資格のチカラ

2023/4

マタニティビクス認定インストラクター

マタニティビクスは、妊婦でも安心して楽しめるトータルフィットネスです。認定インストラクターは、安全確認をしながらマタニティビクスを指導できる資格で、エアロビクス運動、マタニティスロートレーニング、ストレッチ、エクササイズ、リラクセーションの5つのメソッドで妊娠、出産に必要な体力向上をサポートします。

※マタニティビクス®は一般社団 日本マタニティフィットネス協会の登録商標です。

助産師としての独立の転機となった、マタニティビクスとの出会い

資格取得年月:2015年4月
助産師/マタニティビクス・インストラクター

あやなAYANA

マタニティビクス認定インストラクターは、助産師・看護師などの医療資格者やフィットネスインストラクターなどそれぞれのバックグラウンドを生かして、妊娠・出産・産後・更年期の女性の健康をサポートしています。病院の産科や不妊治療・小児訪問看護クリニックでの勤務経験を生かし、独立して現在個人の助産師としてマタニティビクスの普及にあたるAYANAさんに、資格取得の経緯や今後の展望についてお聞きしました。

職場の先輩からのすすめで資格取得にチャレンジ

AYANAさんが資格を取ろうと思ったきっかけを教えてください。

マタニティビクスを初めて知ったきっかけは、助産師として勤めていた病院で妊婦さん向けの教室が開かれていたことです。資格のある職員が持ち回りでレッスンを担当していました。入職して3年目のころ、助産師の資格のほかに仕事で役立てられる資格を取りたいと思っていたところ、元々趣味でダンスをやっていたこともあり、先輩からマタニティビクスをすすめられて、その勢いで資格を取ることにしました。それまでも仕事に関連する勉強会に参加したり、アロマテラピーの資格など取ったりしましたが、中でも夢中になったのがマタニティビクスでした。

資格取得に向けてどのような勉強をされたのですか?

この資格は、一般の方でも取得できるものです。資格取得の講習では「妊娠とは?」といった産科や女性生理学に関する基礎知識とエアロビクスのメソッドについて2日間学び、そのうえで実技を4日間学びます。講習修了から試験まで約1ヵ月間あったので、仕事の合間を縫って、学んだことをひたすら反復練習しました。

勉強で大変だったことはありますか?

それまでエアロビクスをやったことがなかったので、独特の動きに慣れるのがまず大変でした。1時間のレッスンプログラムでは、動作を見せながら一つひとつの効果や妊婦さんに向けた注意点を説明しなければなりません。自分一人での復習でそのすべてを覚えきるのは難しかったため、私は講習のクラスメイトや勤務先の受験仲間と一緒に、細かい手の動きなどをお互いに確認し合いながら練習しました。一緒に勉強できる仲間がいたのはとても大きかったです。

結婚・出産を経て、マタニティビクスでの起業を決意

資格はどのように活用されているのでしょうか?

資格を取得後、勤務先の病院でマタニティビクスの講座を持ち回りで担当していました。当初は、業務の一つとして資格を使えればいいくらいに考えていましたが、レッスンをやっていくうちに楽しくなってきて、これで起業したいと思うようになったんです。その後、結婚と出産を経て、3年前に独立し、産前産後や妊活中の方に向けてマタニティビクスやプレマタニティビクスのレッスンをオンラインで始めました。

ご自身の妊娠・出産のご経験も、マタニティビクスで起業するきっかけになったのですか。

そうですね。私は一人目の子どもの出産のとき、トレーニングをあまりせずに臨んだのですが、難産で、産後も歩けないくらいの腰痛に悩まされました。その経験から体づくりの大事さにあらためて気づき、もっとマタニティビクスの情報を広めたいと思うようになったんです。
マタニティビクスは、助産師の方でも知っている人が少なく、エアロビクスのハードなイメージを持たれることが多いのですが、実際は音に合わせて無心に体を動かすだけであっという間に1時間過ぎるくらいに簡単で楽しいものです。すべての妊婦さんにぜひ挑戦してほしいと思い、この活動を始めました。

個人での活動を決意されたのはなぜですか。

助産師として、継続して妊婦の方の生活に関わっていきたいというのが、一番の理由でした。病院に勤めていたころは、月に1回か2ヵ月に1回程度しかマタニティビクスの講座を担当することができず、妊婦健診や外来診察でも業務に追われて患者さんとゆっくりお話しする機会はほとんどありませんでした。
助産師というと、お産を取ることや分娩介助の仕事に重きを置かれていますが、周産期すべてに関わるサポートが助産師の仕事です。マタニティビクスを通して、妊娠期から産後まで妊婦さんの相談に乗ることで、より長いスパンで心と体のサポートができるようになりました。

足のつりの予防や対処に効果的な下腿三頭筋のストレッチ。足がつりやすい妊婦さんにおすすめです

妊婦さんの変化をダイレクトに感じられるのが嬉しい

資格を取ってどんな気づきがありましたか。

これまでマタニティビクスのレッスンを受けてくださった方の中には、体調がよくなる方ばかりではなく、腰痛がなかなか治らなかったり、体の不調が改善しなかったりする方もいました。そのため、私自身もっと妊婦さんの姿勢や歩き方について理解を深めなければいけないと思い、理学療法士や整体師から学ぶ運動療法や解剖学の講座を受講したりしました。それまで当たり前だと思っていた妊婦さんの歩き方も、実は体の筋力不足が影響していることなどを知り、以前より注意を払うようになったのは大きな意味があったと思います。

AYANAさんにとって、マタニティビクス認定インストラクターの魅力とは何でしょう。

助産師として、産科の観点から妊婦さんの生活に寄り添ってアドバイスできることが一番の魅力だと思います。特に、個人での活動になって、一人ひとりの体のクセに合わせて出産時のアドバイスができるようになり、皆さんの変化をよりダイレクトに感じられるようになったのが嬉しいです。

受講した方々から言われて印象的だったことなどありますか?

出産を終えた方々から、「マタニティビクスを通して、妊娠中すごく前向きに過ごすことができた」という言葉をいただくことが多いです。人によって安産の定義は異なりますが、例えば「出産に時間がかかったけど楽しかったです」とか、それぞれのお産に対して皆さんすごくポジティブに捉えているのが印象的です。これは産前産後と継続して関われているからこそ聞けることだと思います。

胸郭範囲をゆっくり伸ばし、ほぐしていくことで体幹の安定につながる。 他にも、マタニティビクスの要素を取り入れたさまざまなストレッチがあります

妊娠期の運動の大切さをもっと広めていきたい

今後、資格を生かして挑戦したいことはありますか?

日本では、妊娠したら安静に過ごすことが推奨されがちで、特に妊娠初期は日常の運動を警戒する人が多いです。しかし、変化する体を支えていくためには適度な運動習慣をもち、筋力と体力を維持することが大事です。このことを妊娠前の方にもっと知ってほしいですし、女性だけでなく男性の方にも、マタニティビクスを体験していただいて、妊婦さんでもこんなに動いていいんだということを知ってほしいです。
いまコロナ禍の影響も残り対面レッスンを中止しているところも多いため、オンラインでの情報発信を通して広くつながっていきたいと思っています。いま、2人目の子どもが生まれて育児が忙しいため、レッスンは一時休止していますが、状況が落ち着いたら、オンラインに加えて対面でもレッスンを再開したいと考えています。

マタニティビクス認定インストラクターの資格取得を考えている方に向けて、メッセージをお願いします。

マタニティビクスは、日頃の体の使い方や効果的なストレッチについて学ぶことができます。レッスンで教える機会がなくても、例えば、母親学級にストレッチを一つ取り入れてみるなど、普段の業務に生かせることがたくさんあります。仕事のバリエーションを広げたいとお考えの方にぜひおすすめしたいです。

※マタニティビクス®は一般社団 日本マタニティフィットネス協会の登録商標です。

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「妊婦の方が気分転換に楽しめるものとして、YouTubeでマタニティフィットネスの要素を取り入れたダンスの紹介をしています」(AYANAさん)
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取得方法・お問い合わせ

資格主催団体名:一般社団法人 日本マタニティフィットネス協会
資格種類:マタニティビクス認定インストラクター
※その他、妊娠・出産・産後をサポートする8つの資格を発行しています。
受験資格:なし。誰でも受験可能です。
ホームページ:マタニティビクス認定インストラクター養成講習会

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