私たちの働き方改革

2025/5

外来看護師をポリバレントナースへ 「お互い様」の気持ちで他科とのつながりも強固に

外来看護師をポリバレントナースへ 「お互い様」の気持ちで他科とのつながりも強固に

    「お互い様」の気持ちで各診療科がつながり
    有休も取得しやすい組織に

    吉田

    ポリバレントナースの育成に取り組んでよかったと感じるのは「お互い様」の気持ちが外来看護師の中で芽生えたことです。希薄化していた他科同士の横のつながりも、また強くなったと思います。他科での業務を経験し、その科の忙しさに気づくことができたというスタッフもいました。

    山口

    忙しくて人手がほしい時、休みを取りたい時など、外来全体が「お互い様」の気持ちでサポートしあう雰囲気が醸成されてきたと思います。育児をしているスタッフからは、「平日に学校行事がある時など、以前は休みを取るのが心苦しかったが、今は取りやすくうれしい」という声も上がっています。

    吉田

    看護師自身のやりがいにも影響があったと思います。最初は他科で働くことに対して「行きたくない」「不安です」といったマイナスな意見が多かったのですが、いざ行ってみて業務ができるようになると達成感にもつながっているようでした。他科のスタッフと仲良くなった看護師もいて、科を超えた関係づくりにもつながったと思います。

    山口

    2024年に、外来看護師を対象にポリバレントナースに関するアンケートを行ったところ、「やってよかった」という意見がたくさん集まりました。取り組みを始める前の看護師の暗い表情を覚えているので、アンケート結果にとても驚きましたし、うれしかったですね。

    副看護師長の吉田さん外来で看護副師長を務める吉田さん

    師長・副師長からコミュニケーションをとり
    看護師に寄り添った育成環境を

    山口

    ポリバレントナースの育成中は、何よりもコミュニケーションを大切にしていました。手が空いた時には私も各科に顔を出し、他科で業務中のスタッフや、その科の他のスタッフにも声をかけ、様子を聞いていました。
    取り組みに前向きでないスタッフもいたので、できるようになったことをしっかりと伝えるなど、自信ややりがいをもてるような声かけも意識して行っていましたね。

    また、特に昨年は医師との連携にも注力しました。多くのスタッフが頻繁に複数の科を行き来するので、どの看護師がどの科にいるのかがわかりづらく苦情につながるのではと考えたのです。そこで、毎朝師長と副師長で各科をラウンドし、医師と顔を向き合わせてコミュニケーションをとるようにしました。そのかいあってか、大きな問題が起こることなく進められたと思います。

    湯野

    取り組みをスタートするまでが本当に大変だったと思います。看護師は変化に苦手意識をもっている職種 なので、慣れたところで働きたいと思っているであろうに、2~3科で働いてほしいと伝えた時には嫌な顔をする看護師が多くいたのも事実です。そんなスタッフに対して師長や副師長が密にコミュニケーションをとることでうまくフォローしてくれました。当院の理念である「共に歩む」の通り、スタッフに徹底的に寄り添いながら二人三脚で進めてくれたことが成功につながったのだと思います。

    山口

    現在は、ブロックを超えてポリバレントできる看護師の育成や看護補助者のポリバレント化にも取り組んでいます。全外来が“ひとつのチーム”となり、必要な時に誰でも補完しあえる体制を目指して、今後も現場をサポートしていきたいと思います。

     

    撮影:遠藤 麻美

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    施設名:国民健康保険 小松市民病院
    住所:〒923-8560 ⽯川県⼩松市向本折町ホ60番地
    開設:1950年11月
    定員数:340床 ※2025年4月時点
    ホームページ:https://hosp.komatsu.ishikawa.jp/index.html

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