アンケート

2024/3

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新人育成・サポートに関するアンケート

もうすぐ新年度。新しい看護師さんや介護士さんの入職を迎えるにあたり、OJTの準備を始めている方も多いのではないでしょうか。そこで今回Nursing-plaza.comでは、「新人育成」をテーマに、看護職・介護職の皆さんが新人を指導するうえで抱えている悩み、新人時代に悩んでいたことなどについて聞きました。皆さん、どんなお悩みをもっているのでしょうか?

アンケート期間 :
2024年2月1日(木)~2024年2月29日(木)
有効回答者 :
45人
男女比 :
年齢分布 :
職業 :

今回の未来ワードは

学ぶ気持ちを引き出すコミュニケーション

忙しい現場こそ、新人は主体的・積極的に学ぼうとする姿勢が求められます。しかしいざ現場に入ってタスクの渦に飲み込まれてしまうと、一人で学ぶ意欲を強く持ち続けるのはけっこう難しいものです。そこで大事となるのが、「上司と部下のコミュニケーション」だということが今回の調査でわかりました。新人が意見を言いやすい環境をつくることが、「学ぶ」気持ちを引き出す一番の近道なのかもしれません。

新人看護職員・介護職員の育成で悩んだ経験はある?

勤続年数(n=45)
職種グラフ(看護職・介護職別)

新人看護職員・介護職員 *の育成・サポートで悩んだこと・大変だったことの有無(n=40)

*本文では、勤続年数1~2年目の看護職員・介護職員 を新人と定義。

回答者の勤続年数の内訳を見ると、中堅・ベテラン層の割合が高めでした。そのうち新人の育成やサポートの経験がある人は、4人を除きほぼ全員が「悩んだこと、大変だったことがある」と回答! 具体的にどんなことに苦労した/苦労しているのでしょうか。

新人教育、どんなことに悩んでいる?

新人看護職員・介護職員の育成やサポートで悩んだこと、大変だったこと(n=30)
新人看護職員・介護職員の育成やサポートで悩んだこと、大変だったこと

看護職:勤続年数別×育成やサポートで悩んだこと、大変だったこと(n=30)
看護職・勤続年数別:新人育成・サポートに関する悩み

「新人への注意・指導時の伝え方」で悩んでいるという回答が最も多く、次いで「新人のモチベーションを向上させること」が多い結果に。さらに、勤続年数別に見てみると、特に看護職の方においては勤続年数が長い人ほど悩みのタネが多様だということがわかりました。

はっきりとした原因はわかりませんが、管理者としてのタスクが加わり、そのぶん責任も大きくなるという事情がうかがえますね。自身の時間管理やメンタルケアにも悩んでいる方が一定数いるのが気になりました。

自身が新人時代に悩んでいたことは?

勤続1~2年目に悩んでいたこと、あるいは現在悩んでいること(n=45)
勤続1~2年目に悩んでいたこと、あるいは現在悩んでいること

新人指導する側の悩みと呼応するように、新人側にとっての最大の悩みもまた「上司・先輩とのコミュニケーション」のようです。コミュニケーションがうまくとれず、悩みや疑問を一人で抱え込んでしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。

互いが日々の業務に追われていると、腰を下ろして腹を割って話すのもなかなかしづらいものですよね。以前に行った調査でも、職場内のコミュニケーションがうまくいかない理由として、「気軽に相談や質問ができない」「上司や先輩に意見や提案がしづらい」と答えていた人が多かったことを思い出しました。

今だからわかる、新人時代にやっておくとよいことは?

新人時代に実践しておくとよいと思うこと(n=41)
新人時代に実践しておくとよいと思うこと

看護職・介護職ともに最も高かったのが「積極的に学ぶ姿勢で業務にあたること」でした。特に看護職は、「専門知識の継続的な学習」を大事だとする人が半数以上いました。どんな仕事でも、自分が指導する立場になって気づかされることが多いですが、教わる側のモチベーションを推し量るのは難しいもの。相手の学ぶ気持ちを引き出すには、やはりこまめな会話などで相手の“やる気スイッチ”を知ることも重要ですよね。

自分から積極的にコミュニケーションをとることの大切さを感じている人も多いようですね。でも実際、新人にとっては切り出しにくい状況が多いですよね。そんな実状をふまえ、新人看護師についてもっとよく知るための取り組みをしている病院もあります。「日本看護サミット2023」で紹介された武蔵野中央病院のポートフォリオは、まさに新人と中堅の架け橋になる取り組みだと思いました。

新人看護職・介護職にとっての理想の上司像は?

看護職・介護職1~2年目にとっての理想の上司像(n=45)
看護職・介護職1~2年目にとっての理想の上司像

理想の上司に求めるものベスト3は、「指導がわかりやすく丁寧」「親身に相談に乗ってくれる」「話しかけやすい」でした。専門的な技術力やリーダーシップで引っ張る、「背中を見て育て」という上司よりも、フラットに寄り添ってくれる上司を求めている人が多いみたいですね。

まとめ

今回の調査では「教える側」と「教わる側」双方の悩みを紹介しました。
厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン」によれば、実地指導者に求められる能力の一つとして「新人看護職員の置かれている状況を把握し、一緒に問題を解決する能力」が明記されています。教えるではなく「一緒に考える」練習を重ねることで、新人の自主的・積極的に学ぶ姿勢を養うことにもつながります。
多様な価値観やバックグラウンドを受け入れることが大事とされているこの頃、いわゆる上司・部下、先輩・後輩の関係も変化が求められているのかもしれません。新人の育成を考えることは、あらゆる関係性を見直すきっかけにもなりそうです。

参考:厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン【改訂版】」

未来への手紙

職場での教育やサポートを実践する中で、自分の思い描いていたように事が進まなかったり、認識のズレが生じたりすることは多々あります。そんなときは、もしかしたら「わかってくれるはず」という思い込みや期待がそうさせているのかもしれません。
新人に対して「どうすれば理解してくれるのか」とお悩みの方は、自分が新人だったころにわからなかったことを思い出してみる、または他の人はどうだったか聞いてみてはいかがでしょうか。きっと何かヒントが得られるはずです。(昔を思い出すのは難しいことですが……!)

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