に、『細かく覚えなくて結構ですので、まずは流れを掴んでください』と前置くといいでしょう。全て説明が終わって、いざ行動に移る時に、『まず左手を柵の上に置きます』と言って置いてもらい、『おしりをひきます』と言ってひいてもらい、と、ひとつずつ具体的に説明していきます。動作の難しいところや、動いている最中に『これでいいの?』という顔をされる瞬間があれば、『いいですね。上手にできていらっしゃいますよ』と声をかけます。そうすることで、患者さんが自信をもって正しい動作を行えるだけでなく、特に褒められた動作については、次にその同じ動作が必要な際に同じ動きをしやすくなります。」
 
この4つのキーワードを意識することで、相手も自分もフラストレーションがたまらず、気持ちのよいコミュニケーションをとれる可能性を高めます。まずはひとつだけでも心がけてみることからはじめ、コミュニケーションに対する悩みを少しずつ軽くしていきましょう。

Point
「NO」と相手に言いたいときは
アサーションで自分の感情を伝える

医療現場では、基本的に相手の気持ちや考えを重視したコミュニケーションが重要ですが、人間関係のトラブルや、人格を否定されるようなトラブルが起きたときは、自分の人としての尊厳を守るために、また、相手が同じ行動をとらない確率を上げるために、あなたの感情をしっかりと伝えることも大事です。このときに区別していただきたいのは、感情を相手に“ぶつける”のではなく、相手に感情を“伝える”こと、と三瓶さんはいいます。
 
「感情をただぶつけるのではなく、自分の感情(気持ち)を伝える方法として、アサーションをご紹介します。アサーションは自己主張の方法です。ここまでは『あなたを理解する』という視点でお話しをしてきましたが、アサーションは『私はこう思っています』というメッセージを伝えるものです。そこで重要になるのは『感情』。相手の尊厳も守り、自分の尊厳も守る主張なので、気持ちをうまく表現することがカギとなります」
 
アサーションのポイントは相手をやりこめたり、攻撃する目的で感情をぶつけるのではない、ということ。では、感情をうまく伝えるには、具体的にどうすればいいのでしょうか? 例を用いてご紹介します。
 
例:自分が対処したことを、先輩が自分のやったこととして周りに話している
  NG「私の成功を自分の手柄みたいに言うなんて、どういうつもりですか?」
  OK「私がしたことを先輩がしたことのようにお話しされていて、悲しいし、悔しい気持ちになりました」
 
例:患者さんにセクハラを受けた
  NG「相手をにらみつけるが何も言えない/(ぐっと我慢する)」
  OK「触るのをやめてください」まず、明確に即座にNOの意思を伝えます。また「セクシャルな対象として見られているんだ、
      プロとして見られていないと、とてもみじめな気持ちになります」等、本来の関係性とあなたの気持ちを相手に伝えます。

 
その上で、本来のその方であればセクハラはしなかった、病状や病状からの不健康な心的
状態がある、そのためにご自身の尊厳を保てなくなっている可能性を考えます。担当医と
連携しながら、あなたに知識やスキルがあればご自身で、なければ心理職につないで、心
理的査定及び介入を検討します。
 
いずれにせよ、このような行為を受けたことはスタッフ全員で共有します。個人的な問題として放置するのは行為がエスカレートする危険や患者さんの心理的問題の悪化の可能性があります。患者さんの尊厳を守るためにも他職種も含めて病棟全体で取り上げて、検討しましょう。
 
このように自分の感情を相手に伝えることは、相手を責めることなく、同時に「次に同じことをしにくい」プレッシャーを与えることができます。相手を攻撃しようという姿勢で感情をぶつけてしまうと、言い合いになったり、問題の解決へ向かいにくくなったりしがちです。
 
自分の気持ちを伝えるためには、それを言葉にすることが必要になります。感情を言葉にすることに不慣れな方は、普段から何か気持ちが湧き上がってきた時には、“嬉しい”“気恥ずかしい”または“悔しい”“悲しい”“怒り”等、自分の感情を具体的な言葉で表現できるよう練習をすると、いざという時にアサーティブなコミュニュケーションをとりやすいかもしれません。

いかがでしたか? 普段から意識できる4つのキーワードは、友人や家族、恋人との会話の中で日頃から練習しておくことで、仕事でもコミュニケーションがスムーズにとれるかもしれません。是非、チャレンジしてみてください!

おすすめ書籍

『看護の現場ですぐに役立つ 患者接遇のキホン』
著者:三瓶舞紀子
出版:株式会社 秀和システム

医療現場の、接遇やマナーの悩みを解決してくれる
情報が盛りだくさん。患者さんとのコミュニケーシ
ョンに悩んでいる看護師さんにぴったりの一冊です。

   国立研究所研究員
   三瓶舞紀子
   2000年から7年間精神病院に勤務後、2007~2009年に
   聖路加看護大学大学院看護学博士前期過程修了。
   その後2009~2012年に順天堂大学医療看護学部精神看護教員として勤務し、
   2012~2014年に東京大学医学系研究科公共健康医学専攻を修了。
   現在は国立研究所研究員、および小児科医院にてカウンセラーとして勤務。
   また、動機づけ面接トレーナーとして面接法の研修や講演を行っている。

UP DATE 2019/10/28

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