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2024/5

【レポート】看護職を志すきっかけに 高校生の看護の現場レポも「看護の日イベント」

【レポート】看護職を志すきっかけに 高校生の看護の現場レポも「看護の日イベント」

2024512日(日)、日本看護協会が主催する「看護の日イベント」が、WITH HARAJUKU ホールで開催されました。見ごたえあり、涙あり、笑いあり、そして看護職のすばらしさも実感できた本イベント。当日の様子をレポートしていきたいと思います!

未来の看護職へ! 「看護の日」イベント

 看護の祖ナイチンゲールの誕生日である512日は「看護の日」として定められています。日本看護協会では毎年、12日を含む日曜日〜土曜日を「看護週間」とし、さまざまなイベントを実施しています。

今年は「さあ、未来の看護を、見つけにいこう。」をテーマに、未来の看護職に向けたトークイベントが開催されました。

「看護の日イベント」プログラム

【かんごちゃんねる/第1部】
・オープニングトークセッション
・「忘れられない看護エピソード~いのちをまもり、支えるプロフェッショナル~」表彰式
アニメーション公開

【かんごちゃんねる/第2部】
・“さぁ、看護の未来を、見つけにいこう。” トークセッション

オープニングトークでは、MCであるタレントのハリー杉山さんとスペシャルサポーターで女優の羽田美智子さんが、看護師さんとのエピソードをそれぞれ紹介しました。羽田さんは看護師さんを「白衣のヒーロー」と称し、父親を亡くした時、看護師さんからのサポートに救われたと回顧。「看護師さんのおかげで、悔いなく父の最期を見届けられた」と看護師さんへの感謝を伝えました。

  MCのハリー杉山さんとスペシャルサポーターの羽田美智子さんMCのハリー杉山さん(左)とスペシャルサポーターで女優の羽田美智子さん(右)

 また、日本看護協会 会長の高橋弘枝さんは、「看護の力は今後ますます社会で必要とされていく。今回のイベントを通じて、看護職の魅力ややりがいに気づき、将来看護の道を選んでくれる人が増えてくれることを期待している」とイベント開催への思いを語りました。

ハリー杉山さんと羽田美智子さんがそろって熱弁されていたのは、看護師さんが患者家族まで気にかけてくれることのありがたさ。ハリーさんは父親が危篤の際、看護師さんからの「休んでくださいね」という一言に、いっぱいいっぱいになっていた心がふっと軽くなったそう。ハリーさんも羽田さんも、心から看護師さんをリスペクトしていることがことばの節々から感じられ、お二人の話を聞いているだけでも看護職のすばらしさを実感できました!

ことばの力を再認識した「忘れられない看護エピソード」

オープニングのあとは、「看護の日・看護週間」のメイン事業でもある「忘れられない看護エピソード」の表彰式が行われました。現場で働く看護職から募集したエピソードを脚本家の内館牧子さんが審査し、受賞作品が選ばれるというもの。受賞エピソードは、これまで漫画化やアニメ化されており、日本看護協会のホームページで公開されています。

今回は、「いのちをまもり、支えるプロフェッショナル」というテーマで、エピソードを募集。日々実践している看護のプロフェッショナルとしての専門性や魅力を、次世代を担う方々に伝えるエピソードが集まりました。

2024年度 受賞作品

最優秀賞   「12年の時を経た約束」      坂倉 喜代美さん

内館牧子賞  「今まで見えていなかった看護」  長野 樹さん

優秀賞    「最期の願い」          大石 有美香さん

表彰式では、内館さんからの総評に加えて、優秀賞、内館牧子賞の作品の朗読、そして最優秀賞作品のアニメーションがお披露目となりました。

「忘れられない看護エピソード」で最優秀賞を受賞した最優秀賞を受賞した板倉さん。昨年定年退職をされ、今回の受賞を「看護の集大成」と語った

毎年、「忘れられない看護エピソード」には泣かされているのですが……、今年もしっかり泣きました(笑)。今年は、看護師の「ことば」に関するエピソードが二つ受賞しており、看護師さんの「ことばの力」も感じました。患者さん自身やそのご家族など、さまざまな視点で患者さんとしっかりと向き合っているからこそ出てくることばに救われている方も本当に多いのだと思います。
日本看護協会のホームページにて、最優秀賞のアニメーション、そしてその他の受賞作品も読むことができるので、ぜひのぞいてみてくださいね♪

授賞式の様子授賞式の様子

※「忘れられない看護エピソード」受賞作品についてはこちらから

現役高校生が、看護の現場に行ってみた!

第2部の「“さぁ、看護の未来を、見つけにいこう。” トークセッション」では、現役高校生2名が、実際の看護現場を見学した様子が伝えられました。会場には、見学に行った高校生と、見学先となった聖路加国際病院 副看護部長の金児玉青さん、そしてウィル訪問看護ステーション江戸川所長の荻野理美さんが登壇。高校生たちは、見学を通して多様な看護の形を学び、自分の未来を考えるきっかけなどさまざまな刺激を得た様子でした。

聖路加国際病院を見学した一ノ宮さんは、外科、小児病棟、ICUなどさまざまな部署を見学し、看護師さんにインタビューも行いました。「命を扱う最前線を見学し、緊張感もあって、最初は少し怖さも感じていた。部署や専門は違えど『患者さんを助ける』という同じ気持ちでいろんな方が連携していることを知り、そのありがたみを感じた」とふり返りました。

赤嶋さんは訪問看護の現場に同行し、看護師さんが訪問先のご家族と密にコミュニケーションをとりながら、ケアをしていく様子をそばで見学しました。「利用者さんの価値観や意思を尊重し、心のケアまで行う看護師さんの工夫を感じた」と、訪問看護ならではの洞察力やケアの幅広さを知ることができたようです。

将来の進路について本格的に考え悩み始める時期に現場に触れられたことは、高校生のお二人にとっても、とてもよい経験だったのではないでしょうか。「見学をして、看護師の役割を以前よりも理解できるようになった。看護の道への思いも強くなった」という赤嶋さんのコメントが印象的でした。

「とても楽しく、貴重な経験になりました!」と笑顔で語っていた一ノ宮さん(中央)と、赤嶋さん(右)

「看護の日」は、看護師としての誇りを再認識する日

2時間があっという間に感じられた今回のイベント。私がイベントを通して実感したのは、看護職のすばらしさと尊さでした。ハリーさんは「看護師は社会のヒーロー」と称し、羽田さんは「看護師さんは、誰かの命のそばで、共に生きていく仕事だ」とお話されていました。本当にその通りだと思います!
看護師さんは日々を忙しく過ごす中で、ついその忙しさに心が引っ張られ、疲れてしまうこともあるでしょう。そうした時、こうしたイベントに参加してみると、改めてご自身の仕事の価値の高さに気づくことができるのではないでしょうか。「来年もぜひ参加したい!」、そう感じた心温まる、すてきなイベントでした!

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