小林光恵さんの おやすみコラム #003「寝息効果」
2023/1/13
みんなの広場
2025/3
2025年4月1日から「かかりつけ医機能報告制度」がスタートするようです。
かかりつけ医を選ぶための情報の充実などにつながりそうですね。
60代に突入した4年前頃から私は、今後、年を重ねる上で必要になる「かかりつけ医」というものを意識し始め、親身になって誠実な診療をする近所のO医院のO先生がいい、と思うようになりました。
しかし私のO医院の受診歴は、風邪や胃炎などでこの10年間に7~8回ほどで、しかもすべて1回きりの受診で終わっており、さらに他の近医にかかったことも数回あるのです。
そんな私が、何かで必要なときに「O医院がかかりつけ医だ」と表明したなら、先生はそのことを意外に思うのではないか。<数回、軽症で来ただけで、そんなに、その人を知らないけどなあ>と困惑させてしまうのではないか、と心配になりました。恋愛において、<私たちはつきあっている>と勝手に思い込んでいる女子みたいでもあり、恥ずかしいような。
それで、率直に「かかりつけ医になっていただいてもいいですか?」と先生にお願いして了承を得ておけば堂々とO医院をかかりつけ医と言えると思ったのですが、結局、受診の機会には心がもじもじしてしまい、言いそびれたまま時が過ぎました。
そして昨年の5月、<今回の受診では絶対に言おう!>と心に決めてO医院を訪ねると、なんと、長期休診の張り紙が――。いまも休診が続いており、O先生は体調を崩してしまったのだろうかと心配しながら、告白もしていないのに失恋してしまったような妙な感覚に陥っています。
著者/小林 光恵さん | 元看護師。著述業。つくば市在住。 エンゼルメイク研究会代表、ケアリング美容研究会共同代表。 看護師、編集者を経て、1991年より本格的に執筆業を中心に活動。『おたんこナース』『ナースマン』など。 <新刊情報> ナイチンゲールの子孫が主人公の小説 『ナイチンゲール7世』(イースト・プレス)が発売中! <多数のメディアで連載中!> ●小説 『令和のナースマン』 (月刊ナーシングキャンバス 株式会社Gakken) ●エッセイとイラスト 「アンチヘブリンガン」 (月刊ナーシング 株式会社Gakken) ●コラム 小林光恵の「ほのぼのティータイム」 (Aナーシング 日経メディカル) ●コラム 「ついついやってしまいがちなエンゼルケア」 (Will Friends 日本看護学校協議会共済会) ●ドクターズコラム (健達ねっと メディカル・ケア・サービス) など |
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