手から手へ伝わる温もりが、身体だけでなく心にも癒しをもたらすハンドケア。介護福祉士として働きながらハンドケアセラピストの認定資格を取得した相坂清美さんも、資格を生かして活躍する一人。ハンドケアの講師としての活動状況や、イベントや地域の施設など幅広い場所でケアをされている様子について詳しくお聞きしました。
資格のチカラ
2025/3
肘下から指先までハンドケアオイルなどを使いながらマッサージするハンドケア。ハンドケアセラピストは、その技術を習得したことを認定する資格です。
資格取得年月(講師認定):
2016年11月
(ハンドケアセラピストインストラクター)
2019年6月
(ハンドケアマイスターインストラクター)
介護福祉士
ソフィア フィトセラピーカレッジ 講師
手から手へ伝わる温もりが、身体だけでなく心にも癒しをもたらすハンドケア。介護福祉士として働きながらハンドケアセラピストの認定資格を取得した相坂清美さんも、資格を生かして活躍する一人。ハンドケアの講師としての活動状況や、イベントや地域の施設など幅広い場所でケアをされている様子について詳しくお聞きしました。
INDEX
ハンドケアセラピストの資格を取得したきっかけ
ソフィア フィトセラピーカレッジを選んだ理由
ソフィアのハンドケア講座で学べること
印象に残ったハンドケアの学び
まずは、相坂さんのご経歴を教えてください。
ホームヘルパー、看護助手を経験したあと、介護福祉士に転職しました。病院の介護病棟に勤め、認知症患者さまを中心に、おむつ交換、移乗・移動介助、入浴介助、食事介助などの業務にあたっていました。介護病棟で働いて約11年が経ったころ、知人から障がい福祉の人手が足りていないことを聞き、障がい者支援の道へ。現在は躁鬱(そううつ)などの心の病気や障がいのある方のお宅へ行き、居宅での支援や移動支援、同行援護などの介護をしています。
どのような経緯でハンドケアの認定資格を取得されたのでしょうか。
ハンドケアを知ったのは、介護病棟で働き始めて4年が経ったころ。同僚が京都市主催のハンドケア講座に参加し、そこで受けたハンドマッサージがとても気持ちよかったと話していたんです。仕事にも慣れてきて、新しいことを始めたいと考えていたタイミングだったので、すぐに興味をもちました。手は介助する時に触れることも多いので、気軽に実践できそうなところも魅力でした。
さまざまな団体がハンドケアの認定資格を用意していますが、なぜソフィア フィトセラピーカレッジを選ばれたのでしょうか。
ソフィア フィトセラピーカレッジ(以下、ソフィア)はフィトセラピー(植物療法)の学校でもあるので、ハンドケアに使うオイルも自然派で低刺激。ハーブティーとして飲むこともできる安全性の高いハーブを使用し、その成分を丁寧に抽出したオイル(ハーブ浸出油)を使用します。私がハンドケアをするなら高齢の患者さまが中心になると思ったので、ソフィアの身体にやさしいハンドケアがぴったりだと思いました。
また、ソフィアのハンドケア技術は、愛情ホルモンともいわれるオキシトシン分泌や皮膚にあるリラックス作用を促す神経線維を活性化するなどのエビデンスがあり、信頼できる技術なのです。
ソフィアオリジナルブレンドのハンドケアオイル(中央)。植物油にハーブを漬け込み、ハーブの脂溶性成分を抽出している。天然由来のため安全性が高く、香りもやさしい
講座ではハンドケアのどんなことを学ぶのでしょうか。
ソフィアでは5つのハンドケア関連の講座を受けることができ、初めて学ぶ人が受ける講座が「ハンドケアセラピスト認定講座」です。自分、家族、友人など身近な人に行うハンドケアのスキルを習得できます。次のステップが、高齢者や介護が必要な方、手にトラブルを抱えている方へのハンドケアの技法を学ぶ「ハンドケアマイスター認定講座」。さらに、認知症予防や認知症ケアとしてのハンドケアの技法を学ぶ「認知症予防ハンドケアアドバイザー認定講座」もあります。これらの上位資格として、ハンドケアセラピストを育成することができるインストラクター認定講座がそれぞれ用意されています。
ソフィア フィトセラピーカレッジのハンドケア講座は、それぞれの講座およびコースを修了することで、(一社)日本フィトセラピー協会認定および(一社)日本ハンドケア協会の各種認定を取得することができます。
最終的には5つの認定資格を取られたそうですね。
病院には皮膚疾患や麻痺、拘縮がある方も多くいらっしゃいます。そうしたトラブルをもつ方へのケア方法を学ぶために、ハンドケアマイスターの取得は必須だと思いました。ですが、インストラクター認定までは当初、取るつもりはありませんでした。
ところが、手と手の触れあいや、相手の気持ちよさそうな笑顔をいただけるということの心地よさを知ってもらいたい、そんな喜びをセラピストさんに味わってほしいと思い、ハンドケアセラピストインストラクターとハンドケアマイスターインストラクターの認定も受けました。
認知症予防ハンドケアアドバイザーを受講したのは、ハンドケアセラピストインストラクターを取得した約2年後でしたが、認知症に精通した先生が教えてくださると知りタイミングよく受講できました。
初めてハンドケアについて学んだ時は、どんな印象をもちましたか。
「ハンドケアセラピスト認定講座」は1日で修了する講座です。午前中は、ハンドケアの基礎知識、手や皮膚、自律神経の解剖生理学、心理作用などの授業を座学で受けます。午後は、他の受講生と一緒にハンドケアの手技を実践形式で先生方からじっくりと学びます。
正直、受講する前は「丸1日かかるのか~」と思ったりもしたんです(笑)。でも、いざ行ってみたら和気あいあいとした雰囲気で楽しく、受講生同士で行うマッサージも気持ちよくて1日があっという間に過ぎました。先生方は「教える」というよりは、やわらかく温かな雰囲気で包みこんでくれるような感じでしたね。何より先生方を見て「人ってこんなにやさしい顔できるんや」とびっくりして、自分もこうなりたいと思いました。
特に印象に残っている学びはありますか?
“触る(さわる)”と“触れる(ふれる)”の違いについて教わりました。“触る”は物を触る時のような、少し力のこもった感じです。対して“触れる”は心を込めて、包むようにやさしくすくいあげる感じ。急に“触って”しまうと相手もビクッとしてしまうので、ハンドケアでは“触れる”ことで安心してもらえるようにします。先生の「お姫さまの手を取るように」という説明がわかりやすくて、今でも覚えています。
書店にテキストが売られていたり、動画サイトがあったり、今は独学でもハンドケアを習得できます。でも心地よい触れ方や圧の強さは、実際に体感してみないとわかりません。それこそ“触る”と“触れる”の違いも、実際にみんなで試してみることでようやく理解できるはずです。
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「ハンドケアをきっかけにフィトセラピーを知り、ハーブにも興味をもつように。ハーブティーソムリエや薬膳ハーブ酒ソムリエJr.の認定資格も取得しました! 自分で育てたハーブを使ったハーブティー(真ん中)やマスクスプレー(右)で癒されています」(相坂さん)
認定協会: | 一般社団法人 日本フィトセラピー協会、一般社団法人 日本ハンドケア協会 |
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認定種類: | ハンドケアセラピスト認定、ハンドケアマイスター認定、ハンドケアインストラクター認定、ハンドケアマイスターインストラクター認定、認知症予防ハンドケアアドバイザー認定、認知症予防ハンドケアセラピスト認定 |
認定条件: | 誰でも講座受講が可能1日で修了できる講座と、一定期間の講座受講が必要なコースが用意されています。くわしくはこちらをご確認ください。 |
ホームページ: | https://sophia-college.jp/ |
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