みんなの広場

2026/1

小林光恵さんの おやすみコラム #039「足浴、好きですか?」

小林光恵さんの おやすみコラム #039「足浴、好きですか?」

『みんなの広場』内に掲載している「看護師の意識・実態調査」のアンケート結果で、「好きな看護技術」の4番目に「足浴」が入っており私は大きく頷きました。入浴より負担が少なく、ケア作業としても比較的容易に行える上に大きな「快」をもたらす足浴。温熱効果だけでなく洗うことも大きな「快」の要因だと私は考えています。

草鞋や下駄で外を歩くのが一般的だった江戸時代のドラマや映画で、帰宅した人が家にあがる前、家族に足を洗ってもらう場面を目にすることがあります。ある映画では、旅から戻った男性が黙って足を委ね、洗うほうも無言ながら労う気持ちを込めているように見え、そのシーンに尊さを感じると同時に患者さんに足浴をした記憶がわーっと蘇ったことがありました。
皮膚の有毛部と無毛部とでは、触覚受容(数種の受容器がある)の分布に違いがあり、無毛部には、たとえば、接触したもののエッジの鋭さ、点字のようなわずかな盛り上がりなどの検出に優れたマイスナー小体という触覚受容器がたくさん分布しています。無毛部である足底部は、踏んだものや触れたものの危険の有無をジャッジするなどの能力に優れているわけですね。
靴やサンダルなどを履いて出かける現代でも、足は運動機能だけでなく触覚受容器もフル稼働しながらあちこちを歩き立つなどして疲弊しており、その足を洗うという行為は、清めるといった感覚も含むリラックス効果があるのではないでしょうか。

パート先の介護施設で入浴介助を行うとき、自身では足先に手が届かない高齢者の足を「お疲れさまです」と心で話しかけながら、足裏、足指の間などをていねいに洗っています。襷をかけた着物姿になっているような気分になりながら。

著者/小林 光恵さん
元看護師。著述業。つくば市在住。
エンゼルメイク研究会代表、ケアリング美容研究会共同代表。

看護師、編集者を経て、1991年より本格的に執筆業を中心に活動。『おたんこナース』『ナースマン』など。

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●小説『ナイチンゲール7世』
(イースト・プレス)
●小説 『令和のナースマン』
(月刊ナーシングキャンバス 株式会社Gakken)
●エッセイとイラスト 「アンチヘブリンガン」
(月刊ナーシング 株式会社Gakken)
●コラム 小林光恵の「ほのぼのティータイム」
(Aナーシング 日経メディカル)
●コラム 「ついついやってしまいがちなエンゼルケア」
(Will Friends 日本看護学校協議会共済会)
●ドクターズコラム
(健達ねっと メディカル・ケア・サービス)
など

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