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~古武術介護の発想に学ぶ~「腰痛のない介助技術」
第2回 技術を楽に行う3つの原理

第1回では、介助の前にまず自分の身体をチェックし、全身の連動性を高める取り組みを行いました。今回は、そのベースに基づいて、介助技術がぐ~っと楽になる3つの原理を紹介します。通常「体位の交換」「起こす」「立たせる」「座らせる」といった、個別の技術を手順通りに進めていくのが学び方の定番です。しかし、今回はまず、どの技術にも共通する基本の3つの原理を理解することから始めましょう。3つの原理を実践することができれば、技術の質は高まり、介助する側、受ける側、双方に楽で心地よい技術を提供できるようになるでしょう。

原理1 背中と腕とを連動させる「手の平返し」

腕の筋力だけで患者さんを抱えて移乗させようとすると、手首や肘、肩などに負担が集中してしまい、体を痛めやすくなってしまいます(第1回「上半身の動き」を参照)。そこで、人体でもっとも力が引き出せる背中と連動させて抱えてみましょう。
ポイントは「肩甲骨の活用」。肩甲骨を左右に広げることで、背中と腕とが連動し、負担なく大きな力が引き出せるため、介助も楽に行えるようになります。

■「手の平返し」を実践

①手の甲を自分の方に向けて腕を回す

②肩甲骨が左右に広がる(①を背後から見た状態)

③背中の適度な張りを保ちながら手首から先を返し、被介助者を手の平から抱える

実際に介助を行う際は、まず腕を手の甲から相手の身体に差し入れます背中に適度な張りが出たところで手首から先を返して、手の平で支えます。背中の張りとは、綱引きの綱がピンと張った状態と同じで、背中の力が腕まで伝わりやすくなったことを意味しています。これにより、背中と腕とが連動し、大きな力が出せるのです。それだけではなく、相手をソフトに包み込むような抱え方も可能になります。

原理2 骨盤のポジションのコントロール

介助では相手の動きを引き出すということが基本中の基本と言われています。しかし、本来ならば動けるはずの相手の動きを介助者が気づかないうちに止めてしまっているケースが少なくありません。
 
例えば、相手を立ち上がらせる場合。介助者よりも被介助者の骨盤が高いと前傾できず、立ち上がることができません。しかし、介助者の骨盤の位置が下がれば、被介助者の前傾を誘導でき、スムーズに立ち上がることができます。この骨盤の位置関係は、立ち上がりだけでなく、介助技術全般の動作に共通します。
 
■骨盤の位置が相手よりも高い

介助者の身体がじゃまになり、前傾して腰を上げることができなくなる。したがって、腰が残った状態で無理に引き上げる介助をしてしまうことに

■骨盤の位置が相手よりも低い

①相手よりも骨盤を低くすると、相手の前傾が自然と引き出される

②そのため腰が上がり、無理なく立ちあがることができる

原理3 相手と一体化する

骨盤の位置を相手よりも下げたとしても、介助度が高い方になると、動きが引き出せなくなるケースが現場ではよくあります。
解決のポイントは単純明快です。相手にしっかり近づいて、一体化するということです。
 
ある程度動きが出やすい方の場合、介助者の体が離れていることは、相手が動くスペースとなります。しかし、動きがでにくい、または全介助状態の方になると、スペースが空いてしまっていては、お互いの動きが伝わりにくくなり、技術が成立しなくなります。
そこで、隙間なくしっかりと一体化することで、介助者の動きが相手にスムーズに伝わりやすくするようにします。すると、今まで難しいと思っていた技術が思いの外、楽に出来るようになっていきます。

一見、近づいて見えるが、胸から腹が相手とかなり離れているため、動きが伝わりにくい。 このまま行うと、腰に負担がかかりやすい

■一体化の良い例

①胸から腹をしっかりつけることで、隙間なく相手と一体化

②拘縮や切断などで、足が接地できず、やむなく抱え上げる場合でも、少ない負担で抱え上げが可能になる


いかがでしたか? これら3つの原理はさまざまな介助技術の基礎となります。次回第3回では、この3原理を実際の介護の場面に落とし込んでみましょう。
 
連載 ~古武術介護の発想に学ぶ~「腰痛のない介助技術」
第1回 技術をレベルアップさせる合理的な動き方
第2回 技術を楽に行う3つの原理
第3回 床に転倒した人の立ち上がらせ方
第4回 ベッドと車いす間の移乗編

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理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員

身体障害者、高齢者施設に勤務し、独自の身体介助法を模索する中、武術研究家の甲野善紀氏と出会い、古武術の身体運用を参考にした『古武術介護』を提案したところ大きな反響を呼んだ。近年は介護、医療、リハビリ、育児支援、 教育など、幅広い分野で身体を通した発想と実践を展開させ、講演、執筆、企業アドバイザーなど多岐にわたる活動を行う。

著書『古武術介護入門』『古武術介護実践編』『腰痛のない身体介助術』(医学書院)、『家族のための介護入』(PHP研究所)、『介護福祉士実技試験合格ガイド』(晶文社)など多数。 ユーキャン通信講座「古武術介護講座」、NHK学園通信講座「古武術式カラダ使いこなし入門」の監修、株式会社JTBベネフィットのアドバイザーを務める。

UP DATE 2015/01/15

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