足の爪が分厚い、足の爪の伸びすぎといった足に関するトラブルは、患者さんや利用者さんの歩行や姿勢に悪影響を及ぼします。実際、高齢者に多い開帳足や爪のトラブルの放置は転倒リスクにつながる恐れもあり、日ごろからのケアが大切であることを物語っています。
そこで力を入れたいのが、看護・介護従事者による正しいフットケアです。今回はフットケアの推進に力を入れている、元看護師であり、“子どもと大人の足靴コンサルタント”として活躍されている木嶋千枝先生に、今日から始められるフットケアを伝授していただきました。
高齢者の足のトラブルから起こる危険性についてはこちら
足の清潔や健康を保とう! フットケアで揃えておきたい道具
他人の爪を切ったり、角質取りをした経験のない看護師さん、介護士さんに、「患者さんや利用者さんへのフットケア」というと身構えてしまうかもしれません。ですが、驚くほど手順は簡単! 道具も100円ショップなどを活用しながら身近なところで揃えられるため、気軽に始められるのもメリットです。
1. 洗う(シャボンラッピング)
<左>●ゴムバンド(ポリ袋を留める) ●ポリ袋 ●ペットボトル(ふたに穴を開けるとシャワーのように使える) ●フローリングシート(新聞などでも) ●ソープ <右上>●泡立てボール(ポリ袋の中に入れて泡立てる) <右下>●手袋 ●エプロン <写真外>●タオル ※すべて木嶋先生の私物(他写真も同様)
2. 爪を切る
<左>●消毒用セット <中央上>●やすり(長さ約17cm) <右上>●ゾンデ ●ストローゾンデ(先端を斜めにカットしたストロー) <中央下>●爪切り(刃先がストレートもしくは凸型のタイプ) ●ニッパー(刃先がストレートなタイプ) <右下>●折り畳み椅子(足台として)
3. 角質を取る
●レデューサー
4. クリームやオイルで保湿する
●オイル ●クリーム
◆道具選びのポイント◆
足の爪の状態は、まっすぐ切って端だけ少しやすりをかけるスクエアオフが理想形。そのため足用爪切りは、刃先がカーブしていないストレートもしくは凸型がおすすめです。ニッパーも刃先がストレートなタイプを選びましょう。
爪と皮膚の境目を確認するために使用するのが、ゾンデという道具です。爪と皮膚の離れ具合をゾンデを使って確認したあとに爪を切ると、切り過ぎや不意の出血を防ぐことができます。最初のうちは、ストローでつくったストローゾンデを使うのもよいでしょう。必要以上に爪に負荷がかからないところがメリットです。
タイトな時間の中で効率よく爪を整えるのであれば、やすりは爪切りに付属しているものではなく、やすり単体のものをご用意ください。粗い面と細かい面の両方あると便利です。長さが17cmくらいあるとしっかり握りやすく、安定させてやすりがけできます。
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