高齢化が進むにつれて認知症患者数が増加する昨今、「認知症ケア専門士」への注目が高まっています。看護師として多様な経験を積む中で認知症ケアへの関心が強まり、資格を取得するに至った杉山良子さんに、資格取得の背景や認知症ケアに対する想いについてうかがいました。
資格のチカラ
2026/6
認知症ケア専門士は、医療・介護・地域の現場において、質の高い認知症ケアや支援を行う専門職の育成を目的とした資格です。生涯にわたって学びを深めながら実践力を高めていく資格であり、チーム医療や地域支援の中でリーダーやアドバイザー的な役割も担います。

資格取得年月:2021年6月
看護師/認知症ケア専門士
高齢化が進むにつれて認知症患者数が増加する昨今、「認知症ケア専門士」への注目が高まっています。看護師として多様な経験を積む中で認知症ケアへの関心が強まり、資格を取得するに至った杉山良子さんに、資格取得の背景や認知症ケアに対する想いについてうかがいました。
INDEX
認知症ケア専門士が活躍する場
看護師が取得する意義
在宅看護指導士資格の生かし方
認知症ケア専門士にはどのような活躍の場があるのでしょうか。
病院や介護施設、デイケアなどさまざまですね。最近では、各施設に認知症ケア専門士が在籍していることも珍しくありません。新たな仕事に就くというよりは、今携わっている仕事の中で認知症ケアの専門性を生かしていくイメージが近いと思います。例えば、院内デイケアなどの場でのリーダー的な役割を担ったり、ケアの方法についてスタッフの相談に乗ったりすることもできます。
医療や介護の現場で直接生かせる資格なんですね。
そうですね。医療・介護の現場だけでなく、地域に活動の場を広げている方もいます。例えば、認知症キャラバンメイトと組みあわせて認知症への理解を地域に広げる活動をしている方もいます。認知症キャラバンメイトは、認知症サポーター養成講座の講師として地域や職域団体などで認知症の正しい知識や、患者さんとのつきあい方を伝え、認知症への理解を地域に広める役割を担っています。認知症ケア専門士としての知識や経験があれば、専門的な視点から情報を伝えたり相談に応じたりなど、より一層活躍の幅が広がります。
他にも、デイサービスやデイケア、家族会、社会福祉協議会など、地域のさまざまな場所で活動されていますね。
多種職が取ることのできる資格ですが、中でも看護師がこの資格を取得する意義をどう考えていますか?
看護師は患者さんに直接関わる時間が長いので、資格を取得して認知症ケアの知識を得ることで、患者さんにより適切なケアを行うことができます。四大認知症の病態や治療、検査に関する理解はもちろんのこと、パーソン・センタード・ケア※やユマニチュード※といった実践的なケアの考え方も認知症患者さんに寄り添ったケアをする上で大切ですね。
また、看護師は病院や地域で多職種をつなぐハブのような役割を担う職種なので、認知症に関して困ったことがあった時に相談に乗ることができる存在にもなれると思います。
※パーソン・センタード・ケア…相手の病気や障害だけでなく、人生の歩みや価値観、希望にも目を向け、一人ひとりの尊厳と主体性を大切にするケアの考え方。
※ユマニチュード…相手を一人の人として尊重し、安心感や信頼感を育みながら行うフランス発祥のケアの考え方や技法のこと。「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱を通して、相手との関係性を築く。
「最近は、身寄りのない認知症患者さんも増えています。後見人に関する講座などを受けて知見を得て、社会支援の場でも活躍の場を増やしていきたいです」
杉山さんの今後の展望を教えてください。
今後、認知症について学び考える場を地域の中に広げていくために、認知症キャラバンメイトの認定を受け活動していきたいと考えています。また、現在は看護の現場を離れていますが、これまでの経験や認知症ケア専門士としての知識を生かし、コンサルテーションのような立場で患者支援に関わることもできると思っています。地域活動や人材育成なども含め、自分にできる形で役割を拡げながら、定年後も知識や経験を生かして活躍する「プラチナナース」として社会に貢献していきたいですね。
最後に、認知症ケア専門士の資格取得を考えている方に向けてメッセージをお願いします。
認知症ケア専門士は、現場で実践できる資格であると同時に、認知症ケアを広めていく役割も担っています。そのため、年を重ねたあとも活躍の場がありますし、若いうちに取得しておくことでその選択肢はさらに広がるはず。今後認知症患者の方がどんどん増えると見込まれている社会の中で、認知症ケア専門士が行うケア活動はますます大切になっていきます。さまざまな職種の方が資格を取得し、一緒に活動してくれる仲間が増え、多くの現場に認知症ケアの知見が溶け込んでいくことを願っています。

写真:深澤 慎平
★認知症ケア専門士として活躍する介護福祉士・樋渡火生さんのお話はこちらから
合格が学びの始まり! 認知症ケア専門士の歩む道

「認知症ケア専門士は、5年ごとに更新があるので常に研鑽を積んでいかなければなりません。資格を取得すると同時に日本認知症ケア学会の会員になることもできるため、学会から定期的に送られてくる認知症ケア専門士向けの『認知症ケア事例ジャーナル』や会員向けの『日本認知症ケア学会誌』で勉強しています。事例の紹介だけでなく、認知症ケア専門士の皆さまの活動の様子も掲載されているので参考になりますね。ハードルが高いと感じる方もいるようですが、まずは認知症ケアや専門士への興味があれば十分なのでぜひ資格取得にチャレンジしてみてください」(杉山さん)
| 資格主催団体名: | 一般社団法人日本認知症ケア学会 |
|---|---|
| 資格種類 | 認知症ケア専門士 |
| 研修受講資格 | 職種は問わず、3年以上の認知症ケアの実務経験(教育・研究・診療を含む)がある方。 また、認知症ケア専門士としての経験を3年以上有し、必要単位を取得することで認知症ケア上級専門士の受験資格を得ることが可能。 *2027年度より試験制度を一部変更となります。その他、受験資格や資格取得方法の詳細はこちらをご覧ください。 |
| ホームページ: | https://ninchisyoucare.com/senmonsi/Ssenmonsi.htm |
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