11年間身体抑制ゼロ! 石巻健育会病院は患者さんの“もてる力”を引き出す看護が「最高です!」
ワクワク病院賞を受賞したのは、患者さんの尊厳を重視した取り組みとインパクト抜群の福利厚生の発表が際立った石巻健育会病院です。
鮮やかなピンクのユニフォームと鈴のついたうちわで、会場をパッと華やげてくれました
北海道から静岡までの広い地域に医療を提供している健育会グループ。石巻健育会病院は、多くの病院が目指したいアレの「ゼロ!」を実現している病院です。その「ゼロ!」とは……?
患者さんの身体抑制ゼロをなんと11年間も実現しているんだそうです! すごい実績ですよね。看護部独自に作成した「つなぐノート」を活用しアドバンス・ケア・プランニング(将来の医療及びケアについて、患者本人を主体とした意思決定の支援)に取り組むことで、ゼロ記録を毎年更新しているのだそうです。身体抑制は看護師さんの大きな悩みのひとつ。患者さんにとっても、看護師さんにとってもうれしい取り組みですよね。
結婚祝い金30万円、出産祝い金50万円、理事長のおごり自販機など、インパクト抜群の福利厚生も印象的でしたね。「健育会病院、最高です!」と笑顔で発表する看護師さんの姿がとっても素敵で、スタッフ同士の仲のよさが伝わってきました。
「最高です!」と石巻健育会病院の皆さん
編集部が注目! チームで業務の見直しや企画提案を行う三重ハートセンター
最後に、惜しくも受賞は逃したものの、チームでの取り組みが魅力的だった三重ハートセンターをご紹介します。
観覧席からは、プレゼンターを応援するスタッフの皆さんからの声が!
三重ハートセンターでは、意欲のあるスタッフが立候補して結成されたチームでさまざまな活動を行っているのだそうです。業務効率化チームでは毎月現場から意見を集めて業務改善に取り組み、イベントチームでは地域とのつながりを大切に病院の魅力を発信しています。
チームの一員という一人ひとりの意識が高まることで、業務の効率化につながっていることが伝わるプレゼンテーションでした。常に現場の声を大切にするという姿勢からは、より働きやすい環境にしたいという強い思いが伝わってきました!
大規模な設備投資や人員増加は難しいという中で、病院全体で工夫しながら、ボトムアップで効率化を図っているところが三重ハートセンターの強みに感じました。
さらなる広がりを見せた看護現場のDX化
今回のアワードでは、看護の現場のDX化に積極的に取り組んでいる病院が多く見られたことも印象的でした。大賞とベストプレゼン賞を受賞した済生会横浜市東部病院では、離床センサー内臓ベッドを導入し、患者さんの身体抑制に対する看護師のストレスの軽減につながったという発表もありました。情報や予定を共有できるコミュニケーションツールも活用中なのだそうです。
その他にも、石巻健育会病院は退院サマリーを5分で作成できる生成AIを導入。岐阜市民病院は、電子カルテにバイタルサインが連動するベッドサイド情報入力端末を活用しています。看護のDX化によって、これまで以上に働きやすい環境を実現できているようです。
DX化で働く人の負担軽減に取り組む済生会横浜市東部病院
AIを活用して「退院サマリーの作成が5分で完了!」に取り組む岐阜市民病院
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