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2026/7

【レポート】多様な資格を知り、海外医療を知り、看護の本質を知る! 「ナースフェス2026 Day2」

【レポート】多様な資格を知り、海外医療を知り、看護の本質を知る! 「ナースフェス2026 Day2」

看護師ならではの役割は、真に“寄り添う”こと

続いて紹介するセミナーは、「看護とは、何をすることなのか ―忙しい日々の中で見失いそうになる“寄り添うケア”の意味―」です。登壇した大阪歯科大学大学院看護学研究科開設準備室室長/特任教授の田村恵子先生は、がん看護専門看護師として、がん看護・緩和ケア領域で臨床・教育・研究に長年従事。現場での経験談をもとに、看護の原点を見つめ直しました。

ナースフェス2026 Day2大阪歯科大学大学院で、看護学研究科開設準備室室長/特任教授を務める田村恵子先生。冒頭で投げかけた「寄り添う看護は難しいと思います」という言葉には、多くの参加者が頷いていました

セミナーの核は、看護師の“寄り添い”について。田村先生が過去に現場で体験した忘れられないエピソードを振り返りながら、“寄り添い”の本質に迫りました。
過去に田村先生が看護師として担当したがん患者Aさん。田村先生は丁寧なケアや声かけを続け、「寄り添えている」と感じていました。しかし、一度だけAさんに強い言葉をかけられ、本当に寄り添えてはいなかったんだと気づきます。相手をすべて理解することは不可能。田村先生は「“寄り添う”とは、理解できないことを抱えながら、それでも関わり続けること。“わかる”より“離れない”こと」とし、そばにいるだけで看護師には意味があることを強調しました。
一方で、どんな時でも100%寄り添いきれる看護師はいません。「たとえ失敗しても自分を責めすぎず、正解を探しすぎず、成長につながる一歩だと前向きな気持ちをもってほしい」と会場の看護師たちを激励し、セミナーは終了しました。

“寄り添い”の本質について、看護領域以外にも通ずる、人間のコミュニケーションのお話だったと感じました。特に「沈黙を大切にする」という考え方。沈黙の時間とは即ち、目の前の相手について考える時間なので、“寄り添い”につながると言います。「何をするか(Doing)だけではなく、どう存在するか(Being)が、看護師にしかできない関わり方だ」という言葉には、強く共感できました。
セミナー後の質疑応答タイムで感想を述べてくれた看護学生に、田村先生は温かなアドバイスとエールを送りました。そういったコミュニケーションからも、相手を理解するために問い続けることをやめない“寄り添い”の本質が垣間見えたような気がします。

看護観を大きく変える! 海外・離島・へき地経験

「海外・離島経験はどう日本の医療に活きるのか ―看護師2名の実践から考えるキャリアー」では、カンボジア及び離島・へき地医療を経験した看護師によるトークセッションを実施。NPO法人ジャパンハートの国際看護師研修(現・メディカルチーム)に参加した松見瑛莉子さんと、田中佐季さんが登壇しました。

ナースフェス2026 Day2 松見さん(登壇者席・左)は都内の大学病院ERで3年間勤務後、長崎県対馬病院とカンボジアにて臨床医療に従事。帰国後は奄美大島で離島医療に携わり、再びカンボジアへ。田中さん(登壇者席・右)は都内の総合病院で4年間勤務後、長崎県対馬病院、山梨私立牧丘病院、カンボジアにて臨床医療に従事

二人ともジャパンハートの研修に参加したのは看護師になってから3~4年目のこと。研修前はそれぞれ都内の病院に勤務しており、海外研修にあたっては言語の不安もあったと言います。しかし、もともと海外医療に興味があったため、まずは国内の離島やへき地の病院で地域医療のベースをつかみ、海外にチャレンジ。そして、実際に海外での看護を経験して学んだことを、エピソードを交えて紹介してくれました。
中でもお話が活発になったのは、海外経験を経てどう変化したかという話題。登壇者のお二人は、「小さなことで動揺しなくなった」と口をそろえました。カンボジアやへき地の病院では、診療科の枠を超えてあらゆる症状の患者を対応するそう。また、気候や文化の違いもあり、さまざまなことが想定通りにいかないと振り返りました。最初こそ慌てる場面もありましたが、帰国する頃には別人のような落ち着きを身につけられたと言います。
また、「海外医療や地域医療では患者との距離が近く、看護師と患者という立場を超えて、一人の人間として向き合うようになった」と、自身の看護観の変化にも言及しました。
最後に、海外やへき地での貴重な経験が今のキャリアにつながっているとし、参加者にも「迷っている時間がもったいないので、行きたいと思った時に行った方が良いです」とアドバイスを送りました。

驚いたのは、お二人とも言語の不安を抱えながら海外研修に参加していたことです。医療現場において言語でコミュニケーションが取れない問題は、大きな障壁になるのではと想像していましたが、言語以外にもジェスチャーなどさまざまな方法を使って、何とかコミュニケーションを取っていたと言います。言語の通じない地に飛び込む行動力は、「迷っている時間がもったいない」という言葉に表れていると感じましたね。

ナースフェス2026 Day2恒例の「ナースのご褒美ダーツ!! 」では、会場内のブースでスタンプを集め、景品が当たるダーツにチャレンジ! 参加者は入場の際にもらえるトートバッグや風船など、多くのお土産をゲットしていました

昨年を大きく上回った来場者数に、看護特化イベントの注目度を実感

2日間の来場者数は、昨年の約6000人を大幅に上回る9000人以上を記録したとのこと。数字が示す通り、とにかく“活気”を感じた1日でした! ステージエリアの「ナースのあるあるないない どっち? 」や、最も採血しやすい腕を投票する「腕-1グランプリ」などの参加型企画は、看護特化イベントであるナースフェスならではで大好評。
セミナーエリアも、有識者の話を間近で聞こうと、ほぼ満席状態でした。3つのセミナーに参加し、6名の看護師のお話を聞いて感じたことは、みなさん確固たる看護観を持っていることです。「看護とは、何をすることなのか ―忙しい日々の中で見失いそうになる“寄り添うケア”の意味―」に登壇した田村先生からは、自身の経験を通して学んだ看護観を伝えることで、未来の看護師を育てたいという思いが強く伝わってきました。それに応えるように、熱心にメモを取る若手看護士や看護学生の姿も多く見受けられ、看護業界の未来の明るさを肌で感じられるイベントでした。

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イベント名「ナースフェス2026」
開催日2026年6月13日(土)・14日(日)
場所新宿住友ビル 三角広場
公式HPhttps://nurse-senka.jp/nurse-fes/2026#hero

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