この先、私はどんなキャリアを歩んでいくのだろう。将来のことを考えると、仕事だけじゃなく、お金の計画もきちんと立てなくては。でもこれ、誰に相談すればいいのかわからない……。

そんな看護師の皆さんのお悩みに、看護師の先輩であり、現在それぞれキャリアコンサルタント、ファイナンシャルプランナーとして活躍されている濱田安岐子さんと中林友美さんがズバリお答えします。題して「おしえて、先輩！ 看護師のためのマネー&キャリア相談室」。第１回は、職場の人間関係についての相談です。

「職場の人間関係についての悩みを誰にも相談できなくてつらい…」

看護師・アンさん（25歳／大学病院勤務3年目）のお悩み

「自分は何に困っているのか？」を言葉で整理することが、はじめの一歩

濱田さんのアドバイス

病院勤務3年目のアンさんは、プリセプターとして、後輩の指導を任され始めている頃でしょうか。職場での立場も大きく変化するこの時期、悩みを抱える方は多くいらっしゃいます。中でもよくあるのが、3年目には一人前になっているだろうと入職時に思い描いていた自分の働き方と今の自分の仕事ぶりを比べて、引け目を感じること。自分の仕事や能力に自信が持てないことで、上司に何か指摘されると「自分はダメなんだ」と追い打ちをかけてしまうのです。

アンさんが今抱えている、職場の人間関係の悩みとはどんなものなのでしょうか。もしかしたら、先輩や上司から厳しいことを言われるたびに「自分は嫌われている」とか「自分はみんなに迷惑ばかりかけている」などと感じてしまっていませんか。

実は私も新人の頃、同じような悩みを抱えていたことがありました。どうやら私は目立つタイプだったようで、師長が新人全員に指導する時、必ず私が厳しいお説教のターゲットにされていたのです。でもそれがすごくつらくて主任に泣きついたら、師長と3人で話すことになり、ドキドキしながら本音を打ち明けました。そうしたら「あなたを名指ししてみんなに伝わるようにと思ってしまっていました。ターゲットのようになってしまっていてごめんなさい」という返答がきて。それ以来、叱られることもなくなり、悩みを打ち明けやすくなりました。

ご存じの通り、看護の現場はとても忙しく、相手への気遣いができず、つい厳しい口調で指摘されることがありますよね。でも心の中では後輩に成長してほしいと思っていることは多いのです。正直に、「こんなに厳しく言われるのは自分がデキないからだと思うとつらい」などと思いをぶつけてみたら、そこで初めて「そんなにつらい思いをしていたのか」と気づく先輩も多いかもしれません。そうしたやり取りができれば、あなたが感じている人間関係の「誤解」が解けることもあるはずです。

一方で、職場では、ライバルでもある同僚や厳しい先輩には直接相談しづらいという状況もよく理解できます。そのうえで私が強く伝えたいのが、自分の弱い面も含めて、日常的に相談できる相手を職場の「外」で見つけることです。学校の同級生や先生、カウンセラーなど、看護の仕事を理解したうえで、ポジティブなフィードバックをくれる人がベストです。自分が職場で相談できない理由も含め、今自分は何が一番つらいのか、大変だと思う状況を言葉に出して整理することが、悩み解決の一歩目となるでしょう。

相談先の一つとして、都道府県看護協会に設置されている「ナースセンター」※も、無料で悩み相談に乗ってくれるので有効です。相談相手を見つけること自体エネルギーを要するので、ポイントは、忙しくなる前に相談先を見つけておくこと。これを読んでいるあなたも、まだ相談するほどではないから大丈夫だと思わず、いざという時に駆け込める場所、自分の状況を理解してくれる相手をぜひ、見つけましょう！

※日本看護協会「ナースセンター」

次回は、アンさんの「休職中の傷病手当」の悩みについて、中林さんが解決します！