アンケート結果「看護職・介護職の働き方に関するアンケート」
2024/12/26
私たちの働き方改革
2023/5
若松
働き方改革のために見直したのは、報酬体系だけではありません。業務の効率化を図る取り組みのひとつとして、2022年から24時間365日稼働する電話対応専属部署を設置しました。
訪問看護師のもとには、たくさんの電話がかかってきます。近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速していますが、看護師が患者さんやケアマネージャーなど地域の医療・介護関係者とやりとりする際に使うのはほぼ電話。口調や声のトーンから伝わる情報も多く、患者さんも安心感を得られるのではないかと思います。
とはいえ、患者さんの処置を行っている最中や、患者さんやご家族とシビアな話をしている時に電話が鳴ると業務が停滞し、看護師と患者さん双方のストレスになります。現場の看護師から「どうにかならないか」という声が上がったため、コールセンターを設置し、電話対応のタスクシフトを行いました。
持田
そもそも私たちの訪問看護ステーションでは、掃除や洗車などの業務を看護師以外のスタッフにお願いしています。看護師が不足しているので、看護以外の仕事を看護師にさせるのは避けたほうがいい。電話対応もその一環です。
若松
この取り組みにより「看護業務の効率化 先進事例アワード2022」で最優秀賞を受賞しましたが、これはささやかな工夫にすぎないと思っています。ただ、医療現場では、こうしたちょっとした取り組みさえなかなかできないのも事実です。看護師は真面目な方が多く、日頃からリスクを避けるよう指導されているので、環境の変化を恐れる傾向があります。そのため、現場の抵抗にあい、改革が進まないケースも多いのでしょう。そこで私たちは、あえて現場の同意は取らず、経営サイドでコールセンターの導入を決めました。
導入にあたっては、とにかくスピードを重視しました。導入前から「リスクがあるかもしれない」「こういう場合はどうしよう」と考えても意味がありません。運用しながら、その都度起きるトラブルに対応し、リスクマネジメントを行うほうがスムーズです。実際、開設から約1年経ちますが、現在まで問題はほとんど起きていません。
▲コールステーション導入で、看護業務に集中できるようになった
持田
コールセンターの導入にあたり、最初に決めたのは「患者さんや多職種からの問い合わせ、新規のご依頼、求人関係などすべての電話窓口をコールセンターに集約する 」という方針でした。また当初は、コールセンターで受けた電話はすべて折り返すようにしていました。「電話によって看護師の業務を中断しない」という目的は、これだけで十分に達成できます。そして、受けた電話の中から、その場で回答していい問題か、医療知識が必要な案件かを選別する仕組みをつくりました。
若松
新たに採用した電話対応スタッフは、約10名。常時1~2名のスタッフが各事業所で電話対応しています。また、スタッフの質を担保するため、看護師が中心となって電話対応マニュアルを作成しました。「体調に関する相談は必ず看護師に連絡する」「緊急訪問の依頼は、看護師の空き枠を確認し、対応できる看護師に連絡する」など、お問い合わせ内容に応じた手順を細かく記しています。
電話を受けたスタッフが、その場でお問い合わせに回答するケースもあります。その筆頭が、新規のご依頼です。私たちはこれまで7年間訪問看護ステーションを運営してきましたが、患者さんを断ったケースは1件もありません。こうした新規案件は、コールバックではなくすぐに回答すべきです。ケアマネージャーは、何件も電話して受け入れ先を探すため、その場で回答が欲しいはず。「こんな大変な患者さんも引き受けてもらえるのか」と安心していただければ、地域医療連携もまた一段と深まるでしょう。
となると、私たちが抱える患者さんの数も増えていきますから、看護師の採用にも力を入れています。
向山
とにかく、電話の窓口をコールセンターに集約することを徹底しています。例えば、看護師からケアマネージャーに「福祉用具に不具合があります」といった電話を一度でも入れると、以降は看護師に直接電話がかかってくることもあります。しかし、コールセンターの設置により、こうした電話も看護師にはかかってこなくなりました。
若松
患者さんからの電話も同じです。看護師が指定の訪問時間に遅れる場合、個人の電話からその旨を連絡すると、その着信履歴をもとに、患者さんが看護師に直接電話をかけてしまうケースもありました。そのため、看護師にも「患者さんからの電話には出ず、必ず代表電話にかけ直してもらうように」と伝え、電話はすべてコールセンターが受けるようにしています。
持田
また、情報共有システムを構築し、電話対応スタッフが看護師のスケジュールや位置情報を確認できるようにしました。例えば、患者さんから「あとどれくらいで家に来ますか?」という問い合わせを受けた場合も、電話対応スタッフが到着時間をお伝えすることが可能です。看護師からのコールバックが必要なお問い合わせについては、看護師の携帯電話にLINEやショートメールで速やかに連絡できるようにしています。
▲ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける環境が整っている
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施設名 | 株式会社Le-caldo 訪問看護ステーション トータルケア |
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住所 | 〒359-1141 埼玉県所沢市小手指町1-36-5 |
事業開始 | 2015年 |
事業内容 | 訪問看護ステーション「トータルケア」の運営、保育園・学童一体型施設 リカルドキッズガーデンの運営 |
ホームページ | https://lecaldo.co.jp |
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