みんなの広場

2025/8

小林光恵さんの おやすみコラム #034「口の役割、5番目の」

小林光恵さんの おやすみコラム #034「口の役割、5番目の」

3人の友達に、以下のメッセージをメールで送りました。
<質問です。人間の口の役割として、あなたが5番目に思い浮かべることは何でしょうか。なんとなく訊きたくなりました>
以下、3人からの返信です。
Aさん<氷片を含む、かなあ。上位の役割の「飲食」の中に入ると思うけど、飲み込みが難しくなった看取り期の方にとって、特別な行為のように思う。私、その方たちが、口に含むのにちょうどいい大きさや形など、こだわりの氷片が作れるという自負がある。詳しい作り方が必要なら書くので言ってくださいね>
Aさんは、緩和ケア病棟に勤務中のナースです。独自の視点で、工夫したり検討したりしながら、前向きに仕事に取り組む彼女らしいコメントです。
Bさん<あるおしゃれな高齢女性の方なら「口はルージュをひくためにあるのよ」とかいいそうだし、高齢男性のある方にとっては「口笛をふくための口」(ご機嫌だと、上を向いて歩こう、をステキに吹いてくれた)だった気がするし、そういえばハーモニカをすばやく横にずらして吹いて見せてくれた高齢男性も思い出す>
彼女は、看護師をベース職とした居宅ケアマネさん。学生時代にブラスバンド部でフルートを吹いていたらしい。
Cさん<5番目の役割なら、褒めるために口がある、でどうだろうか。ちょっとずれた回答かな。回答が足りないなら、ほかの何人かにも聞いてみるから言ってください>
今年、病院勤務を定年退職したナースです。

驚いたのは、3人とも「こんな質問を送ってくるのは、このところパートで食事介助を繰り返しやっていて、飲食の役割以外を聞いてみたくなったんでしょ」といった内容の追記があったこと。
そのとおり。まるっとお見通し、というやつだったようです。夏バテだの睡眠不足だのでトーンダウンしている時、私は周囲になんとなくの質問をしている気がします。

 

著者/小林 光恵さん
元看護師。著述業。つくば市在住。
エンゼルメイク研究会代表、ケアリング美容研究会共同代表。

看護師、編集者を経て、1991年より本格的に執筆業を中心に活動。『おたんこナース』『ナースマン』など。

<新刊情報>
ナイチンゲールの子孫が主人公の小説
『ナイチンゲール7世』(イースト・プレス)が発売中!

<多数のメディアで連載中!>
●小説 『令和のナースマン』
(月刊ナーシングキャンバス 株式会社Gakken)
●エッセイとイラスト 「アンチヘブリンガン」
(月刊ナーシング 株式会社Gakken)
●コラム 小林光恵の「ほのぼのティータイム」
(Aナーシング 日経メディカル)
●コラム 「ついついやってしまいがちなエンゼルケア」
(Will Friends 日本看護学校協議会共済会)
●ドクターズコラム
(健達ねっと メディカル・ケア・サービス)
など

Key wordsキーワード

SNSでシェアする