『わたしがもういちど看護師長をするなら』という書籍を出版されている坂本すがさん。師長さんならではの「チームづくり」の悩みを相談してみました! 新たな部署で看護師長としてスタートを切る方や、チームのモチベーション向上に悩む方におすすめの「坂本流マネジメント」、ぜひ実践してみくださいね。
(Q1)新しい環境でのスタートが不安です!
新しい病棟で看護師長として働いていますが、まだスタッフとのコミュニケーションにぎこちなさを感じます。坂本さんなら、新たな病棟で看護師長を任された時、まず何から始めますか?
坂本さんの回答
話すネタは何でもいい。まずは話してみる!
誰だって、初めての病棟では多少緊張しますよね。コミュニケーションがぎこちないのも当たり前。気にすることなんてありません。そのうえで、私ならまずスタッフと話すことから始めます。話の糸口は、仕事のことでもプライベートのことでも何でもいい。そのうち話せるようになってきたら、「この病棟でどんなことをしたい?」と聞いてみてはいかがでしょうか。そこから、それぞれの個性、病棟の方向性が見えてくると思います。
(Q2)チームを盛り上げるには?
チームのモチベーションを上げるためのポイントを教えてください。
坂本さんの回答
90%は仕事ぶりを認める。10%でポジティブに導く。
看護師は、何も言われずとも患者さんのために行動するもの。そういった仕事ぶりを、まずは認めるべきでしょう。90%は認めて、残り10%で「昨日より今日、今日より明日に向けて頑張ろう」と促す。私はこれを「90対10※」と名付け、チームマネジメントの指針にしています。
※『わたしがもういちど看護師長をするなら』(医療書院)より引用
(Q3)悪口・陰口が多いスタッフに困っています…
悪口やパワハラめいた言動で、チームの和を乱すスタッフに頭を抱えています……。チームのためにどのように対応すべきでしょうか。
坂本さんの回答
「一方聞いて沙汰するな」です。
深く気にせず、聞き流せばいいんじゃないですか? ただ、あまりにもひどい場合は、まず本人に「こういう話が聞こえてきますが、どうですか」と事実を確認するべきでしょう。何か理由があるのかもしれないし、ほかに不満があってよくない言動になってしまったのかもしれません。「一方聞いて沙汰するな」です。話を聞いて解決できることがあれば支援する。それで数ヵ月間は様子を見て、まだ和を乱すようなら「あなたの言動に、スタッフや患者さんが困っている」としっかりと伝える。問題のあるスタッフをただ排除するのではなく、言動の背後にあるものを探ること、放っておかず後日改善できたかを評価するなど、システマティックに対応することが重要です。