みんなの広場

2024/5

小林光恵さんの おやすみコラム #019「ドームツアー、行きませんか?」

小林光恵さんの おやすみコラム #019「ドームツアー、行きませんか?」

2年ほど前に耳にした噂です。
「ドームツアーが趣味の<スバルさん>というあだ名の女性のナースがいて、ナゴヤドームが聖地なんだって」
でも、○○スバルさんはアイドルを辞めたよね、推しの名前ではないのかな、と言おうとすると、
「でね、行ったドームでは、熟睡することもあるんだってよ」
「ん?」
「ふふ、コンサートのではなくてね、プラネタリウムのドームのほうなのよ。名古屋に世界最大のドームがあるらしくてさ。職場にプラネタリウムを呼んだことがきっかけではまったらしいよ」
彼女の本名も勤務先もわからないらしく、架空の人物で、誰かが考えたネタなのかもしれないなと思いました。

GWの最終日、つくばエキスポセンターのプラネタリウムへ。
SNSの記事で知った番組『銀河鉄道の夜』が無性に見たくなったから。
行く前に調べてみると、日本は世界第2位のプラネタリウム保有国であること、日本人は無類の星好きですと天文学者が語っていること、プラネタリウムで寝ることを推奨する動きがあること、出張プラネタリウムサービスが広がっていることなどがわかり、30年ぶりの観覧に期待が高まりました。

お客は席の3分の1くらいの入りでした。
期待を超える内容に引きこまれていると、斜め後ろの席から、寝息が聞こえてきます。ちらり見てみるとその主は女性で、前述の噂をぽんと思い出し、もしかしてスバルさんかも、と。
考えてみれば、広い宇宙の中の人間という存在を感じる場でもあるプラネタリウムが好きな看護職や介護職が多いのかも。そして、スバルさんとはひとりではなく大勢の総称で、斜め後ろにいた方もそのひとりだったのではないかって思えてきました。

著者/小林 光恵さん
元看護師。著述業。つくば市在住。
エンゼルメイク研究会代表、ケアリング美容研究会共同代表。

看護師、編集者を経て、1991年より本格的に執筆業を中心に活動。『おたんこナース』『ナースマン』など。

<新刊情報>
ナイチンゲールの子孫が主人公の小説
『ナイチンゲール7世』(イースト・プレス)が2024年5月21日(火)に発売!

<多数のメディアで連載中!>
●小説 『令和のナースマン』
(月刊ナーシングキャンバス 株式会社Gakken)
●エッセイとイラスト 「アンチヘブリンガン」
(月刊ナーシング 株式会社Gakken)
●コラム 小林光恵の「ほのぼのティータイム」
(Aナーシング 日経メディカル)
●コラム 「ついついやってしまいがちなエンゼルケア」
(Will Friends 日本看護学校協議会共済会)
●ドクターズコラム
(健達ねっと メディカル・ケア・サービス)
など

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