私たちの働き方改革

2024/11

インカム活用による労働環境のDX化で、記録時間の短縮や入居者との時間創出を実現

インカム活用による労働環境のDX化で、記録時間の短縮や入居者との時間創出を実現

<お話してくれた方>
施設統括 幡 茂樹さん(左)
ユニットリーダー 森 悦子さん(右)

フランス語で「とても素敵な」という意味をもつ「セ・シボン」。セ・シボンかしまでは、ご入居者・職員・地域にとって「とても素敵な」場所となるための施設づくりを進めています。中でも、近年重点的に取り組んできたのが、職員の働きやすさの向上を目指した、労働環境のDX化です。特にインカムの導入は、「職員の手を止めない」ナースコール対応や介護記録時間の大幅な削減を可能にしました。ICTの導入を先導した施設統括の幡さんと、ユニットリーダーとして現場のシステム利用をサポートする森さんにインカムの活用状況や導入効果についてお聞きしました。

職員が働きやすい職場を目指して
労働環境のDX化を推進

セ・シボンかしまでは、約1年半前にナースコールのリプレースの他、スマートフォン(iPhone)やワイヤレスインカムの導入など、大幅なシステムの見直しを行いました。

見直しの背景には、当施設の最終目標である「地域全体のウェルビーイング」があります。これを叶えるためには、まず地域で働く職員と、生活しているご入居者双方の満足度向上が必要だと考えました。そしてそのためには、施設そのものの質を高めなければいけません。そうした中でまず重視すべきだと感じたのは、職員が長く働き続けられる職場をつくることでした。研修や実践でスキルを磨いた優秀な職員の存在こそ、施設の質の担保につながると考えたのです。さらに、職員が笑顔で働けることは、ご入居者に寄り添ったケアの提供にもつながると思いました。

そこで「職員が働きやすい職場づくり」のためにICTの導入を決意。ナースコールの更新時期や補助金のタイミングなどがうまく重なったことも、システム入れ替えの追い風となりました。特にインカムの導入は、職員の働き方を大きく変えるきっかけとなったと感じています。

幡さん▲施設内のDX化を先導・統括している幡さん

iPhoneの読み上げ機能×インカムを活用し
「手を止めない」ナースコール対応を実現

当施設はショートステイを含めて6ユニットあり、インカムは1ユニットあたり2台配布しています。基本的に早番と遅番が装着しており、主にナースコール対応や介護記録の音声入力、内部連絡などで利用しています。

ナースコール対応ではiPhoneの読み上げ機能を活用しています。具体的には、まず呼出が入るとナースコールと連動しているiPhoneに通知が入ります。次に、通知によって表示されたiPhoneの画面上の呼出内容が、読み上げ機能によって自動で読み上げられ、インカムを通して音声で呼出情報をキャッチできるという仕組みです。例えば、ご入居者から一般呼出があった場合は「ナースコール 神宮 1ノ1」とインカムで職員に知らせが入ります。「神宮」がユニット名、「1ノ1」が利用者さんを指します。

iPhoneやインカムが導入される前はPHSを使っていました。これまでは、呼出がかかってPHSに通知が入ると、一旦作業の手を止めて画面を見て、どこの誰が呼んでいるのかを確認していました。ただ、他のご入居者の対応中だとPHSは確認できませんし、ここ数年は感染症のこともあってそうした機器に触れるのにも気を遣いました。オムツ交換をした後は手を洗ってからでないとPHSに触ることもできません。手を洗う、消毒するといった行為がタイムロスでしたし、何より「ご入居者を待たせてはいけない、早くいかないと…!」という焦りも常に感じていました。

今は呼出が入った時にiPhoneの画面を確認する必要がなくなり、手を止めることなく、よりスムーズに対応できるようになりました。職員の焦りも少し解消されたように思います。

▲一般呼出時は「ナースコール 場所名(須賀、神宮など) ご入居者番号(1ノ1など)」、離床センサーからの呼出は「リショウ 場所名 ご入居者番号」と読み上げられる。「呼出種別もわかるようになり、対応の優先順位がつけやすくなった」と幡さん。

次のページ:介護記録AIアプリ×インカムによる音声入力で記録時間を短縮

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施設名:社会福祉法人 至福会 特別養護老人ホーム セ・シボンかしま
住所:〒314-0047 茨城県鹿嶋市須賀1350-1
開設:2004年6月
定員数:入所50名、短期入所10名 ※2024年11月時点
ホームページ:http://shifuku.or.jp/cestsibon

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