私たちの働き方改革

2023/1

定期的な新卒採用を実現し、離職率はわずか2.8%
充足した人員体制を維持し続ける白扇閣の取り組みとは

定期的な新卒採用を実現し、離職率はわずか2.8%<br>充足した人員体制を維持し続ける白扇閣の取り組みとは

「後進の育成」に取り組むことで得られる職員の自信と新たな人材

久保田

若手の育成で大切にしているのが、「学生時代の学び」を一年目から実践できるようにすることです。当施設の門を叩く学生の中には、介護福祉士などの資格を取得し、学んだ知識を現場で生かしたいという方、伊東のように、人や世の役に立ちたいという高い意識をもった方が多くいます。こうした若手の強い意欲を生かすことが、結果的に利用者サービスの向上にもつながると考えています。ですから白扇閣では、一年目から自身のスキルアップの向上はもちろん、ご利用者の尊厳を守ったケアの実現、地域貢献、社会への発信、後進の育成など、幅広くお任せしています。

中でも、若手に積極的に携わってもらっていることが「地域貢献」や「後進の育成」です。その取り組みの一つとして、地域の小中学校や自身の出身校に出向いてもらい、介護の仕事や施設の話をしてもらっています。

大石

私は母校で開かれた「介護の魅力、発見セミナー」に講師として参加しました。当初は緊張したものの、お世話になった先生方も多く、卒業後の自分を見ていただく貴重な機会でもあり、自身の成長を感じられる経験でした。何より同じ福祉の道を目指す後輩たちと話す楽しさもあり、仕事で母校に関われることは、緊張よりも光栄でうれしい、という思いに尽きます。実際、生徒や学生により近い年齢のほうが、福祉や介護職に対する理解も深まり、共感も得やすいと感じますね。

この機会を通じて、人前で話すことが以前よりも苦ではなくなり、自分から積極的に発言できるようになりました。現在は指導する側となり、実習生の質問や相談に対し、自身の経験を踏まえてアドバイスをしています。彼らの不安に寄り添い支えるという、後進の育成に関われるところにもやりがいを感じています。

伊東

私は、出身大学の就活セミナーに参加し、就職活動に悩む学生の方と直接話す機会をいただきました。そこでは、私が理学部から福祉の道を選んだ理由やいきさつ、介護の仕事の魅力について話をしました。

マイナスのイメージや偏見がいまだ多くある介護・福祉の分野ですが、大変さだけではない、それ以上の楽しさとやりがいがある仕事だと、白扇閣で働き始めて知りました。こうした私の話で、介護職が将来に悩む学生の職業選択肢の一つとなったり、福祉分野以外の学部を卒業した方に福祉の道を目指すきっかけにしてほしい。そんな思いで話をしました。

▲高校で授業を行う白扇閣の介護職員

急な休みが取りやすく、資格取得も目指しやすい職場は長く働ける

久保田

職員に長く仕事を続けてもらうには、気兼ねなく休みを取れる体制が大切だと考えています。私は日頃から職員に自分自身のやりたいことはもちろん、家族や友人など自分の身近な存在を大切にするよう伝えています。働くからには仕事はもちろん、充実したプライベートを送ってほしいですし、やはり福祉を生業にする以上、家庭や地域の福祉もおろそかにすべきではありません。職員一人ひとりやその家族も健康で幸せな状態にあることが、支えとなり仕事の続けやすさにつながると思います。

実際、白扇閣では、ここ4年で8人程の職員が出産の機会に恵まれましたが一人も離職者は出ていません。

大石

現在も4人のお子さんを育てながら資格を取って働く先輩もいらっしゃいますし、多くの職員が当たり前のように産休、育休を取って職場に復帰していますよね。

久保田

コロナ禍ということもあり、家庭の事情や急用で休みを取る職員が一日2~3人いますが、それでも運営上、問題なくまわせています。実際、年次有給休暇の取得日数は、全国平均が7.3日(※2)のところ、白扇閣では10.2日とかなり高い取得日数となっています。人員配置に余裕があることや、若い世代から年配の方まで幅広い世代の職員がいることで、取りたい休日が自然と分散することも休みの取りやすさの一因かもしれません。

伊東

私は、働きながら資格取得を目指し、どんどんスキルアップができるところも白扇閣の大きな魅力の一つだと感じます。介護福祉士国家試験の受験資格の変更に伴い、平成30年4月から実務者研修が施設内で開講されました。資格取得のためのサポートも充実しており、受講費を全額施設が負担してくれるのも助かります。しかも介護福祉士の資格を取得した後は、社会福祉士の資格取得を目指すこともできます。白扇閣で長く働けば働くほど仕事の幅や可能性が広がり、自分がやってみたいことや、将来像がみえることも働く動機につながると思います。

大石

職員それぞれの望む働き方ができるのも、白扇閣で長く働く職員が多いポイントだと感じています。

※2 令和3年度「介護労働実態調査」(介護労働安定センター)
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2022r01_chousa_kekka_gaiyou_0822.pdf

▲施設内の従業員用の休憩室スペース。マッサージチェアの設置や、ソフトクリームやコーヒーを楽しめるなど、従業員がリフレッシュできる工夫を凝らしている

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関連資料
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日本介護福祉士会 倫理綱領

施設名社会福祉法人 清承会 特別養護老人ホーム 白扇閣
住所〒424-0201 静岡県静岡市清水区承元寺町1341番地
事業開始1979年6月7日
事業内容特別養護老人ホーム(定員190名)、ショートステイ(定員20名)、デイサービス(定員30名)、ホームヘルプサービス、居宅介護支援事業、興津川地域包括支援センター、介護福祉士実務者養成施設(定員20名)

※2022年12月現在 特別養護老人ホーム 白扇閣 ホームページより抜粋

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