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2024/6/03
アンケート
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近年、政府が副業を推進していることを受け、医療・福祉業界でも副業についてさまざまな意見が飛び交っています。多忙な印象の看護職・介護職ですが、副業経験のある方も一程度いることがアンケート結果からわかりました。副業として選んだ職種や本業と両立するための工夫、また、副業をしていない方にはその理由をお聞きしているので、今後副業を考えるうえでの参考にしてみてください。
今回の未来ワードは
副業経験の有無(n=53)
現在の勤務先で副業が認められているか(n=53)
医療・福祉業界で副業を経験されている方は、やはりまだまだ少ないという印象です。ただし全くいないわけではなく、約3割の方は副業経験があり、現在副業している方も約1割いました。
そもそも現在の職場で副業が認められているかについては、「はい」(n=24)、「いいえ」(n=29)と、認められていない職場の方が若干多いようです。
ちなみに副業経験がある方(n=18)の職種の内訳を見ると、医療職(n=8)、介護職(n=10)でした。現在副業されている方で比較すると、医療職(n=1)、介護職(n=5)と、介護職のほうが副業されている方が多い結果となりました。
介護職が多い理由として考えられるのは、収入面に関してです。2023年10月に実施した「お給料に関するアンケート」で、給料は看護職よりも介護職のほうが低いという結果が出ました。収入アップのために副業を選択する介護職の方が多いというのも、一つの要因かもしれません。
ここからは、副業経験がある皆さんに、副業事情を詳しく教えていただきましょう!
副業の種類(n=18)
副業の種類で上位にあがったのは、医療・福祉以外の他業種でした。
どのような仕事をされているか、もしくはされていたのかを詳しく聞いてみましょう。
土日を利用して、ホテルでのベッドメイクを1日4時間勤務でやっていました。(40代 薬剤師助手)
飲食店での接客をパート勤務で行っています。(30代 介護福祉士)
夜勤で看護補助をしています。(40代 看護師)
オンラインで仕事を受注し、福祉関連の記事を書いています。(40代 介護福祉士)
シフト制の仕事や在宅ワークなど、ある程度勤務時間を調整できる仕事を選ばれる方が多いことが分かりますね。時間をうまく使いながら副業されているようです。
副業の頻度(n=18) 副業の理由(n=18)
副業の頻度は「月に数日程度」や「週に1~2日程度」で勤務される方が多いようです。副業をする理由としては「収入アップのため」が圧倒的多数でした。 収入アップ以外には、「自分が活躍できる場を広げるため」や「スキルを磨くため」という理由が上位にあがりました。今後のキャリアを見据え、副業を利用して活躍の幅を広げていこうと思われているということでしょう。
本業と副業の両立はなかなか難しいとは思いますが、経験者の皆さんはどのような工夫をされているのでしょうか?
体力的に無理をしないことが何よりも大切です!(20代 介護福祉士)
夜はきちんと7時間以上睡眠を取るようにしています。(40代 薬剤師補助)
スキマ時間に仕事ができるよう、融通の利く仕事先やクライアントを見つけています。(40代 介護福祉士)
休日に友人と遊ぶ予定を減らすなど、予定を調整してなるべく仕事に時間を割けるようにしていました。(30代 介護福祉士)
仕事の時間が長くなると、体力的に無理をしがちに。本業に支障が出ないためにも、副業時間の調整や、しっかりと睡眠を取るなど、体に気を配る工夫をされている印象を受けました。 ほかには、時間の管理もポイントのようです。時間を有効活用できる環境を整えたり、仕事以外の予定をなるべく控えたり。時間は有限なので、どのようにやりくりするかを考えることも大切なのですね。
副業の経験がない理由(n=35)
今度は、副業経験のない方に副業をしない理由をお聞きしました。上位にあがったのは「本業が忙しくて時間にゆとりがない」です。看護職・介護職は、人材不足が常の業種なので本業で忙しくされている方が多いのでしょう。 次に多かったのが、「副業が認められている職場での勤務経験がない」という理由。これは冒頭でも取り上げましたが、就業規則で副業が禁止されている方や、国公立病院など公務員として勤務していて副業ができない方もいらっしゃるようです。
副業する機会があればやってみたいか(n=35) どんな副業をしてみたいか(n=19)
副業経験がない方に、「副業する機会があればやってみたいか」とお聞きしたところ、機会があればやりたいと答えた方の割合が多い結果に。副業経験がない方も、半数以上が副業に興味を持っているようです。 やってみたい職種をお聞きすると、こちらは同業の「訪問看護(日勤)」「クリニック勤務」と、他業種が同率1位という結果に。すでに副業を経験している方は他業種を選ぶ割合が高いことからも、「医療・福祉の分野で副業をしたいけれど、実際は柔軟性の高い他業種での副業になってしまう」と言えるのかもしれません。
医療・福祉業界が副業しにくい業界なのかというと、決してそうではありません。
本アンケートでは、本業の職場で副業が認められている人のほうが若干少なく、45.3%という結果でした。ただ、2020年に厚生労働省が行った「業種別の副業・兼業の許可状況」を見てみると、医療・福祉業界は、「正社員について副業・兼業を認めている事業所の割合」が53.3%、「正社員以外について副業・兼業を認めている事業所の割合」が87.3%でした。他業種を含めた全体平均は正社員で39.4%、正社員以外で63.8%と、他業種と比較してみても、医療・福祉業界はむしろ副業の受け入れが進んでいるという結果が出ています。
それでも副業経験者の割合が少ない結果になったということは、職場が認めていても、「本業が多忙ゆえに時間や体力面でゆとりがなく、副業までできない」。これが本質的な理由なのではないでしょうか。
ですが、副業未経験者で「副業する機会があればやってみたい」と答えた方は約5割いることから、多くの人が副業に対して前向きに捉えていることがわかりました。
参考:厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」
副業はあくまで、生活するうえでの選択肢の一つに過ぎません。もう少し収入を増やしたいのであれば副業をする。本業に集中したい時期であれば本業に注力する。プライベートを充実させたいのであれば自分や家族との時間を大切にする。というように、自分は何に比重を置きたいかを考えて、そこに時間を割いていくことが必要ではないかと思います。
以前、資格のチカラでは「看護師ライター」としてセカンドキャリアに取り組まれている宮地朋子さんを取材しました。子育てと介護が落ち着いたタイミングでライターの講座を受講し、看護師として働きながら、週末の時間を使って看護師ライターを始めたといいます。
20~30代の読者の皆さんはまだ少し先になるかもしれませんが、今後ライフスタイルが変化し、時間にゆとりが持てたタイミングで副業をスタートするのもいいかもしれませんね。
宮地さんの記事はこちら↓
看護師の経験を活かしたセカンドキャリア! 看護師ライターならではの情報発信を
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