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2024/7

いつまでも元気に歩き続けてもらうために。今日から始められるフットケアの方法

いつまでも元気に歩き続けてもらうために。今日から始められるフットケアの方法

足の爪が分厚い、足の爪の伸びすぎといった足に関するトラブルは、患者さんや利用者さんの歩行や姿勢に悪影響を及ぼします。実際、高齢者に多い開帳足や爪のトラブルの放置は転倒リスクにつながる恐れもあり、日ごろからのケアが大切であることを物語っています。
そこで力を入れたいのが、看護・介護従事者による正しいフットケアです。今回はフットケアの推進に力を入れている、元看護師であり、“子どもと大人の足靴コンサルタント”として活躍されている木嶋千枝先生に、今日から始められるフットケアを伝授していただきました。

高齢者の足のトラブルから起こる危険性についてはこちら

足の清潔や健康を保とう! フットケアで揃えておきたい道具

他人の爪を切ったり、角質取りをした経験のない看護師さん、介護士さんに、「患者さんや利用者さんへのフットケア」というと身構えてしまうかもしれません。ですが、驚くほど手順は簡単! 道具も100円ショップなどを活用しながら身近なところで揃えられるため、気軽に始められるのもメリットです。

1. 洗う(シャボンラッピング)

いつまでも元気に歩き続けてもらうために。今日から始められるフットケアの方法 <左>●ゴムバンド(ポリ袋を留める) ●ポリ袋 ●ペットボトル(ふたに穴を開けるとシャワーのように使える) ●フローリングシート(新聞などでも) ●ソープ <右上>●泡立てボール(ポリ袋の中に入れて泡立てる) <右下>●手袋 ●エプロン <写真外>●タオル ※すべて木嶋先生の私物(他写真も同様)

2. 爪を切る

いつまでも元気に歩き続けてもらうために。今日から始められるフットケアの方法 <左>●消毒用セット <中央上>●やすり(長さ約17cm) <右上>●ゾンデ ●ストローゾンデ(先端を斜めにカットしたストロー) <中央下>●爪切り(刃先がストレートもしくは凸型のタイプ) ●ニッパー(刃先がストレートなタイプ) <右下>●折り畳み椅子(足台として)

3. 角質を取る

いつまでも元気に歩き続けてもらうために。今日から始められるフットケアの方法 ●レデューサー

4. クリームやオイルで保湿する

いつまでも元気に歩き続けてもらうために。今日から始められるフットケアの方法 ●オイル ●クリーム 

道具選びのポイント
足の爪の状態は、まっすぐ切って端だけ少しやすりをかけるスクエアオフが理想形。そのため足用爪切りは、刃先がカーブしていないストレートもしくは凸型がおすすめです。ニッパーも刃先がストレートなタイプを選びましょう。
爪と皮膚の境目を確認するために使用するのが、ゾンデという道具です。爪と皮膚の離れ具合をゾンデを使って確認したあとに爪を切ると、切り過ぎや不意の出血を防ぐことができます。最初のうちは、ストローでつくったストローゾンデを使うのもよいでしょう。必要以上に爪に負荷がかからないところがメリットです。
タイトな時間の中で効率よく爪を整えるのであれば、やすりは爪切りに付属しているものではなく、やすり単体のものをご用意ください。粗い面と細かい面の両方あると便利です。長さが17cmくらいあるとしっかり握りやすく、安定させてやすりがけできます。

次のページ:たったの4ステップ! 「シャボンラッピング」を使ったお手軽フットケア

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ご存じですか? 足について遊びながら学べる「足人(あしんちゅ)かるた」

木嶋先生がお住まいの群馬県には、「上毛かるた」を始めとした“かるた文化”が根付いています。

フットケアに取り組む医療従事者が集って2019年秋に結成されたぐんま足人の会では、「かるた」のクラウドファンディングにチャレンジして大成功を収めたそうです。
そして完成したのが、医療従事者の専門性が生かされた、足について遊びながら学べる「足人(あしんちゅ)かるた」。ぜひお手に取ってみませんか?


詳しくは「足人かるた」の紹介サイトをご覧ください!




<写真上>足人かるたのパッケージ。

<写真中央>絵札と読み札。読み札の裏に写真左側のような解説があります。

<写真左>学会の地方会でブース出展した際の様子。


木嶋千枝さん
足育実践フォーラムAbeby代表、群馬大学臨床教授
群馬大学病院・済生会前橋病院・伊勢崎市民病院に勤務し、2011年群馬大学博士前期課程(保健学)修了。2012年に日本看護協会慢性疾患看護専門看護師資格を取得。子どもと大人の足や靴を通した健康支援や啓発を提供するためにAbebyを起業し、2022年から群馬県渋川市で足育実践フォーラムAbeby(サロン)を開業、高齢者施設のフットケア委託も請け負う。その傍ら、群馬大学臨床教授、高崎市医師会看護学校非常勤講師を兼務する。
足育実践フォーラムAbeby

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