おしえて、先輩! 看護師のためのマネー&キャリア相談室#02「人間関係の悩み&傷病手当金」
2024/11/19
みんなの広場
2022/11
自宅から車で70分ほどの実家に、週に3日ほど滞在しています。両親の介護のために。
父は、今年の春に車の運転をしなくなると同時にフレイルが生じはじめ、現在は要介護1。年を重ねて偏屈さがぐっと増しました。そんな彼と喧嘩したまま実家をあとにするために、その後“もやっ”とした気分が続くことがあり、私はそれを持てあまし気味でした。
そんなある日、実家へと向かうカーラジオからOfficial髭男dismの「subtitle」が。曲中の「手のひらが熱い人は心が冷たいの?」といった意のフレーズを耳にし、悩んで同じようなことを問うた子供の頃の私に「まさか!」と即答した父に救われたことを思い出しました。
ふと思い立って途中で買った鯛焼きの包みは、両親に渡す頃には手のひらのぬくもりほどの温度になっていました。
この滞在を終えて実家をあとにする際、私は意を決して「じゃ、またね」と言いながら、熱をみるような手つきで、父の額に手のひらをぺたりと当てました。すると父は「熱はないよ」と言うと「むふっ」と笑顔に。その後、父は、私が帰る挨拶をはじめると額をすっと私に向けるようになりました。「熱はないよ」と言いながら。その額に手のひらをぺたり。父は「むふっ」。毎回やっています。やはり、タッチングの威力はすごかった。父とのことで“もやっ”とすることがかなり減りました。
ところで「手の冷たい人は心が温かい」という慣用句は、イギリスなどで握手の際に手が冷たいことを気にしないように発する思いやりの言葉に由来しているようです。
著者 /小林 光恵さん | 元看護師。著述業。つくば市在住。 エンゼルメイク研究会代表、ケアリング美容研究会共同代表。 看護師、編集者を経て、1991年より本格的に執筆業を中心に活動。『おたんこナース』『ナースマン』など。2023年出版を目標に、ナイチンゲールの子孫が主人公の小説を鋭意執筆中。 <多数のメディアで連載中!> ●小説 『令和のナースマン』 (月刊ナーシング 株式会社Gakken) ●エッセイとイラスト 「アンチヘブリンガン」 (月刊ナーシング 株式会社Gakken) ●コラム 小林光恵の「ほのぼのティータイム」 (Aナーシング 日経メディカル) ●コラム 「ついついやってしまいがちなエンゼルケア」 (Will Friends 日本看護学校協議会共済会) ●ドクターズコラム (健達ねっと メディカル・ケア・サービス) など |
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