【レポート】多様な資格を知り、海外医療を知り、看護の本質を知る! 「ナースフェス2026 Day2」
2026/7/10
みんなの広場
2026/10

2026年10月7日(水)・8日(木)・9日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて、福祉用具や介護テクノロジーの最新動向を探る「H.C.R.2026 第53回国際福祉機器展&フォーラム」が開催されました。会場には、暮らしや介護を支える多彩な製品・サービスが集結したほか、福祉・介護の現場が抱える課題や今後の展望を考えるセミナーも実施。本記事では、展示会に出展したケアコムのブースの様子と併せて、「リスクマネジメント」をテーマにした2つのセミナーをレポートします。
INDEX

展示会では、最新の福祉機器や製品を見るだけでなく、実際に体験することができます。ケアコムブースでは「トイレ離座検知システム」や「インカム連動」、「見守りカメラ」を展示。来場者は、ケアコム社員からの使い方のレクチャーを受け、センサー感知時のモニター画面などを実際に触れて確認しながら、製品への理解を深めていきました。
▲見守りカメラの映り方や動作の検知を、ベッドに横になって確認することができます
ケアコム社員に今回の展示のポイントやみどころを聞いてみました。
結城
今回のブースでは、福祉の現場において各機器がどのような働きをするのか、そしてその機器を使う自分がどのような動きをするのか、来場者の皆さまにイメージしていただけるように意識しました。また、認知症高齢者研究所と協力して開発した、バイタルデータからBPSD(認知症の行動・心理症状)を計測するリストバンド型AIデバイスも出展しています。BPSDやAIというキーワードに関して質問をいただくことも多く、ニーズの高さを感じていますね。
(商品企画グループ 結城(展示会担当))
坂本
今回の展示は、利用者からのコールではなく、カメラやセンサーを活用したコールの予測がテーマになっています。実際に製品を紹介する中で感じたのは、看護職向けのイベント出展時と比べて、AIを始めとしたテクノロジーの導入に対する心理的なハードルが低いということです。人手不足の課題感と、省力化への姿勢という面で、業界ごとの差を実感しましたね。
(価値共創グループ 兼 SMILEユニット 坂本)
柴田
視覚的にご利用者の状態を確認したいというニーズは高く、特に「見守りカメラ」のモニター画面を確認されるご来場者さまが多くいらっしゃいます。また、ご利用者のプライバシーを守りながら、トイレでの危険を把握できる「トイレ離座検知システム」にも関心が寄せられています。トイレは立ち座りなどの動作が多く、転倒リスクの高い場所。複数のセンサーとナースコールを連動させることで、離座を検知して職員に知らせ、事故の未然防止につなげられる点に注目が集まっています。
(価値共創グループ 基礎展開チーム 柴田)
▲来場者の施設の様子や課題を丁寧にヒアリングしながらコミュニケーションをとるケアコム社員
働いている施設でケアコムさんの機器を利用しており、見守りカメラを導入したいと考えて見に来ました。実際の表示画面だけでなく、他システムとの連携なども細かく教えていただきました。自分の施設に導入した際のイメージをもつことができたのでよかったです。
(介護老人保健施設 男性)
勤務している特養が大規模な改修をすることになり、それを機に30年ほど使っているケアコムさんのシステムも最新版にアップグレードしたいと考えています。展示機器を見てみて、当たり前ではありますが、30年前に比べて大きく進化していることを実感しました。改修後のさらに利便性の増した環境が楽しみになりましたね。
(特別養護老人ホーム 男性)
▲「リスクマネジメント講座」のセミナーは、数少ない有料セミナーの一つ。明確な目的をもった参加者たちの静かな熱気を感じました
転倒などのリスクについて多角的に学ぶ「リスクマネジメント講座」。最初のセミナー「判例から学ぶ介護事故対応」では、福祉・介護のトラブル解決に特化した「法律事務所おかげさま」の代表弁護士、外岡潤さんが登壇しました。介護施設で入所者が死亡し、裁判に発展した事例をもとに、現場の注意点や対処法を解説しました。
外岡さんは、過去の判例から「いつも大丈夫だから、今日も大丈夫」と慢心せず、常に最悪の事態を想像して行動することが、トラブル予防の大前提だと強調しました。また、事故をゼロにするのは難しいからこそ、発生後の対応も重要だと指摘。遺族が施設を訴える理由の多くは、迅速な説明や謝罪がなかったことだとし、「結局のところ誠意が大切」と訴えました。
▲セミナー後の質問コーナーでは、参加者の勤める施設のルールに対し、弁護士としてのアドバイスを送りました
外岡さんが裁判における不動の真実として強調したのは「証拠」でした。例えば、ナースコールにすぐ対応できなかった理由が、より優先度の高い入所者のケアにあたっていたためだと記録されていれば、予見できても事故の回避は不可能だったことを示す証拠になるそうです。そして、こうした記録を残す有効な手段が、テクノロジーに頼ることだと言います。ケアコムにもナースコール履歴を残せるサービスがあり、事故発生時の「証拠」としても活用できるのではと感じました。テクノロジーの力で、介護従事者の心理的安全性が守られる環境が整ってほしいですね。
▲参加者への問いかけや挙手を交えながらセミナーが進行しました
「リスクマネジメント講座」続いてのセミナーは、「実践編①『転倒・転落』」。群馬医療福祉大学リハビリテーション学部教授で、日本転倒予防学会理事を務める村山明彦さんが、転倒・転落の原因や予防法を解説しました。
村山さんは、転倒・転落をゼロにすることは不可能だとしたうえで、怪我を最小限に抑える安全管理の重要性を強調。そのためには、科学的なデータだけでなく、入所者一人ひとりの認知・身体機能や価値観に合わせた対応が必要だと語りました。
▲データの蓄積だけでなく、対話によって培った経験や勘などの実践知をいかに共有し、安全管理に反映できるかが重要だと語ります
セミナー後半では、認知・身体機能を見極めるアセスメント方法を紹介。足首の動きで利き足を判断する方法や、両手を時計の針に見立てて指定時刻を再現するレクリエーションを通じ、参加者も実践的に学びました。
▲自身を時計に見立てたパントマイム。ポイントは、向かい合う相手にとっての3時や9時を表現することです
村山さんがパントマイムなどのアセスメントを行う際に心がけているのが、だんだんと難易度を上げていき、最終的に誰もできなくなるくらい難しくするということでした。そうすると、できなかった負い目や羞恥を感じさせず、全員が楽しめると言います。思い返せば、実際に会場でもその手法を用いており、どの体験も最後は笑顔で終わっていたことが印象的でした。
| イベント名 | H.C.R.2026 第53回国際福祉機器展&フォーラム |
|---|---|
| イベント概要 | 最新の福祉機器や介護ロボット、支援技術など、福祉の現場を支えるさまざまな製品やサービスが一堂に集まり、新しい福祉の可能性に出会える展示会&フォーラム。 |
| 展示会テーマ | クリエイティブな未来を拓く |
| 開催日 | 2026年10月7日(水)・8日(木)・9日(金) |
| 場所 | 東京ビッグサイト 東展示ホール |
| 公式HP | https://hcr.or.jp/ |
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