みんなの広場

2022/12

小林光恵さんの おやすみコラム #002「言いそびれ屋さん」

小林光恵さんの おやすみコラム #002「言いそびれ屋さん」

数年前、友人Aのご主人が急に入院の運びとなり3か月ほどで他界しました。

 ほどなくしてAに会ったとき、彼女曰く、
「病院の看護師さんたちには本当によくしてもらって、でも御礼を言いそびれたまま帰ってきてしまって、それが心残りで」。

それを受け私の頭の片隅でひとつの問いが発生。
<御礼の言葉って言いそびれやすいのだろうか>
言いそびれ屋さんの私は、過去の言いそびれ経験を振り返ってみましたが、御礼の言いそびれエピソードは思い出せず、首を傾げました。

その後のある日、車の列に私の車を入れてもらったあと、御礼の意のハザードランプ点滅を忘れたのを残念がっているとき、次のような考えが。
<そうか、御礼の言いそびれは、ほかの言いそびれより、心に深く残りやすいのかも。その経験があり、人は後悔しないように心がけ、御礼の言いそびれ頻度は一般に低いのではないかしら。ということは、Aのはレアケース?>

 先日、Aと電話で話す機会があり、改めて例の件を確認すると、
「私、そんなこと言った? うーん、それ、言い間違いかも。御礼を言い足りなかったって言いたかったのかも」
きっと、そう。私も、お世話になっている看護・介護関係の方とメールでやりとりするとき、どうしても何度も御礼の言葉を書いてしまい、それでも言い足りない感覚になるのですから。

 

人は一生のうちに、何回くらい御礼の言葉を言いそびれるのでしょうね。もちろん、個人差があるでしょうけれど。

著者 /小林 光恵さん
元看護師。著述業。つくば市在住。
エンゼルメイク研究会代表、ケアリング美容研究会共同代表。

看護師、編集者を経て、1991年より本格的に執筆業を中心に活動。「おたんこナース」「ナースマン」など。2023年出版を目標に、ナイチンゲールの子孫が主人公の小説を鋭意執筆中。

<多数のメディアで連載中!>
●小説 「令和のナースマン」
(月刊ナーシング 株式会社Gakken)
●エッセイとイラスト 「アンチヘブリンガン」
(月刊ナーシング 株式会社Gakken)
●コラム 小林光恵の「ほのぼのティータイム」
(Aナーシング 日経メディカル)
●コラム 「ついついやってしまいがちなエンゼルケア」
(Will Friends 日本看護学校協議会共済会)
●ドクターズコラム
(健達ねっと メディカル・ケア・サービス)
など

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