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2023/8/01
私たちの働き方改革
2025/7
中島
サポーターの勤務体制ですが、皆さんには月初めに勤務希望表を提出してもらっています。まずは月17日以内で希望を出し、それ以上働きたい方はシフトを組んだあとに2次募集をかけるので、その際に追加で希望を出します。それで大体はシフトが埋まりますね。今日も日中8名、朝と夜の食事介助に2名ずつ、計12名のサポーターの方々が来てくださっています。
小林
介護施設の運用に人手は必要ですが、全員がフルタイムで働く必要があるかというとそうではありません。当施設の場合ですと、午前中にバスサポが入浴介助を行うので、同時にコミサポがサロンを開いて入浴前後の利用者さんにレクリエーションを提供します。その間、入居中のお部屋が空くのでリビサポがお部屋の掃除をするという流れにしています。忙しい時間帯のみ人手を要するんです。
入浴やサロン業務を行っている間に、リビサポがベッドメイクなどを行います
中島
一日のうち2時間程度ですが、朝の忙しい時間帯に人手が補充されたことで複数の仕事を同時進行でき、スムーズな業務が可能になりました。ほかにも例えば、食事の時間も人手を要します。食事への誘導やお薬を飲むための介助、配膳や下膳など、必要な作業がたくさんありますので。配膳や下膳など介助を必要としない仕事をイートサポに担当してもらうことで、介護職員は誘導やお薬の介助を手厚くできますし、ゆっくり時間をかけた食事介助が必要な方にも十分な時間を充てられるようになりました。業務も早く終わるので、その分利用者さんのお話を聞く時間にできたり、介護記録などの業務に早めに着手できたりしています。
西
当施設の場合は60名の利用者さんを対応しているので、配膳だけでも時間がかかります。ほかの業務も同様で、介護現場には介護資格がなくてもできる中間業務が意外と多く、時間もかかってしまうんです。サポーター制度を導入したことで、体力的に楽になった部分ももちろんありますが、身体介護に集中して対応できるようになり、利用者さんとコミュニケーションを取れる時間も増えました。
サポーターの皆さんから利用者さんの情報をいただくこともあるんですよ。「今日は楽しそうにトランプをしていましたよ」とか、「将棋がお好きみたいですよ」とか。そうした情報が以前よりたくさん得られるようになったので、より利用者さん一人ひとりのことを深く知ることができ、ちょっとした変化にも気づけるようになったと実感しています。
松井
サポーターへのOJTは、月に1回サポーターの職種ごとに会議を設けて行っています。日頃の情報共有に加えて、車いすや歩行器の介助方法などの予備知識を知ってもらうための会議でもあります。運営側として設けているのはその会議だけで、細かな業務内容に関してはサポーター同士で教え合ってくれています。それも特にこちらから指示しているわけではなく、新しく入った方には皆で教えるという雰囲気が浸透しているようです。
西
サポーターのよい雰囲気は私も実感しています。特に長く在籍されている方々はとても面倒見がよく、職員が困っている時も積極的に助けてくれるんですよ。
「利用者さんと話す時間がたくさん取れるようになったことが、サポーター制度の何よりも大きなメリットです」と話す介護福祉士の西さん
小林
サポーター制度を導入する際、食事の配膳下膳やベッドメイクなど、日々の業務の中で手が回らないところを専任でお願いできると伝えていたので、職員にはメリットになる取り組みだと理解してもらえました。そのため、導入への弊害や職員からの拒絶などはなくスムーズに導入できました。もしこれが経営を目的とし、職員にメリットを伝えずにトップダウンで導入していたら結果は違っていたかもしれません。経営面から見ても正社員を1人雇うよりもサポーター複数名に来てもらった方が人件費は少なく済むんです。ですが、職員の助けになることに目を向けて取り組みを進めることこそが、円滑な運営のために大切だと思っています。
中島
サポーター制度のおかげで、職員研修も日中の勤務時間内でできるようになりましたね。当社では延べ50コンテンツ程の研修を用意しており、その中から自分で選んで研修を受けることができます。介護や看護の専門的な研修はもちろん、ビジネスマナー研修なども行っています。仕事の質の向上はもちろん、職員の人間力を磨くことに役立っていますし、私自身も入社してからさまざまなことが学べたなと実感しています。こうした研修も、サポーターさんに業務を任せている間に職員に向けて実施することができているのでありがたいですね。
小林
当施設でスタートしたサポーター制度は全国の介護施設で広がっています。厚生労働大臣表彰を受賞したことで、全国各地から見学に来られる施設が増えました。ちょうど昨日も岡山の施設から話を聞かせてほしいと依頼があったところです。私たちが把握している範囲では、現在200名程のサポーターが全国の各法人のもとで誕生しているようです。職種も各法人独自のものが生まれていて、ある施設では元理容師の方がサポーターになったことから、顔剃りなどの整容を担う仕事が生まれたそうです。1日2時間、好きな時に働けるというルールの中で多種多様なサポーターが生まれていくことで、サポーターの仕事がより魅力的になるのではと思っています。
中島
介護職員としても、サポーターがいてくれるからこそできることはもっとたくさんあると思います。これからも利用者さんのために何ができるかを考え、よりよい介護のためにできることを追求していきたいですね。
小林
この先、国難といわれる人口減少が進む中でICT推進や外国籍の人材雇用も必要ではありますが、それだけでは埋められないこともあると思っています。介護業界で大切なのは「人」です。人に対して訴求できる仕組みをいかに提供していくかが大切なのではないでしょうか。地域包括ケアが叫ばれていますが、限られたエリアの中で介護を成り立たせていくためには、今まで介護施設とはかけ離れていたような人たちにも介護に目を向けてもらえるよう、地域人材の掘り起こしを行う必要があります。地域人材が集まることで介護施設の雰囲気もよくなりますし、介護業界を盛り立てることにもつながるはずです。
西
介護の仕事というと、ハードルを感じる方が多いのかなと思います。体力的にきつかったり、夜勤が必要だったり。ですが、資格や経験がなく、働く時間が限られていてもできる仕事なんだと知ってもらうことでハードルは下がりますし、働き手のすそ野が広がるのではと思っています。年齢を問わず、高齢者と関わる仕事を楽しめる方々が、サポーターとしてどんどん活躍してくださるとうれしいですね。
撮影:遠藤 麻美
施設名: | 介護付きホームメッツ長岡 |
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住所: | 〒940-0092 新潟県長岡市昭和2-2-34 |
開設: | 2023年 |
定員数: | 入所60名 |
ホームページ: | https://taiyo-medicareservice.co.jp/facility/nagaoka/ |
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