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2024/6/03
私たちの働き方改革
2025/10

INDEX
安田
意見の採用・不採用は、同意見の数を基準に決めています。同じ内容の提案が多いほど、採用の可能性は高まる傾向にあります。加えて、改修工事の際には新たな玉川ホームのコンセプトとして「明るい空間で利用者が生活しやすい施設。そして、職員の働きやすい施設」と設定しました。このコンセプトに合った提案なのかどうかも、採用基準のひとつにしていました。
さらに、採用の基準値として、「優先要望度選定マトリクス」を作成しました。マトリクスは4段階にわかれており、最も重視すべきは利用者さんとそのご家族、そして職員にとって最優先なもの。次に利用者さんとそのご家族にとって最優先なもの。その次に職員にとって最優先のもの。最後に利用者さんとそのご家族、そして職員にとって優先すべきものという基準です。このマトリクスをもとに意見を振り分け、最優先で取り組むべき事項を判断していきました。
▲意見の採用・不採用を決める基準としたマトリクス。明確な基準は、膨大な意見を判断するのに役立った
安田
また、すべてではありませんが採用すべきかどうか悩んだ意見は、実際に検証するようにしていました。例えば、改修工事の際に「多床室の仕切りを、カーテンではなくもっとプライバシーに配慮したものにできないか」という意見があり、ミニチュアの模型を作成して検証。結果的に、利用者さんのベッドへの移乗がスムーズにできないことがわかり、意見は不採用になりました。
滝田
アンケートを回収した後は必ず「アンサーを返す」ようにしています。いただいた意見はすべて紙にまとめて職員に公表していますし、不採用となった意見に対しては安田さんが話したような採用基準や検証結果を踏まえて、理由を伝えるようにしていました。せっかく意見を出していただいているので、その感謝はきちんと伝えるべきだと思っています。
猪腰
ボトムアップでの変革は、私が以前から目指していた「職員が本当に働きやすい職場づくり」にも寄与していると感じています。玉川ホームの改修工事をする前、特別養護老人ホームあたみホームの改修工事を行いました。その時は経営層が主体で改修を進めたのですが、のちのち現場の職員から「もっとこうしてほしかった」という意見が出てきたんです。しかし、アンケートを行った玉川ホームでの改修工事では、そうした意見はほとんどなく、安心しました。職員の意見を反映した改修は、経営層にとっても職員にとってもよい結果につながったと思います。
長谷川
2025年の春にナースコールシステムを一新したのですが、その際も現場の課題や、新しいシステムに求める機能など、職員にアンケートをとりました。以前よりもIT色の強いシステムで操作性がガラリと変わったため、否定的な意見が出てくるかと思いましたが、年齢に関係なく現場の皆さんが積極的に使ってくれている印象です。「自分たちが選んだシステム」という意識がシステム変更の障壁を低くしたのかもしれません。
安田
アンケートは基本的に自由回答ですが、意見の数も1回目より2回目、3回目と回数を重ねるごとにどんどん増えていきました。自分たちの意見が施設づくりに取り入れられることを実感し、さらに意見が言いやすくなったのではと思います。
滝田
2回目のアンケートの時、最初の段階で「予算は気にせず、自由に意見を書いてほしい」と伝えたことが効果的だったと思います。これにより、現場の職員はより柔軟な思考で施設について考えることができ、意見も書きやすかったのではないでしょうか。実際「これは無茶だろう」と思える意見もありましたが、それでよかったのだと思います。
猪腰
プロジェクトメンバーに選ばれなくて泣いた職員もいれば、選ばれたことを涙を流して喜んだ職員もいると聞いています。次のプロジェクトメンバーには必ず選ばれたいという声も上がっているとか……。施設単位での取り組みを高い熱量で自分ゴトとしてとらえ、積極的に関わろうとする職員が増えているようでうれしいですね。
▲企画調査班としての活動経験をもつ主任事務員の安田さん。アンケートの作成や集計なども担ってきた
猪腰
太田福祉記念会は、まもなく創立50周年を迎えます。その一環として、「これからどんな太田福祉記念会にしていきたいか」をテーマに、職員にもアンケートで尋ねてみようと考えています。
多くの介護施設同様、当施設も人材不足という大きな課題に直面しています。社会全体の流れが大きく変わる中で、今後どのように進んでいくべきか、正直に言うと見えにくい部分もあります。外国人材の受け入れなども含め、人材確保の方法を模索しているところです。
とはいえ、職員視点で施設を一緒につくっていくことは、職員の働き甲斐や楽しさを生み出し、結果的に職員の定着にもつながっていくと思います。職員とともに施設をつくっていくという土壌を大切に、次の50年に向けて少しずつ道を見つけていきたいと思っています。
▲意見は「決して否定しない」ことも大切にしていたそう。終始和やかに進んだ取材からも、日ごろから意見を伝えやすい雰囲気があることを感じた
撮影:遠藤 麻美
写真提供:太田福祉記念会 特別養護老人ホーム玉川ホーム
| 施設名: | 社会福祉法人 太田福祉記念会 |
|---|---|
| 住所: | 〒963-1303 福島県郡山市熱海町玉川字阿曽沢11-1 |
| 開設: | 1978年2月 |
| ホームページ: | http://www.ohta-fukushi.or.jp/index.html |
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