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2026/11

【レポート】「国際福祉機器展」から、高齢者の孤独とケアに関するセミナーを紹介!

【レポート】「国際福祉機器展」から、高齢者の孤独とケアに関するセミナーを紹介!

2026年10月7日(水) から9日(金)までの3日間、東京ビックサイトにて「H.C.R.2026 第53回国際福祉機器展&フォーラム」が開催されました。本イベントは、福祉業界を支える最新の機器やロボットなどの商品が集まり、新しい福祉の可能性を提示することを目的としています。

本記事では、“高齢者ケア”をテーマに印象的だったセミナーをピックアップしてご紹介! 7日に実施された「高齢者の孤独・孤立対策 つながりのある社会への処方箋」と「今考える“ユマニチュード”の本質と認知症ケア」についてレポートします。

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高齢化・一人化が進む時代に求められるコミュニティづくり

「高齢者の孤独・孤立対策 つながりのある社会への処方箋」では早稲田大学 文学学術院教授の石田光規氏が登壇しました。「孤独」は主観的に人との関わりが物足りない状態、「孤立」は客観的に人とのつながりがない状態のことを指すといいます。石田氏は、現在の日本社会について、結婚しないことも当たり前の選択肢の一つになったことで単身世帯が増加していると説明。動画配信サービスやAIも普及し、問題なく一人で生きていけるようなシステムが整う一方で、孤立死や精神疾患などの問題も増えていると述べました。
「一人化が進み、人と関わらなくても生きていける社会で、どうつながりをデザインしていくかを考えていかなければいけません」(石田氏)


▲「急な参加や不参加がしやすいコミュニティであることも大切」と語る石田氏

これから高齢化・一人化がより増えていく中で必要なのは、少しでも足を運びたいと思うコミュニティをつくること。そのためには、家から近いことや行きたいときに開いているという物理的なアクセスのよさと、自分はここにいてもよいのだという心理的アクセスのよさの二つが重要です。さらに、食事のついでなど、目的に付随してコミュニケーションが図れるような場だとなおよいと石田氏は語りました。

生き方の選択肢が増えたことで、高齢化や孤立は今後の日本を考えるうえで切り離せない問題ですね。個人の権利の尊重として、一人で生きるのが幸せだという方を強制的にコミュニティに属させるというのは防ぎたいけれど、一方で孤立による課題を防ぎたいというジレンマには私も深く考えさせられました。孤立している方が進んで参加したいと思える機会や環境をつくっていくことが今後の課題ですね。


▲会場では、うなずいたりメモをとるなどの様子がみられました

“個”に寄り添う認知症ケア ユマニチュード

続いて、「今考える“ユマニチュード”の本質と認知症ケア」では、日本ユマニチュード学会代表理事の本田美和子氏と共に、ユマニチュードの開発者であるイヴ・ジネスト氏が急遽登壇することに。ユマニチュードとは、フランスの体育学者であるイヴ・ジネスト氏とロゼット・マレスコッティ氏により開発された、相手の尊厳を守るコミュニケーション中心のケア技法のこと。

セミナーでは、イヴ氏のケアの活動を取り上げた映像がいくつか紹介されました。肺炎をきっかけに認知症が悪化し、寝たきりになる一歩手前の方がケアを通じて歩き出す様子や、身体拘束が必要なほどケアが難しい状況にあった方がイヴ氏との対話を始めて10-20分ほどで穏やかな表情で話す様子。奇跡のようだけれど、技術を習得すれば誰にでもできることだとイヴ氏は語ります。


▲イヴ・ジネスト氏は本田美和子氏から依頼を受け、このセミナーのために急遽来日!

▲参加者の中には、イヴ氏のケアを受けて人生が変わった方々の様子を見て涙を流す方も

ユマニチュードで重要なのは「見る・話す・触れる・立つ」の四つの柱。この柱を用いたコミュニケーションで、ケアを受けた方が本来のその人らしさを取り戻すことができます。
「ケアで関わった方々は、大切なのは愛情と、それによってもたらされる平和だと教えてくれました。愛情と優しさをもっているだけではなく、届けるための技術が必要なのです」とイヴ氏が正しいケアの方法を学ぶ意義を語り、セミナーは幕を閉じました。

水分を摂らない患者さんに対して、イヴ氏がコーラを用いて行ったケアが印象的でした。日本人特有の「乾杯をしたら飲み物に口をつけなければならない」という文化を利用して10回乾杯を繰り返したそうです。結果、一本のコーラを飲み干すことができたのだとか。心だけではなく、文化的な側面にも寄り添うことが大切なのですね。


▲セミナー中も、参加者と目を合わせながら語りかけるイヴ氏

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イベント名H.C.R.2026 第53回国際福祉機器展&フォーラム
イベント概要最新の福祉機器や介護ロボット、支援技術など、福祉の現場を支えるさまざまな製品やサービスが一堂に集まり、新しい福祉の可能性に出会える展示会&フォーラム。
展示会テーマクリエイティブな未来を拓く
開催日2026年10月7日(水)・8日(木)・9日(金)
場所東京ビッグサイト 東展示ホール
公式HPhttps://hcr.or.jp/

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