資格のチカラ

2024/1

看護師ライター

看護師としての知識や経験を活かし、病院等への取材のほか、医療・看護に関する情報、子育てや健康などに役立つ内容の記事を執筆。看護師として働く中で得た情報を発信します。特別な資格は必要なく、誰でもチャレンジできるのが大きな魅力の一つ。また、執筆活動は在宅でも行えるため、本業との両立や、子育て・介護などの合間に行うことが可能です。

看護師の経験を活かしたセカンドキャリア! 看護師ライターならではの情報発信を

講座修了年月:2022年9月
篠原湘南クリニック クローバーホスピタル
在宅診療部
看護師・消化器内視鏡技師

みやじ ともこ宮地 朋子

日々患者の観察、アセスメントを実施し、患者の状態をわかりやすく簡潔に記録する看護師の仕事。そのスキルはライター業に通じるところがあり、実は看護師はライターに向いているともいわれています。今回は、訪問診療の同行看護師として勤務しながら、看護師ライターという新たなキャリアに奮闘する宮地朋子さんに、ライター業に挑戦したきっかけやおもしろさ、今後の展望などをうかがいました。

今後のキャリアを模索する中で出会った看護師ライターの道

宮地さんの看護師としてのご経歴を教えてください。

看護専門学校を卒業したあと、大学病院と一般病院に計3年間勤務し、その後は子育てと介護のため6年ほど仕事を離れていました。子育てと介護が少し落ち着いたあとは、クリニックでのパート勤務を経て、今の職場に就職しちょうど10年目になります。看護師になってからは27年経ちましたが、実際に現場で働いているのは21年ですね。

現在の職場でのキャリアについて教えてください。

最初は外来で勤務していました。外来にいらっしゃる患者さんはご高齢の方が多く、ご家族から「介護で苦労している」というお話を聞くことがありました。また、足腰が悪く病院へ来ることが大変そうであったり、ご自宅で薬の管理ができなくなっているのではないか心配になるような患者さんも多く見られたため、 家に訪問し患者さんをサポートする訪問診療への想いが強くなり、希望して在宅診療部に異動しました。

訪問診療の同行看護師として新しいキャリアを築く中で、看護師ライターを知ったきっかけは?

たまたま見ていたテレビ番組で、「ナースライフバランス研究室」という団体があることを知り、団体主催のオンラインセミナーを受講したんです。最初に受講したのは「朝活ナース訪問看護」という在宅医療の仕事に直結するセミナーだったのですが、それをきっかけに、「看護師×ライター講座」のお知らせを受け取りました。
当初は「自分にライターは務まらない」と思いました。ですが、在宅診療部の仕事では学会発表のほか、一般の方に訪問診療や在宅療養について説明することがあり、意外と情報発信をする機会が多いのです。伝わりやすい文章を書くという点で、今の自分の仕事にも活かせるのではないかと思い、受講してみたのがきっかけでした。

「看護師×ライター講座」では、どのようなことを学んだのでしょうか?

全4回の講座をオンラインで受講しました。講座では、原稿の書き方はもちろん、看護師として記事を執筆することのリテラシーや取材時のマナー、情報の調べ方、媒体に合わせた記事の書き方など、ライターとしての基礎を学びました。最後は実践として、受講者同士で実際に取材を行い、原稿を書いて先生に添削していただきました。

講座はどのような⽅たちが受講されていましたか?

私が受講したときは21人の方 が一緒でした。病院や施設などで働いているけれど新しいことにチャレンジしてみたいという方や、看護以外のスキルも身につけたいという方。子育て中で勤務時間を減らしているため、自宅でできることを増やしたいという方もいらっしゃいました。ほかには、既にブロガーとして活躍されていて、発信力をより高めたいという方もいらっしゃいましたね。

看護師ライター宮地 朋子さん

わかりやすい文章に向けて、試行錯誤する日々

現在のライターとしての活動について教えてください。

現在は、ナースライフバランス研究室のオウンドメディアにて記事を執筆中です。看護師としての本業があるので、取材や執筆活動は主に休日です。人に話を聞くと刺激を受けることが多いので、インタビュー記事を中心に書いていきたいと思っています。でも、取材自体はまだ2件しか担当したことがないんですけどね(笑)。
どちらの取材でも非常に感銘を受けたことを覚えています。フリーランスの看護師として活躍されている方がおっしゃっていた「好奇心に従ってやってみたら大抵のことは大丈夫だから、皆さんにもいろんなチャレンジをしてほしい」という言葉。そして、特定行為研修を修了された方の「頑張って苦労したからこそ見える景色があるので、それを目指してぜひ頑張ってほしい」という言葉には、私自身も後押しされました。もちろんご苦労はあったと思いますが、取材時のご本人の言葉は本音だと思います。これらの記事を読んだ人が、私と同じような気持ちになってくれたらうれしいなと思いました。

新たな挑戦ということで、苦労もあるのではないかと思います。

表に出すものとして恥じない文章を書くこと、そして表現豊かな文章を書くことには苦労しています。看護師が発信する情報ということで、医学的な根拠がより正確に求められるため、その点にプレッシャーを感じることもあります。また、医学書などを読んでいると、難しくて読む手が止まってしまうことがありますよね。そんな文章ではなく、専門的な知識をしっかりと伝えながらも、すっと読める記事を書けるようになることが目標です。自分にとって読みやすくても、他者にはまだまだ読みづらさがあると思うので精進あるのみです。

本業もあって両立が大変そうですが、ライターを続けられる理由は?

私には看護師という本業があるので、ライターとして生計を立てられなくても 大丈夫という安心感があるのは大きいかもしれません。だから、ライター業については新しい挑戦だと思って、楽しむことを大事にしています。せっかくの休日に書いているので、楽しむのが一番! 読みやすい文章を書く大変さもありますが、今こうやってライターとして仕事がいただけて、記事が公開されたときは素直にうれしいです。

看護師ライター宮地 朋子さん

次のページ:ライター業がきっかけで広報にも挑戦!

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私の仕事の必需品

(写真左)学習に活用した本
「『看護現場で役立つ文章の書き方・磨き方』という本は、学会発表に向けて勉強するために購入しました。看護記録の書き方はもちろん、学会発表や一般の方向けの講演会での文章の書き方までが幅広く掲載されていて、非常に役立つ本だと思います。『聞く力』は、インタビューの仕方について阿川さんが語っている本で、自分の取材時の参考にしています」(宮地さん)

(写真右)アロマグッズ
「仕事柄、香水などは付けられないのですが、寝る前にアロマを焚いて気分転換しています。また、休日にライター業をしていることもあり、よい香りに囲まれて、贅沢な時間を過ごしているんだと言い聞かせながら記事を必死に書いています(笑)」(宮地さん)

◆学習に活用した本◆
『看護現場で役立つ文章の書き方・磨き方-論理的に伝える技法』
著:因京子 出版:日本看護協会出版会
『聞く力-心をひらく35のヒント』
著:阿川佐和子 出版: 文藝春秋

取得方法・お問い合わせ

「看護師×ライター講座」
講座主催団体名:
ナースライフバランス研究室
ホームページ:https://nurselab.net/home/

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